バーベナの育て方・基本情報・まとめ

バーベナの育て方

バーベナとは

バーベナの育て方

バーベナはクマツヅラ科クマツヅラ(バーベナ)属に属する植物で、春から晩秋の長期間、夏の暑さが厳しい時期でも元気に花を咲かせます。桜に似た美しい形の花は、「美女桜」という和名としても知られています。花色が豊富で、白、赤、ピンク、紫、複色などがあります。

南北アメリカの熱帯から亜熱帯の地域を原産としていますが、日本にもクマツヅラの1種が自生しています。本来は多年草ですが耐寒性は弱めです。日本で流通しているバーベナは、耐寒性がやや弱い1年草タイプと比較的耐寒性のある多年草タイプがあります。

品種によって成長の仕方がさまざまで、草丈が低めのものや1m以上になるもの、茎がやや立ち上がるものと、横へ這うようにほふくするものがあります。ほふくするものは栄養繁殖系(種子を使わずに繁殖する)品種に多く、暑さや寒さに強く育てやすいです。

草丈が低いものやほふくするものは、グランドカバーや寄せ植え、ハンギングになどにもおすすめです。

草丈が高いものは、庭や花壇に植えると暑い夏も休むことなく開花するため、他の花が弱ってしまうような夏の時期に庭を明るく彩ってくれます。三尺バーベナや、バーベナ・メテオールシャワーなどは草丈が高めで花壇の後方などに植えることで立体感のある庭が演出できます。

バーベナには代表的な品種としてテネラやリギダなどがあり、分枝性のよい新品種も多く流通しています。

園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉の色が美しく蕾の数が多いものを選ぶようにしましょう。

ガーデンパーティではバーベナを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。

バーベナの基本情報

名前バーベナ
学名Verbena x hybrida
科・属名クマツヅラ科 / クマツヅラ属(バーベナ属)
英名Verbena
和名ビジョザクラ(美女桜)
分類多年草(一年草のものもある)
開花時期5月中旬~11月中旬
お勧め植え付け時期5月~7月中旬/9月
販売時期4月~5月
原産地南北アメリカの熱帯から亜熱帯
耐暑性強い
耐寒性弱い

バーベナの栽培カレンダー

バーベナの栽培カレンダー

バーベナの基本的な育て方

植え付け

酸性土壌を嫌うため植え付け場所の土に苦土石灰を加えてよく耕しておきましょう。水はけがよく、通気性に富み、適度に保水性のある土が最適です。市販の草花用の培養土6、腐葉土3、牛ふん堆肥1の割合で配合するのもよいでしょう。水がたまってしまうような場所は、パーライトなどを加えて土壌改良してください。品種によって成長具合が異なるため、その品種にあった間隔で植え付けましょう。

植え替え 

地植えや1年草のバーベナは植え替えの必要はありません。

鉢植えは株が込み合ってきたら、夏の切り戻し後(脇芽が伸び始めてきた頃)に植え替えます。

日当たり・置き場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。夏に直射日光に当たり続けると弱ってしまうものは、夏の間は半日陰で育てるのがよいでしょう。

水やり

地植えは、植えつけ後にたっぷりと与えたら、その後の水やりはほぼ不要です。真夏に葉色が薄くなって乾いた状態の時はたっぷりと水やりをしてください。

鉢植えは、土の表面が乾いたら水が鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりしますが、土がずっと湿った状態になるのは避けましょう。

肥料 

緩効性化成肥料を元肥として土に混ぜ、春から秋にかけて定期的に固形肥料を追肥するか、液体肥料を2週間に1回程度施すようにしましょう。開花期が長いので肥料切れに注意しましょう。

病害虫 

春と秋にうどんこ病が発生しやすいので、株が蒸れないように注意します。発生したうどんこ病を放っておくと白い部分が全体に広がっていき株が弱る原因になります。感染した葉や茎は取り除いて処分しましょう。茂り過ぎたら葉や茎を切ったりして風通しをよくして、株が蒸れないような環境で育てることが大切です。

アブラムシやオンシツコナジラミ、ハダニが発生することがあります。ハダニがつくと葉がかさかさになります。見つけ次第、駆除しましょう。

摘芯

株が若いうちに摘芯(茎の先端にある芽の摘み取り)をすると脇芽が増えて花付きがよくなり、ボリュームのある株になります。

切り戻し

8月中旬・下旬頃に切り戻しを行いましょう。切り戻す位置は草丈の1/2~1/3の各節の上で、数枚葉を残して切り戻します。切り戻した後は脇芽が伸び始めます。草姿が乱れた時も切り戻しをするとよいでしょう。

花がら摘み      

小花がすべて咲き終わったら、花茎のつけ根から切り取ります。春から晩秋まで長く開花しますので、花がらをこまめに摘み取りましょう。枯れて落ちた花がらや葉も忘れずに取り除きましょう。

夏越し 

夏の暑さには強いものが多いですが、品種によっては風通しのよい涼しい場所に置いて管理するのがよいものもあります。

冬越し 

土の中が凍結してしまう地域は、多年草でも冬越しが厳しいことがあります。防寒対策として鉢植えは暖かい場所へ移動させたり、株元をマルチングしたりしても良いでしょう。

増やし方

1年草は種まきで、多年草や栄養系の品種は挿し芽で増やすことができます。

種まき

発芽適温は20℃ぐらいで、春と秋に種をまくことができます。

湿らせておいた種まき用の土へ種をまき、うすく土をかぶせ、発芽まで乾かさないように管理しましょう。本葉が3~4枚になったら植え付けしましょう。

挿し芽

春から初夏、または秋に、挿し芽を行うことができます。元気な茎を10cm程度の長さに切って挿し穂を作り、水につけておきます。湿らせた挿し木用の土(赤玉土やパーライトなど)に挿し、乾燥しないように管理しましょう。

挿し木や挿し芽は人に譲らず自宅で楽しむようにしましょう。

挿し木や挿し芽で増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。

まとめ

  • 日当たりと風通しのよい場所で、株が蒸れないように気をつけて育てましょう。
  • 開花期が長いので、肥料を定期的に与えるようにしましょう。
  • 株が若いうちに摘芯をして脇芽を増やして好みの形に仕立てましょう。