寒さ対策で必須!?不織布の実力とは?

不織布の実力

冬のガーデニングでは、植物を冷えから守るための“防寒対策”が欠かせません。中でも不織布は、手軽でコストも抑えられるため、多肉植物をはじめ寒さに弱い植物の保護に広く使われています。
とはいえ、
「実際どれくらい温度が変わるの?」
「不織布だけでどこまで寒さをしのげるの?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、農場のビニールハウス内で実際に行った“不織布の内外の温度差”について、動画を参考に分かりやすく解説します。
さらに、ご家庭でも可能なカンタン防寒対策も最後にご紹介します。

不織布の実力

不織布の内外でどれくらい温度が違うの?

農場では、ビニールハウス内で不織布をかけて植物を管理しています。
前夜、氷点下予報だったため、不織布の「外」と「中」にそれぞれ温度計を設置し、どれほど差が出るのか測定しました。

● 日中の温度差

  • 不織布の外:19.7℃
  • 不織布の中:22.3℃

2.6℃、不織布の中が高い結果に。

不織布の実力

日中は太陽の熱があるため、不織布内は比較的温まりやすい傾向があります。

● 夜間(深夜2時~朝7時半)の温度差

天気予報では外気温が0℃前後になる予想でしたが、ビニールハウス内では以下のように推移しました。(Bluetoothで夜の気温を測定)

  • 不織布の外:3.2℃
  • 不織布の中:3.8℃(最低)

おおよそ0.5℃ほど不織布の中が高い状態でした。

不織布の実力

体感としては「ほんの少し上がる」という程度ですが、凍結ギリギリの局面では、この0.5℃の差が植物の生死を分けることもあります。

不織布が“さらに効く”のはどんな環境?

不織布単体の保温力は決して高くはありませんが、
ビニールハウスの中+不織布
といった二重構造にすると効果が上がります。

実際、ハウス外は0℃予報でも、ハウス内では3℃台をキープできていました。

ただし不織布だけでは防寒力に限界があり、予報が-5℃、-10℃といった厳寒になる場合は別の手段(暖房・熱源)が必要になります。

農場で行っている“+αの対策”

農場では、不織布のほかに 循環扇(サーキュレーター)を夜通し稼働させています。

不織布の実力

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ溜まり、放置すると霜が降りるリスクがあるためです。

空気を循環させることで、

  • 冷気の停滞を防ぐ
  • ハウス全体の温度ムラを少なくする
    という効果が得られます。

また、ハウス内でも外側に近い場所は1~2℃ほど気温が下がりやすいため、寒さに弱い植物は“内側の区画”で管理するのが安心です。

もっと詳しく知りたい方へ

この記事の内容は、YouTubeチャンネル「花農家ゆうきの園芸ガーデニングチャンネル」でも詳しく紹介しています。ぜひご覧ください!

おまけ:一般家庭でできる手軽な防寒対策

一般のご家庭では環境に合わせた“無理のない防寒”がポイント。上記の動画内ではご紹介していませんが、今日からできる簡単な防寒対策をいくつかご紹介します。

● ① 不織布+鉢カバー(二重構造)

不織布をふんわりかけた上から、鉢全体を覆うカバーや段ボールを重ねると保温性がアップ。
風の直撃を避けるだけでも凍結リスクが大幅に下がります。

● ② 夜だけ玄関・軒下・ベランダ壁際に避難

不織布の実力(ベランダ)

一番手軽で効果大。
特に壁際は地熱や室内の熱で温度が上がりやすいため、数℃違うことも。

● ③ プチプチ(緩衝材)で鉢をぐるっと包む

不織布の実力(緩衝材)

断熱効果が高く、簡易的な“冷気ストッパー”になります。
根が冷えるのを防ぐだけでも、植物の耐寒性はぐっと上がります。

まとめ

  • 不織布にもほんのりとした保温効果がありますが、ほかの対策と合わせることでより安心して使えます。
  • 同じビニールハウス内でも、外側に近い場所と内側では温度差が生じるため、寒さに弱いものは内側で管理するのが安心。
  • ご家庭では、不織布に風よけや鉢の保温をプラスするなど、環境に合わせた防寒対策を行って植物を寒さから守りましょう。