キキョウの育て方・基本情報・まとめ

キキョウの育て方

キキョウとは

キキョウの育て方

キキョウは東アジアに広く分布するキキョウ科の多年草で、初夏から秋に美しい花を咲かせます。かつては自生種が日当たりのよい草原などでよく見られていましたが、近年ではその数が激減しており絶滅危惧種に指定されています。自生種は絶滅危惧種に指定されていますが、園芸品種としては多くの品種が流通しています。古くから愛されてきた美しい花は江戸時代から品種改良が行われており、これまでにたくさんの品種が生み出されています。

茎はまっすぐに伸び、先端近くに直径5~7cm程度の花を1~10数輪咲かせます。蕾は咲く寸前までふんわりとふくらんで紙風船のような形をしています。花色は紫や青、ピンクや白などがあり、咲き方は一重咲きの他に八重咲き、大輪種、花が最後まで開かない袋咲きなどがあります。草丈は低いものでは10cm程度、高いもので1mを越します。咲き方のバリエーションが豊富で、草丈が高いものから低いものまでありますので、品種にあわせて地植えにしたり、鉢植えで育てたりして楽しむことができます。

初夏から秋までと開花期間が長く、暑さや寒さにも強い丈夫な植物で、涼し気な姿は切り花としても親しまれています。

園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉色が青々とした美しいものを選びましょう。黄色い葉があるものや茎が細く伸びている苗は避けてください。

ガーデンパーティではキキョウを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。

キキョウの基本情報 

学名Platycodon grandiflorus
科・属名キキョウ科キキョウ属
英名balloon flower
和名桔梗
分類多年草
開花時期6月~10月
お勧め植え付け時期5~6月
原産地日本、朝鮮半島、中国
耐暑性強い(極端な暑さには注意)
耐寒性強い

キキョウの栽培カレンダー

キキョウの栽培カレンダー

キキョウの基本的な育て方

植え付け

根がまっすぐ伸びる直根タイプのため、植え替えを嫌いますので、根を傷つけない様にして植えつけします。

地植えにする場合は腐葉土や堆肥などを混ぜて耕しておきましょう。水はけのよい場所へ15~30cm盛り土をして植え付けるのがおすすめです。複数株を植える場合は、株と株の間を20cmほどあけます。

鉢植えは鉢底石を敷いて排水性を高めてから植え付けましょう。水はけのよい土であれば土質は選びません。市販の草花用培養土でもよく育ちますし、自分で配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3で混ぜるのもよいでしょう。

植え付け後はたっぷり水を与えましょう。

植え替え 

2月から3月の芽出し直前に植え替えます。

地植えの場合は特に植え替える必要はありませんが、3年に1回は掘り上げて根を傷つけないように注意しながら株分けして植え直しましょう。

鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいため、毎年植え替えましょう。

実生苗(種から育てた苗)は成長に合わせて鉢増しによる植え替えを行いましょう。

日当たり・置き場所

日陰では育ちにくいので、日当たりと風通しの良いところが適しています。

高温多湿は苦手ですので、初夏や秋は日当たりが良く、真夏は明るめの半日陰で水はけと風通し良く管理できるようなところがよいでしょう。

水やり

乾燥に強く過湿を嫌います。

地植えは、しっかり根付いてからは降雨に任せてよいですが、雨がずっと降らず乾燥しているようであれば水やりを行ってください。

鉢植えは、土が乾いたらたっぷり与えます。

肥料 

植え付け時と植え替えの際に元肥として緩効性肥料をまぜこみます。

鉢植えは、3月から5月は追肥で緩効性肥料を適量施します。6月から9月は、液体肥料を1~2週間に1度施します。

地植えの場合は、土が肥沃であれば特に肥料を与えなくても開花しますが、花付きがよくない場合は緩効性化成肥料を与えるようにしましょう。

病害虫 

夏に風通しが悪く過湿になると、立枯病や茎腐病が発生することがあります。水はけのよい土に改良したり、風通しをよくしたりすることで防ぐことができます。

4月から9月につやのある体長1cmほどのクロウリハムシが発生することがありますので、見つけ次第捕殺するか薬剤で防除します。アブラムシやヨトウムシも発生することがありますので、こちらも見つけ次第防除しましょう。

支柱立て

草丈が高くなるものは、春の4月から5月に支柱を立てましょう。あんどん支柱を使ってまとめて支えるのがおすすめです。

切り戻し

開花期間中の夏までは、花が一通り咲き終わったら茎の半分から2/3ほどを残し切り戻します。秋に再び開花した後は自然に枯れていき、冬は地上部分の茎がなくなりますので、冬になる前に地面より2cm位残して切り詰めてもよいでしょう。

花がら摘み

枯れた花をこまめに摘み取ることで、次々と花が咲くようになります。

夏越し 

耐暑性は強いですが、夏の高温期の極端な暑さには注意が必要です。遮光ネットなどを使って日よけを作るなどして、少しでも涼しい環境を作りましょう。

冬越し 

耐寒性は強いので冬越し対策は特に必要ありませんが、強い霜が発生するようであれば腐葉土などで株元をマルチングするとよいでしょう。霜などで痛まなければ越冬します。秋以降は地上部がなくなりますが、春には再び芽が出てきます。

増やし方

種まきや挿し芽、株分けで増やすことができます。

種まき

2月から3月に、水で湿らせた種まき用の土または細かい赤玉土に種をまきます。まき終えたら土を薄くかぶせて発芽するまで乾かさないようにして半日陰で管理しましょう。水をかける時は下から水を吸わせるか多めに霧吹きをして下さい。発芽したら日なたに移し日光を当てて育て、元気の良いものを残して間引きます。本葉が4枚出たら根を傷めないようにしてポットへ鉢上げします。

種から育てた最初の年の花数は多くないかもしれませんが、翌年以降株が充実して花を多く咲かせるようになります。

挿し芽

5月から6月に挿し芽ができます。茎の先端を切り取って挿し穂を作り、水に1時間ほどつけておきます。挿し穂の下葉は取り除き、湿らせた挿し木用の土に挿し、発根するまで明るい日陰で土を乾かさないようにして管理します。新しい葉が伸びてきたらポットへ鉢上げします。

株分け

2月から3月の芽が出る直前に株を分けます。植え替え作業の際に行うのがおすすめです。自然に株が分かれているところで手やハサミを使って分け、分けた株はそれぞれ植え付けましょう。

まとめ

  • 地植えにする場合は、過湿にならないよう盛り土した上に植えるのがおすすめです。
  • 鉢植えで育てていると根詰まりを起こしやすいので、毎年植え替えを行いましょう。
  • 花が一通り咲き終わったら、切り戻しをして風通しよくしましょう。