
サルスベリとは

サルスベリは、夏を彩る代表的な花木で、鮮やかな花色と長い開花期間から「百日紅(ひゃくじつこう)」とも呼ばれます。ミソハギ科サルスベリ属の落葉中高木で、日本の庭園や街路樹として古くから親しまれてきました。
花は小さな花びらが房状に集まり、紅・桃・紫・白など華やかな色で咲き、真夏の長い期間にわたって楽しめるのが大きな魅力です。咲き進むにつれて色合いが変わる品種もあり、庭の景観に表情の変化を与えてくれます。花だけでなく、古い樹皮が剥がれて現れる滑らかな幹肌も特徴で、冬の庭でも趣ある姿を楽しむことができます。
樹高は品種によってさまざまで、庭植えでは存在感のあるシンボルツリーとして、鉢植えでは玄関先やベランダを華やかに彩ることができます。近年はコンパクトな矮性種や鉢植え向きの品種も登場し、育て方の幅が広がっています。
サルスベリの見頃は夏で、日差しの強い季節でも丈夫に咲き続けます。鉢植えの場合は土の乾きに注意し、花後は枯れ枝や混み合った枝を剪定すると翌年も美しい花を楽しめます。
サルスベリは、夏の庭を明るく華やかに彩り、四季を通して幹や枝の表情も楽しめる樹木です。初心者でも育てやすく、庭植え・鉢植えどちらでも活躍してくれます。
ガーデンパーティではサルスベリを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
サルスベリの基本情報
名前 | サルスベリ |
学名 | Lagerstroemia indica |
科・属名 | ミソハギ科 / サルスベリ属 |
英名 | Crape myrtle |
和名 | 百日紅(ひゃくじつこう) |
分類 | 落葉中高木 |
開花時期 | 7月~10月 |
お勧め植え付け時期 | 3月~5月、9月~11月 |
原産地 | 中国南部 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
サルスベリの栽培カレンダー

サルスベリの基本的な育て方
植え付け
ポット苗の植え付けは、真夏と真冬を除けば周年可能ですが、春と秋が最適です。
日当たりが良く、水はけのよい場所に、元肥を施し根を傷めないようにして植えつけましょう。地植えの場合は根鉢が広がるスペースを確保すると元気に育ちます。
鉢植えの場合は、ポット苗より二回りぐらい大き目の鉢に水はけのよい土(市販の培養土でもよい)を入れて植え付けます。
植え替え
鉢植えは、根詰まりを防ぐために2~3年に一度、休眠期が終わる3~4月頃か、9~10月頃に植え替えしましょう。
日当たり・置き場所
日光を好むため、1日中、日当たりの良い場所で育てましょう。半日陰でも育ちますが、花付きはやや少なくなります。
水やり
地植えでは根付いてからは降雨で十分ですが、長期間乾燥が続く場合は水やりを行います。地植えでも植え付けて1年に満たない株や鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
肥料
植え付け時に元肥を施し、1月~2月頃(寒肥)と花後の9月頃(お礼肥)に肥料を与えるようにしましょう。
病害虫
3月から4月頃に葉が白く粉を吹いたようになるうどんこ病になることがあります。白い粉が付着した葉や枝を見つけたら病気が広がる前に切り取り、取り除いた葉や枝を地面に残さず処分してください。
また、葉や茎に付いて樹液を吸うカイガラムシがつくことがあります。見つけたら早めに取り除きましょう。
剪定(切り戻し)
サルスベリは、冬の休眠期(12月~3月)に枝を短く切り戻すと、翌年の花付きが良くなります。加えて、夏の花後に咲き終わった枝を切ることで、花をより長く楽しめるようになります。
夏越し
夏の暑さに強いため、特別な夏越し対策は不要ですが、鉢植えの場合は水切れに注意してください。
冬越し
東北地方以西では地植えでの冬越しが可能です。耐寒性の低い品種や冬に寒さが厳しい地域では、鉢植えにして屋内へ移動させるか、地植えのものはマルチングをしたり、寒冷紗で覆うなどの防寒対策を行うと安心です。
増やし方
サルスベリは根伏せ(根を掘り起こして使う)や、実生(種から育てる)でも増やすことができますが、花が咲くまで時間がかかるため、挿し木で増やすのが一般的です。
挿し木
休眠枝挿しは3~4月頃に、前年に伸びた枝や剪定した枝を先端から20cmほどに切って1時間ほど水に浸し、水揚げしてから葉を落として赤玉土などの用土に挿します。発根するまでは日陰で乾燥させず管理し、寒さ対策をすると安心です。
緑枝挿しは7~8月中旬頃に、春に伸びた若い緑色の枝を使って行います。夏の暑い時期なので、水切れに注意して管理します。
挿し木や挿し芽で増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。
・花はどのくらい咲きますか?
7月~9月頃まで、真夏の長い期間咲き続けます。品種によっては10月まで楽しめるものもあります。
・サルスベリは成長が早いですか?
サルスベリは比較的成長が早い樹木です。庭植えでは数年で高さや枝ぶりがしっかりと育ち、鉢植えでも枝がぐんぐん伸びるため、剪定で形を整えながら管理すると育てやすくなります。
・剪定しないとどうなりますか?
剪定をしないと、枝が込み合って風通しが悪くなり、花付きが少なくなることがあります。また、樹形が乱れて見た目が整いにくくなるため、毎年きれいな花を楽しむには剪定が大切です。
まとめ
- 日当たりと水はけの良い場所で育てましょう。
- 剪定で樹形を整え、風通しよくすることで、病害虫を予防しましょう。
- 鉢植えの場合は乾燥に注意して水やりをしましょう。