
アナカンプセロスとは

アナカンプセロスは、南アフリカを中心に分布する小型の多肉植物で、コロンとしたコンパクトな姿と、葉の色合いの美しさから人気を集めています。葉は三角形や楕円形をしており、グリーンを基調に赤や紫、ブラウンなどが混ざり合い、光の当たり方や季節によって微妙に変化します。そのため、一鉢の中で小さなグラデーションを楽しむことができ、観賞価値が高い品種です。
株はゆっくりと成長し、密集して群生するため、鉢いっぱいに広がっていく姿も魅力のひとつ。夏には小さな花を咲かせることもあり、葉姿とのコントラストが可憐な印象を与えます。インテリアとして窓辺に置いて楽しんだり、寄せ植えのアクセントに加えて彩りを添えたりと、さまざまなシーンで活躍します。
育て方は比較的やさしく、初心者にもおすすめです。乾燥に強いため、水やりは土がしっかり乾いてから与えるのが基本。日当たりの良い明るい場所を好みますが、真夏の直射日光には注意し、半日陰やレースカーテン越しの光で管理すると安心です。春から夏の生育期には、月に一度程度の緩効性肥料を与えると元気に育ちます。また、葉挿しや株分けで簡単に増やすことができる点も魅力です。
小さくても存在感のあるアナカンプセロスは、飾るだけで空間に個性をプラスしてくれる多肉植物です。コレクションの一鉢としてはもちろん、日常に彩りを添えるパートナーとしてもおすすめです。
ガーデンパーティではアナカンプセロスを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
アナカンプセロスの基本情報
名前 | アナカンプセロス |
学名 | Anacampseros |
科・属名 | アナカンプセロス科/アナカンプセロス属 |
英名 | Anacampseros |
分類 | 多肉植物 |
生育タイプ | 春秋型と夏型のタイプがある |
開花時期 | 春から夏(※開花は目立たない場合がある) |
お勧め植え付け時期 | 春から夏 |
原産地 | 南アフリカ |
耐暑性 | やや強い |
耐寒性 | やや弱い |
アナカンプセロスの栽培カレンダー

アナカンプセロスの基本的な育て方
植え付け
植え付けは春や秋の穏やかな気候の時期が最適です。水はけのよい多肉植物用の土を用い、鉢底には軽石を入れて根腐れを防ぎましょう。地植えよりも鉢植えで育てるのがおすすめです。
植え替え
1〜2年に1回を目安に春または秋に植え替えを行います。植え替えの数日前から水やりをやめ、土を乾かしておきます。鉢から出して数日間、根を乾かしてから新しい用土に植え替えましょう。植え替え後は、風通しのよい日陰に置き、1~2週間程度たってから日当たりのよい場所へ移動させましょう。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。室内では明るい窓辺、屋外では半日以上日が当たる場所が理想です。夏場の強い直射日光は葉焼けの原因になるため、遮光ネットやレースカーテンで調整しましょう。冬は室内で管理するのがおすすめですが、気温が下がる夜には窓辺から移動させた方が安心です。
水やり
乾燥に強いため、水やりは土が完全に乾いてから2~3日後にたっぷりと与えます。成長期の春と秋はやや多めに、夏は根腐れを防ぐため、土が乾いてから早朝か夕方に少量与える程度に控えます。冬の休眠期には、水やりは月1〜2回程度にとどめ、乾燥気味に管理します。
肥料
肥料は少なめで十分です。春と秋の生育期に、月1回程度緩効性肥料を与えると株が充実します。与えすぎは徒長や根傷みを招くので注意してください。休眠期の冬は肥料を与えないようにしましょう。
病害虫
風通しが悪いとカイガラムシやアブラムシが発生しやすくなります。見つけ次第、ブラシや綿棒で除去し、必要に応じて殺虫剤を使用しましょう。また、高温多湿による根腐れや葉の病斑にも注意し、過湿を避けることが大切です。
切り戻し
株が伸びすぎて形が乱れたら、春や秋に切り戻しを行いましょう。新芽の成長を促し、株姿を整えることができます。咲き終わった花茎や枯れ葉も早めに取り除くことで、病気予防にもなります。
夏越し
高温多湿を嫌うため、夏は風通しの良い半日陰で管理します。直射日光は葉焼けの原因になるので注意しましょう。水やりは控えめにして、蒸れや根腐れを防ぎます。
冬越し
アナカンプセロスは寒さに弱いため、霜の降りる地域では気温が5℃以下になるまでに室内に取り込むのが安心です。日当たりのよい場所に置き、水やりは控えめにして乾燥気味を保ちましょう。室内で管理する際は、暖房や加湿器の湿気にも注意しましょう。
増やし方
アナカンプセロスは、挿し木、株分け、種まきなどで増やすことができます。
挿し木
春や秋の生育期に、健康な茎を取り取り、数日ほど切り口を乾かしてから新しい土に挿します。明るい日陰で管理し、発根したら少しずつ水やりを開始し徐々に日当たりの良い場所へ移動しましょう。
株分け
生育期の春頃に、植え替えの際に株元から出た子株を分けて植え付けます。数日間は日陰で管理し、新しい根が出てから水やりを再開します。
種まき
花が終わって枯れると種ができます。その種を春か秋に種まき用の土に播きます。種をまいたところへ覆土(土をかぶせる)はせず、容器の底面から給水させます。芽が出たら、底面給水をやめて明るい場所に移動させ、徐々に水やりを減らし、乾燥に慣らせます。
・アナカンプセロスの名前の由来は?
学名 Anacampseros は「愛を取り戻す」という意味を持ち、古代では愛のお守りとして大切にされたといわれています。
・葉の色が変化しますか?
葉は日当たりや季節によって色が変化し、緑から赤や紫に色づくこともあります。光の加減で株全体が異なる表情を見せるため、育てる楽しみが増します。
・花は咲きますか?
アナカンプセロスは小さなピンクや白の花を咲かせますが、開花時間は短く、日中に開き、夜になると閉じる性質があります。
まとめ
- 夏の直射日光と高温多湿を避け、風通しの良い場所で管理しましょう。
- 水やりは土が乾いたらたっぷり与えますが、冬は控えめにします。
- 気温が5℃を下回る前に室内へ取り込み、気温と湿度に注意しながら管理しましょう。