
ネメシアとは

ネメシアは、キンギョソウによく似た小さな愛らしい花が重なって咲くゴマノハグサ科の植物です。南アフリカを原産とし、白や黄色、赤、青などの花色があり、多くの品種が独特の香りをもっています。
草丈は品種により異なりますが20cm~40cmぐらいまでのものが一般的ですので、花壇の前側に植えたり、鉢植えにしたりするのもおすすめです。コンパクトな草丈と愛らしい小さな花は、一株植えるだけでも華やかな印象を与えるため、寄せ植えにも重宝します。
ネメシアは一年草のタイプが長年親しまれて来ましたが、高温多湿に弱いため夏には枯れてしまいます。品種改良により多年草タイプ(宿根ネメシア)がつくられ、四季咲きで長期間花が楽しめるようになりました。主に春から夏にかけて花を楽しむことができますが、品種や栽培環境によっては、真夏を除き咲き続けるものもあります。
宿根タイプも夏越しができなかった場合は一年草として楽しむことになります。また、夏越しができても短命で2~3年で枯れてしまうことが多いため、毎年楽しみたい場合は挿し木や種まきなどで株を増やしておくのがおすすめです。
1年草のネメシアと宿根ネメシアも基本的な育て方は共通しているところが多く、風通しよく管理することが大切です。比較的管理がしやすいため、初心者の方にも育てやすいでしょう。
園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、茎が太くしっかりした苗を選ぶようにしましょう。茎が細くヒョロヒョロ伸びた苗は避けるのが無難です。
ガーデンパーティではネメシアを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
ネメシアの基本情報
名前 | ネメシア |
学名 | Nemesia strumosa |
科・属名 | ゴマノハグサ科 / ネメシア属 |
英名 | Nemesia |
和名 | ウンランモドキ(海蘭擬き) |
分類 | 多年草(一年草のものもある) |
開花時期 | 4月~6月・10~11月 |
お勧め植え付け時期 | 3月~4月/9月下旬~11月 |
販売時期 | 3月~4月 |
原産地 | 南アフリカ |
耐暑性 | 弱い |
耐寒性 | 強い |
ネメシアの栽培カレンダー

ネメシアの基本的な育て方
植え付け
春か秋に植え付けします。水はけのよい土(自分で配合する場合は、赤玉土中粒5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土などを用いて)に、元肥を混ぜて植え付けます。鉢植えであれば市販の園芸培養土を使うのもよいでしょう。
地植えであれば、日当たりと水はけがよく過湿になりにくい場所に植え付けるのがよいでしょう。一段高い花壇やロックガーデンへの植え付けもおすすめです。
植え替え
宿根タイプのネメシアは春または秋の時期に、植え替えを行うようにしましょう。鉢植えの場合は、長く栽培していると鉢の中で根が詰まってくるようになるため、毎年植え替えてください。
地植えの場合は、秋に掘り上げて元肥を施した後、軽く耕して植え直しましょう。
1年草タイプは、夏越しできないため植え替えの必要はありません。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みますので、基本的に日なたで育てるようにしましょう。
夏の時期は、強い直射日光に長時間当たると株が弱ってしまうことがありますので、鉢植えなど移動が可能なものは涼しい半日陰へ移動させるのが良いでしょう。地植えの場合は寒冷紗などを使って日除けをしてあげるのもおすすめです。
鉢植えは、9月から6月は日なたで育て、日差しの強い夏は風通しのよい半日陰に置き、冬は北風が当たらない南向きの軒下のような暖かい場所に置いて管理しましょう。夏の時期には、雨に当たらないようにすると夏越ししやすくなります。
水やり
地植えの場合は、降雨に任せて大丈夫です。雨がずっと降らない時や、屋外でも雨が当たらない場所で育てている場合は、土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。
鉢植えは、土の表面が乾いているのを確認したら、たっぷり水を与えるようにしましょう。湿っている状態で水を与えてしまうと、過湿になることがありますので注意してください。
肥料
鉢植えの場合は、9月から10月、3月から6月に、薄めの液体肥料を2週間に1回程度施すようにします。濃い肥料を与えると、根が傷む原因となりますので注意してください。
地植えの場合は、鉢植えほど肥料を必要としません。
植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として施すだけで、追肥の必要は特にありませんが、夏越しできた株は9月から10月に緩効性化成肥料を追肥するとよいでしょう。
病害虫
灰褐色のかびで覆われる灰色かび病が、秋と、3月から7月頃にかけて発生することがあります。長雨が続いたり、株が茂って風通しが悪かったりすると多発します。咲き終わった花がらは放置せずこまめに取り除くようにしましょう。
風通しがよくなっても改善せず、葉や茎が黒く枯れる症状が出た場合は、ウイルスが原因である可能性があります。周囲の植物にも伝染する危険性がありますので株を抜き取って廃棄しましょう。ハサミなどの器具からの伝染や、アブラムシなどの媒介でもウイルス病が発生しますので注意しましょう。
3月から11月に、アブラムシが発生することがありますので、数が少ないうちに駆除してしまいましょう。またハダニが葉の裏などにびっしりと付着することがあります。霧吹きを使って葉に水をかけてハダニを予防しましょう。
切り戻し
9月から6月、花が咲き終わってきたら、草丈の半分程度の長さに切り戻しましょう。切り戻すことで、脇芽が出て次の開花を楽しめるかもしれません。切り戻す時は、ウイルスの感染を予防のため、熱湯や塩素で消毒したハサミなどを使うようにしましょう。
花がら摘み
開花中は、小さな花が次々と開いていき、咲き終わった花が茎や葉、地面などに落ちて付着します。そのまま放置していると病気が発生する原因にもなりますので、こまめに取り除くようにしてください。
夏越し
一年草タイプのネメシアは夏が来る頃には枯れてしまうため夏越しはできません。
宿根タイプのネメシアは、高温となる夏の間は強い日差しを避けて、葉焼けに気をつけてください。鉢植えは、雨が当たらず涼しい半日陰の場所へ移動させ、秋に追肥します。雨に当てないほうが夏越ししやすくなります。無事に夏越しができれば再び花を咲かせてくれます。
冬越し
何度も霜に当たると枯れてしまうことがありますので、凍結する地域では株元をマルチングなどして防寒対策を行いましょう。地植えで育てているものは、鉢に植え替えて寒風が当たらない場所で管理するとよいでしょう。
増やし方
種まきと挿し芽で増やすことができます。
種まき
高温では発芽しにくいので、涼しくなる10月頃が適期です。ポットなどに種まき用の土を入れて、水で湿らせておきます。種をばらまきして土を薄くかぶせ、乾かさないように日陰で管理してください。発芽後は少しずつ明るい日向へ移動させます。冬越しさせて暖かくなってから植え付けを行いましょう。
花がらを摘まずにいると種ができ、こぼれ種でも増えることがあります。
挿し芽
挿し芽の適期は3月から6月、9月から10月です。
元気の良い茎を選んで、10cm程度の長さに切って挿し穂を作ります。
挿し木用の清潔な土に挿し穂を挿し、乾燥させないように半日陰で管理します。
3週間程度で根が出てきたら植えつけましょう。
まとめ
- 夏は強い日差しと雨を避け風通しのよい半日陰で育てるようにしましょう。
- 花がらはこまめに摘み取り、葉や茎などについた花がらも取り除きましょう。
- 花が咲き終わったら半分程度に切り戻しをして、脇芽を増やしましょう。
