
春からの株をもう一度楽しむために
春からたっぷり花を咲かせてくれたペチュニア。一般的には一年草扱いですが、工夫次第で冬越しさせることもできます。
今回は、ペチュニアの「アモーレ」を例に、冬に備えた管理のポイントをご紹介します。

冬越しが難しい理由
冬のペチュニアは寒さと湿度で弱りやすく、とくに大株のままだと以下のリスクが高まります。
- 花がらにカビが発生し、株全体へ広がりやすい
- 下葉にもカビが生え、さらに弱る原因になる
カビは冬越しを阻む大きな要因。しっかり対策することが大切です。
冬越しの第一歩は「切り戻し」
冬を乗り切るためには、思い切った切り戻しが必要です。
使うハサミは必ず消毒し、ウイルス病の感染を防ぎましょう(ペチュニアは特にウイルスに弱い性質があります)。
切り戻しのポイント
- 伸びすぎた枝を 葉を残しながら短くカット
- だらんと伸びた枝、枯れた枝、種がついた部分は取り除く
- 黄色くなった葉や株元にたまったゴミもしっかり掃除
切り戻した直後は、株がスカスカして心配になるかもしれませんが、少しでも葉を残すことが重要。葉がないとエネルギーが作れず、逆に弱ってしまいます。

補足:更新(挿し木)という方法も
より確実な冬越しを目指すなら、挿し木で若い株を作る「更新」もおすすめです。
※品種登録されているものは配布不可。自分用に楽しみましょう。
切り戻し後の病気予防スプレー
切り戻し後は株がむき出しになり、寒さや湿気による病気にかかりやすい状態になりますので、切り戻し後に、病気予防のスプレーを葉っぱの裏だけでなく表にもかけてあげると病気予防になります。

切り戻し後の管理ポイント
1. 置き場所
- 霜・雪が当たらない 南側の軒下
- 晴れた日は日光が差し込む場所
- 氷点下が続く日は 玄関内に移動
ペチュニアは霜が大の苦手。まずは寒さから守る環境を整えましょう。

2. 水やりは控えめに
冬は気温が低いので、ペチュニアの成長はほぼ止まります。
そのため水を与えすぎると、
- 根腐れ
- 凍結による細胞の壊死
といったトラブルの原因に。
- 基本は 乾かし気味 に
- 水を与えるときは 株元からそっと(葉に水がつくと病気の原因)
- 冬は乾いても案外大丈夫。蒸発が少なく長持ちします

3. 肥料は控えめに
- 冬はほぼ不要
- 与えるなら 緩効性の置き肥を少量(※速効性の置き肥はNG)
- 液肥は 規定の2倍薄め を目安に
- 本格的な施肥は 3〜4月、芽が動き始めてから
濃い肥料は肥料焼けの原因になるため要注意です。
YouTubeでさらに詳しく!
ペチュニアの冬越しのやり方について、動画でご覧になりたい方は、YouTubeチャンネル「花農家ゆうきの園芸ガーデニングチャンネル」をご覧ください。
まとめ
- 葉を残しつつ切り戻し、枯れ葉などをしっかり除去。切り戻し後は病気予防スプレーを!
- 水やりは控えめに。水を与える際は葉を濡らさないよう、株元から与えるようにしましょう。
- 霜の当たらない軒下で管理し、晴れた日はしっかり日光に当てましょう。
ていねいに整えてあげれば、春に再び元気な姿を楽しめる可能性が高くなります。
ぜひチャレンジしてみてください。
