
多年草を長く育てていると、「株が大きくなってきたから少し整理したい」「お気に入りの植物を増やしたい」と思うことがありますよね。そんなときに取り入れたいのが「株分け」です。
今回は、ヒューケラとティアレアの交配種であるヒューケレラを使って、株分けの方法をご紹介します。
ヒューケレラは、冬になっても地上部が完全に枯れ込まず、葉を残して冬の庭を彩ってくれるカラーリーフ。株分けで増やせば、庭のいろいろな場所で楽しむこともできます。
ただし、株分けは「いつ行うか」が大切です。
今回は、実際の株分け作業の様子に加えて、暑い時期に株分けして失敗した例もご紹介します。これからヒューケレラの株分けに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
ヒューケレラの株分けは秋がおすすめ!
株分けは、植物が根を伸ばしやすい適期に行うことが大切です。真冬は寒すぎ、真夏は暑すぎるため、株分けにはあまり向きません。
ヒューケレラの場合、一般的には春と秋が株分けの適期です。
目安としては、
- 春:3~4月頃
- 秋:9~11月上旬頃
がおすすめです。
なかでも、今回おすすめしたいのが秋の9月下旬~10月上旬頃。
春に株分けすると、その後気温がどんどん上昇していきます。株分けしたばかりで根が十分に張っていないうちに暑い時期を迎えてしまうと、株が弱ってしまうことがあります。
一方、秋は株分け後に気温が徐々に下がっていくため、春に比べて暑さによる失敗のリスクを抑えやすいのがメリットです。
ヒューケレラはある程度の暑さには耐えますが、ペチュニアのように暑さに強い植物ではありません。そのため、できるだけ暑さが落ち着いてから株分けするのがおすすめです。
※地域によって気温が異なるため、カレンダーだけで判断せず、暑さが落ち着いているかを目安にしてください。
今回は「ヒューケレラ」を株分けします
ヒューケレラは、ヒューケラとティアレアを交配して生まれた多年草です。
ヒューケラのような美しい葉色と、ティアレアの性質をあわせ持ち、カラーリーフとして庭や寄せ植えなどで楽しめます。冬になっても葉を残しやすいため、花が少なくなる冬の庭でも存在感を発揮してくれます。
ヒューケレラの基本情報
🌼 分類:多年草
🌸 開花時期: 4月~7月
☀️ 日当たり:日なた~半日陰(明るい日陰)
📏 草丈: 20cm~40cmcm程度(品種によって異なります)
🔰 育てやすさ:育てやすい
ヒューケラの株分け方法
それでは、実際に株分けをしていきましょう。

STEP1 株分け前にトレーやポットを準備する
株を分けてから植えるまで時間を空けないよう、まずは株分け前に植え付ける容器を準備しておきます。
今回はプラグトレーを使用します。
プラグトレーに挿し木用の培養土を入れ、手でならして全体に均一に行き渡らせます。
トレーを軽く上下に動かして土を落ち着かせ、土が少ない部分には追加しておきましょう。
土が入ったら、水をかけてしっかり湿らせておきます。
株分け後はすぐに植え付けられるよう、あらかじめ準備しておくのがポイントです。
STEP2 株を分ける
ポットから株を取り出すと、たくさんの株が集まっているのがわかります。
まずは下のほうの土を手でほぐし、根の状態を確認します。
ある程度土がほぐれたら、下のほうの根をハサミでぐるっと切っていきます。
その後、株を持って、自然に分かれそうなところを探します。まずは大きく半分に分け、さらに必要に応じて小さく分けていきましょう。このとき、茎の部分を強く握ったり、無理に引っ張ったりしないように注意してください。株を傷めないよう、割れそうなところを見極めながら、やさしく分けることが大切です。

