
ヤツデとは

ヤツデ(八手)は、日本や東アジアに自生する常緑低木で、丈夫で育てやすいことから庭木や鉢植えとして人気があります。ヤツデ名前は、大きな葉が手のように深く切れ込み「八つ」に分かれて見えることに由来します。実際の切れ込みの数は7~9枚程度ですが、「八」が縁起の良い数字であることから名付けられたようです。樹高は1~2mほどになり、大きく広がる特徴的な葉が美しいシルエットを作ります。
葉は光沢のある濃い緑色で、手のひらを広げたような形が特徴的です。和風庭園や洋風ガーデンのアクセントとしても活躍し、一年を通じて緑を楽しめます。
秋から冬にかけて、茎の先端に小さな白い花を球状に咲かせます。開花時期は10月~12月頃で、晩秋の庭に華やかさを添えてくれます。その後、黒紫色の実が付くと鳥たちの食料にもなります。
ヤツデは日陰にも強く、半日陰や日陰の庭でも元気に育ちます。地植えはもちろん、大きめの鉢に植えればベランダや玄関先でも楽しめます。病害虫にも強く、手間がかからないため初心者にもおすすめです。庭のシンボルツリーや目隠し、和の趣を演出する植栽として取り入れてみてはいかがでしょうか。
園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉の色が濃くツヤがあり、虫食いや病気の跡がないものを選びましょう。
ガーデンパーティではヤツデを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
ヤツデの基本情報
名前 | ヤツデ |
学名 | Fatsia japonica |
科・属名 | ウコギ科 / ヤツデ属 |
英名 | Fatsia、Japanese aralia |
和名 | ヤツデ(八手、八つ手) |
分類 | 低木 |
開花時期 | 11月~12月 |
お勧め植え付け時期 | 4月~7月 |
原産地 | 本州、四国、九州、沖縄 |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 普通 |
ヤツデの栽培カレンダー

ヤツデの基本的な育て方
植え付け
ヤツデの植え付けに適した時期は春または秋です。成長が活発になる時期に植えることで、しっかりと根を張り健康に育ちます。植え付けの際は、水はけのよい土壌で、半日陰から日陰となるような場所を選ぶようにしましょう。乾燥を嫌うため植え付け後はしっかりと水やりを行い、根が落ち着くまで乾燥させないことが大切です。また鉢植えで育てる場合は、一回り大きな鉢を選んで適度に水やりをして管理しましょう。
地植えの場合は特に植え替える必要はありませんが、株が大きくなりすぎた場合には剪定を行って形を整えるのが良いでしょう。
植え替え
ヤツデは成長が早いため、鉢植えで育てる場合は2~3年に一度、植え替えをしましょう。植え替えの適期は3月~5月または9月~10月頃の気温が安定して根が活着しやすい時期を選ぶようにしましょう。根詰まりを防ぐため古い土を軽く落としてから新しい土に植え替えます。鉢植えの場合は、一回り大きな鉢に移し替えることで成長を促すことができます。
日当たり・置き場所
半日陰~日陰を好み、直射日光が強すぎる場所では葉焼けを起こすことがあります。建物の北側や木陰など、やわらかい光が当たる場所が理想的です。乾燥を嫌うため風通しが良く適度に湿度が保たれる環境で育てると美しい葉を保つことができます。鉢植えの場合は、夏場は涼しい場所に移動させると葉が傷みにくくなります。寒さには比較的強いですが、寒冷地では防寒対策として冬の間は霜が直接当たらない場所に置くのがおすすめです。
水やり
乾燥を嫌うため、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるようにします。特に夏場は乾燥しやすいので、涼しい時間帯の朝か夕方にしっかり水やりをしましょう。鉢植えの場合は、冬場でも乾燥しすぎないよう注意し土が乾ききる前に水を与えましょう。水のやりすぎも根腐れの原因となるため水はけの良い土を使い、鉢植えで育てる場合は鉢皿に水をためないように気をつけましょう。
肥料
肥料が少なくてもよく育ちますが、元気な葉を茂らせるためには定期的な施肥が効果的です。2月~3月の冬の終わりに寒肥(有機肥料や緩効性化成肥料)を与え、6月にも軽く追肥します。
病害虫
丈夫な植物ですが、カイガラムシやアブラムシが発生することがあります。特に風通しが悪いと害虫がつきやすくなるため、定期的に葉を観察し、見つけたら早めに駆除しましょう。また湿気が多すぎると灰色かび病が出ることがあるため、水はけの良い土と適度な剪定で予防するのがポイントです。その他に、葉腐病、炭そ病、黄斑病などが発生することがあります。
剪定
ヤツデは放任すると大きく成長するため、込み入った枝や古くなった葉を剪定しましょう。剪定の適期は2月~3月の春に行うのがおすすめです。込み合った枝を剪定することで風通しが良くなり病害虫の予防にもなります。伸びすぎた枝は節の上でカットすると自然な樹形を保てます。
夏越し
夏の暑さには強いですが、強い直射日光には注意が必要です。葉焼けを防ぐために、鉢植えは半日陰の涼しい場所に移動させると良いでしょう。水切れにも注意し、土が乾きやすい時期はこまめに水やりを行います。
冬越し
寒さにもある程度耐えられ、関東以西の温暖な地域では屋外での冬越しが可能です。寒冷地では霜や雪のダメージを受けることがあるため防寒対策をすると安心です。鉢植えの場合は冬の間だけ軒下に移動させるのがおすすめです。
増やし方
挿し木や株分け、種まきで増やすことができます。
挿し木
元気な枝を10cmほど切り取り、水揚げをした後に清潔な土に挿します。挿し穂には、3月から4月上旬は前年からの枝、6月から7月、9月は今年伸びた枝を用いるようにします。挿し床には川砂や赤玉土を使用し、水はけをよくしておきましょう。挿す時に挿し穂に発根促進剤を塗布したり、挿し床の上に遮光ネットなどで日よけをしたりすると発根がよくなります。
株分け
株分けは植え替えの時期に行うのがおすすめです。根を傷つけないように注意しながら分けたら、植え付けたい場所へそれぞれ植え付けましょう。植え付け後は水を与えて日陰で管理しましょう。鉢植えにする場合は、少し剪定して植え付けするとよいでしょう。
種まき
5月ごろ成熟した種をとりまき(種を採取したら保管せず、すぐにまくこと)します。とりまきは、種の乾燥を防ぎ発芽率が高まるためヤツデなどの植物に適しています。
まき床(種をまいて苗を育てるために用いる小さな容器)を用意し、ピートモスなどを加えた湿り気の多い土に種をまきましょう。発芽して根が十分張ってくるまでは土を乾燥させないように気をつけて日陰で管理しましょう。
まとめ
- 日陰でも育ちますが、適度な光と風通しを確保するようにしましょう。
- 定期的に剪定して形を整えることで、病害虫を防ぎましょう。
- 乾燥しすぎないよう注意しながら水やりをしますが、水のやりすぎにも気を付けましょう。
