セダムの育て方・基本情報・まとめ

セダムの育て方

セダムとは

セダムの育て方

ころんと小さく、ぷっくりとした葉が可愛らしい「セダム」は、ベンケイソウ科マンネングサ属(セダム属)に分類される多肉植物の一種です。原産地はメキシコやヨーロッパ、アジアの乾燥地帯など広範囲にわたり、世界中で400種以上が確認されています。葉の形や色合い、株の姿も多彩で、まるでミニチュアの植物園のように楽しめるのが魅力です。種類によって、一年草や多年草などがあります。

代表的な品種には、黄緑色の小さな葉が密に茂る「セダム・ゴールデンカーペット」や、赤みを帯びた葉先が美しい「セダム・ドラゴンズブラッド」、ぷっくりした球状の葉が可愛らしい「セダム・オーロラ」などがあり、寄せ植えやグラウンドカバーとして人気があります。

セダムは乾燥に非常に強く、過湿を避ければほとんど手間いらず。日当たりと風通しの良い場所を好み、明るい屋外や室内の窓辺でも元気に育ちます。春から秋にかけて成長し、初夏には黄色や白、ピンクの小さな花を咲かせることも。寒さにも比較的強く、品種によっては冬の屋外でも育てられるため、日本の気候でも扱いやすい多肉植物です。

セダムの楽しみ方として、小さな鉢でコレクションしたり、モルタル造形や木箱に寄せ植えしたりしてインテリアグリーンとして飾るのが人気のようです。ベランダガーデニングやグリーンウォールの素材としても重宝され、初心者からガーデニング愛好家まで幅広く親しまれています。

手のひらサイズで始められる気軽さと、豊富なバリエーションで奥深く楽しめるセダム。あなただけの小さな植物の世界を作って、グリーンライフを彩ってみませんか?

ガーデンパーティではセダムを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。

セダムの基本情報 

名前セダム
学名Sedum
科・属名ベンケイソウ科セダム属
英名Stonecrop
分類多肉植物
生育タイプ春秋型
開花時期春から夏(植物が成熟してから2年目以降に開花することがある)
お勧め植え付け時期春から夏
原産地北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど
耐暑性強い(種類により異なる)(強い日差しには注意)
耐寒性やや弱い~強い(種類により異なる)(極寒地域では冬季の保護が必要)

セダムの栽培カレンダー

セダムの栽培カレンダー

セダムの基本的な育て方

植え付け

植え付けの適期は春と秋の気候が穏やかな時期です。多肉植物用の水はけのよい土を使い、鉢底には軽石などを敷いて通気性を高めましょう。湿気の多い場所は避け、風通しの良い場所で育てましょう。鉢植えはもちろん、ロックガーデンやグランドカバーとして屋外での地植えにも向いています。セダムは繁殖力が高く、地植えで育てる場合は、あっという間に広がっていきます。広範囲に広がってほしくない場合は、レンガやブロックで縁を囲うなどして範囲制限しましょう。葉が取れたり落ちたりしたものが土に接して根付き、簡単に増えていくことがありますので、地植えで育てる際には特に注意してください。

植え替え

セダムは根詰まりしにくい植物ですが、用土の劣化を防ぐために1〜2年に1回程度、春か秋に植え替えるのが理想的です。古い土を落とし、傷んだ根を切り取ってから新しい土に植え替えます。植え替えの際に、群生している株は株分けで、茎が伸びてしまったものは切った茎を挿し木にして増やすことができます。

日当たり・置き場所

基本的に日当たりのよい場所を好みます。屋外では半日以上日が当たる場所に、室内で育てる場合は明るい窓辺に置くのがおすすめです。夏場の強い直射日光は葉焼けを起こすことがあるため、遮光ネットなどで調節しましょう。地植えの場合は、夏に雨が当たらず半日陰となり、水はけがよい場所がおすすめです。

水やり

乾燥に強く、水やりは控えめが基本です。春と秋の成長期は、土がしっかり乾いてからたっぷりと与えるようにします。梅雨時や真夏は蒸れやすいため、水やりを控えめにし、朝か夕方の涼しい時間に行います。冬は休眠することが多いため、月に1〜2回を目安に管理しましょう。寒さに強い品種や落葉種は、冬の休眠期に雨にさらされても大丈夫なものもあります。

肥料

ほとんど必要ありませんが、成長を促したい場合は春と秋に緩効性肥料を少量与える程度で十分です。与えすぎは徒長の原因になるので注意しましょう。

病害虫

風通しが悪いとアブラムシやカイガラムシが発生することがあります。異常が見られた葉はすぐに取り除き、必要に応じて殺虫剤で対処しましょう。過湿による根腐れや葉の黒変にも注意が必要です。特に梅雨時や夏場は蒸れ対策を心がけましょう。

切り戻し

セダムは成長が早く、茎が伸びすぎて姿が乱れることがあります。春か秋に混みいった枝を半分ぐらいの高さで切り戻しを行うことで、新芽の生育が促進され、通気性も良くなり蒸れ防止にもなります。切り取った部分は挿し木として再利用できるので、増やす楽しみも広がります。

夏越し

暑さには比較的強いものの、高温多湿の環境では蒸れや葉焼けが起きやすくなります。梅雨から夏にかけて半日陰の風通しの良い場所に移動し、水やりを控えめにしましょう。

冬越し

品種によって耐寒性が異なりますが、霜が降りる地域では屋内に取り込むのが安心です。屋内でも日光が当たる場所に置き、水やりは控えめにします。寒冷地では寒風や霜よけの対策が必要です。

増やし方

セダムは非常に繁殖力が高く、春か秋の時期に、挿し木や葉挿し、株分けで手軽に増やせます。

挿し木

元気な茎を5cm程度カットして数日乾燥させた後、多肉植物用の土に挿します。発根後は徐々に水やりを増やします。

葉挿し

傷や傷みのないきれいな葉を丁寧に取って、乾燥させてから土に置くと発根します。やや難易度は高めですが、成功すれば1枚の葉から新芽が出てきます。葉挿しをして2週間ぐらいたってから水を与えるようにします。

株分け

群生するタイプは、根元から子株を分けて別の鉢に植え付けます。根付くまでは水やりはせず、1週間以上たってから水を与えるようにします。

セダムの豆知識

・セダムの和名は?
セダムはラテン語のsedere(座る)が語源で、地面を這うように広がる様子から名づけられたと言われていますが、和名では「マンネングサ(万年草)」や「ベンケイソウ(弁慶草)」と呼ばれます。それぞれ、常緑で、一年中緑を保つことから「万年でも生きる」たとえとして「万年草」、武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)のように枯れない強い草という意味から「弁慶草」と呼ばれているようです。

・セダムは踏んでも大丈夫?
一部のセダム(グラウンドカバー向けの種類)は、ある程度踏圧に耐える性質がありますが、頻繁に踏まれると傷んだり枯れたりすることがあります。人がよく通る場所では、踏まれにくい配置にしたり飛び石を使ったりすると安心です。

・セダムは冬に枯れますか?
セダムは耐寒性のある種類も多く、冬になると地上部が一時的に枯れたように見えても、根は生きていて春になると再び芽吹くことがあります。ただし寒さに弱い品種もあるため、地域や品種によっては室内に取り込むなどの冬越し対策が必要です。

まとめ

  • 日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
  • 過湿に気を付けて、土が完全に乾いてからたっぷり水を与えるようにしましょう。
  • 蒸れやすい季節は株元をすっきり保って風通しを確保しましょう。