また、株分けしていると、状態の悪い株や極端に小さい株が出てくることがあります。そのような株は無理に残さず、取り除いたほうが無難です。
大きめの株はそのまま1株として、小さな株は状態を見ながら複数をまとめて植えてもよいでしょう。
株分けで葉を取りすぎないのがポイント!
ここで、ヒューケレラの株分けでぜひ覚えておきたいポイントがあります。
それは、株分けするときに葉を取りすぎないことです。
実際に7月に株分けしたとき、温度を約20℃に調整した室内で養生していたものの、葉色によって結果に違いが出ました。
緑色の株は葉を残していたため、しっかり育っていました。
一方、オレンジ系の株は、大きな葉をすべて取り除いてしまったため、うまくいきませんでした。
挿し木では「葉が多いと葉から水分が失われやすい」という考えから、葉を減らすことがあります。その考え方にならって、株分けでも葉を減らしたほうがよいと思い、葉を取りすぎてしまったのが失敗の原因です。

株分けでは、葉を必要以上に取り除かず、ある程度葉を残しておくことがポイントです。特に暑い時期の株分けは失敗しやすいため、適期に行うことと、葉を取りすぎないことを意識しましょう。
STEP3 分けた株の葉を整理する
株分けすると、大きさの異なるさまざまな株ができます。
そのまま植え付けてもよいですが、葉が多すぎる場合は少し整理します。
大きな株で葉がたくさんついている場合は、特に大きな葉を茎の中心あたりから手で取り除き、葉の量を減らします。ただし、先ほどご紹介したように、葉を取りすぎないことが大切です。また、枯れた葉や茎があれば取り除いておきましょう。枯れた部分を残しておくと、蒸れやカビの原因になることがあります。
STEP4 プラグトレーに株を植え付ける
準備しておいたプラグトレーに、分けた株を植え付けます。
ここで重要なのが、株の中心にある芽の部分を埋めすぎないことです。
ヒューケラやヒューケレラは、株の中心から新しい芽や葉が出てきます。この芽が出てくる部分を土に埋め込んでしまうと、蒸れや腐敗につながる可能性があります。
そのため、株元の芽が少し見えるくらいにして、深く植えすぎないようにしましょう。根がついている株は、根をきちんと土の中に入れて植え付けます。
植え付け後は、株がぐらつかないように土を軽く押さえておきましょう。

株分け後はどこで管理する?
株分け直後は、まだ根が十分についていません。そのため、いきなり強い日差しに当てるのは避け、明るい日陰などのうす光の場所で管理します。急に直射日光が当たる場所に置くと、葉から水分が失われて、しおれたり枯れたりすることがあります。

根がしっかり張ってきたら、少しずつ大きなポットや鉢へ植え替える「鉢増し」を行っていきます。秋は春や夏に比べて気温が下がっていきますが、9月頃はまだ日中に暑さが残ることがあります。
秋に株分けする場合も、できるだけ暑さが落ち着いたタイミングを選ぶようにしましょう。

株分けは「増やす」だけじゃない!
株分けの魅力は、ひとつの株から新しい株を増やせること。増やした株を庭の別の場所に植えたり、鉢植えで楽しんだりと、植物を楽しむ幅が広がります。
さらに、株が大きくなりすぎたときには、株分けによってサイズを整えながら、株を更新するきっかけにもなります。多年草を長く育てている方は、株が大きくなってきたら、株分けを取り入れてみてはいかがでしょうか?
植物の品種によっては、種苗法により保護されている「登録品種」があります。登録品種は、権利者の許諾なく増殖したり、増やした苗を人に譲ったり販売したりすることが制限されている場合があります。品種によってルールが異なるため、増やす前に登録品種かどうかを確認し、増やした苗は自宅で楽しむようにしましょう。
動画でも株分けの手順を紹介しています
今回ご紹介したヒューケレラの株分け作業は、YouTube「花農家ゆうきの園芸ガーデニングチャンネル」でも詳しく紹介しています。実際の株を使った作業の様子を見ながら確認したい方は、ぜひ動画も参考にしてみてください。
まとめ
- ヒューケレラの株分けは春と秋が適期。特に暑さが落ち着いた秋がおすすめです。
- 株分けでは葉を取りすぎず、株の中心にある芽を埋めすぎないように注意しましょう。
- 株分け後は明るい日陰で管理し、根がしっかり張ってから鉢増ししていきましょう。
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