
夏になると植物たちはぐんぐん成長しますが、その一方で「花が少なくなった」「株の形が乱れてきた」「葉が蒸れて元気がなくなった」と感じることはありませんか?
そんな時に大切なのが「花がら摘み」と「切り戻し」です。
少し切るのは勇気がいるかもしれませんが、適切なタイミングでお手入れをすることで、秋まで長く花を楽しめるようになります。
今回は、夏に行いたい花がら摘みと切り戻しのコツをご紹介します。

花がら摘みと切り戻しの違い
まずは、それぞれの作業の違いを知っておきましょう。
花がら摘み

咲き終わった花を取り除く作業です。
種を作るために使われる栄養を新しい花や葉の成長に回せるようになるため、次々と花が咲きやすくなります。また、病気や害虫の予防にもつながります。
切り戻し

伸びすぎた枝や茎を切り詰める作業です。
株の風通しが良くなり、蒸れを防げるほか、新しい枝の発生を促して再びたくさんの花を咲かせる効果があります。
なぜ夏に切るの?
夏は高温多湿の環境になりやすく、植物にとっても負担が大きい季節です。
花がらや混み合った枝をそのままにしておくと、
- 蒸れて病気が発生しやすくなる
- 株が弱りやすくなる
- 花付きが悪くなる
- 株姿が乱れる
といった原因になります。適度に切り戻しを行うことで風通しが良くなり、植物が暑い夏を乗り切りやすくなります。
切るタイミングはいつ?
基本的には次のようなサインが見えたらお手入れのタイミングです。
- 花が一段落した
- 株の中心が混み合ってきた
- 茎が伸びて形が崩れてきた
- 葉が蒸れて傷み始めた
夏の切り戻しで気を付けたいこと
夏の切り戻しは、ただ短く切ればよいというものではありません。植物の種類や株の状態を見ながら行うことが大切です。
株の形を見てから切り戻そう
切り戻しを行う際は、まず株元までしっかり光が届いているかを確認しましょう。
株元にも光が当たり、葉が残っている植物は比較的切り戻し後の回復が早く、枯れるリスクも少なくなります。
一方で、ペチュニアやカリブラコアのようにこんもりと茂るタイプの植物は注意が必要です。
株の内部や下葉は、それまで葉に隠れて光があまり当たっていない状態になっています。そのため、何も考えずに強く切り戻してしまうと、今まで日陰だった葉に突然強い直射日光が当たり、葉焼けや株の弱りにつながることがあります。


真夏の日中の切り戻しは避けましょう
夏の強い日差しの中で切り戻しを行うのはおすすめできません。
それまで日陰だった葉に急に直射日光が当たると、水分が急激に失われて葉が傷みやすくなります。場合によっては株全体が弱ってしまうこともあります。
切り戻しやピンチ作業は、朝の涼しい時間帯や夕方17時以降に行うようにしましょう。
曇りの日であれば日中でも作業できることがありますが、途中で晴れて強い日差しが当たる可能性もあるため、事前に天気予報を確認しておくと安心です。
切り戻し後は徐々に光に慣らす
鉢植えの場合は、切り戻し後すぐに強い直射日光へ当てるのではなく、数日間は明るい日陰や半日陰で管理するのがおすすめです。葉が環境に慣れてきたら、徐々に元の場所へ戻しましょう。
地植えの場合は、曇りの日が続くタイミングを選んだり、寒冷紗や遮光ネットなどで一時的に日陰を作ったりすると安心です。
切り戻しの際は葉を残すことが大切
夏の切り戻しでは、葉をすべてなくしてしまわないよう注意しましょう。葉は光合成を行い、新しい枝や花を作るための大切なエネルギー源です。
葉を残して切り戻すことで、その後の回復がスムーズになり、新しい芽も出やすくなります。特に暑い時期は植物も体力を消耗しやすいため、葉を残しながら無理のない範囲で切り戻すことを心掛けましょう。
真夏の切り戻しに関しては動画でも詳しくご紹介しています。
ペチュニア
ペチュニアは、夏の切り戻し効果を最も実感しやすい植物のひとつです。
花が少なくなったり、枝が長く伸びて株姿が乱れてきたりしたら、全体の高さの3分の1~半分程度を目安に切り戻しましょう。

切り戻し後は一時的に花が少なくなりますが、2~3週間ほどで新しい枝が伸び始め、再びたくさんの花を咲かせてくれます。また、咲き終わった花はこまめに取り除くことで、株の蒸れ防止や次の花付きの向上につながります。
とはいえ、たくさんの花が咲くペチュニアは、ひとつひとつ花がらを摘むのに時間がかかります。毎日すべての花がらを取る必要はありませんので、雨が降った後や時間に余裕のある時に行う程度でも十分です。特に小輪系や中輪系の品種は花がらが目立ちにくいため、「全部取らなければ」と気負わずに管理してみてください。
一方、大輪系の品種は花がらが目立ちやすいため、見つけたら取り除いておくと株をきれいに保てます。茎が太く花がらが取りにくい場合は、花を軽くひねりながら斜め方向に引くと取れやすくなります。
ペチュニアの花がら摘みについては、動画でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
エキナセア
丈夫で育てやすく、夏の暑さにも強いエキナセアですが、咲き終わった花をそのままにしておくと種作りに栄養を使ってしまいます。
花びらが下がり、花色が褪せてきたら、花茎ごと切り取っておきましょう。次の花芽が上がりやすくなり、より長く開花を楽しむことができます。
ただし、暑さに強いエキナセアでも、夏の切り戻しでは切る位置に注意が必要です。株をコンパクトにしたいからといって株元近くで強く切り戻してしまうと、枯れ込みが発生し、株全体が弱ってしまうことがあります。
切り戻しを行う際は、株元ではなく上の方に葉や脇芽を残して切るのがおすすめです。すると脇芽から新しい枝が伸び、再び花を咲かせてくれます。株元近くまで切るのではなく、『葉が残っている位置で切る』ことが夏越しのポイントです。
特に夏場は植物も体力を消耗しやすいため、無理に小さくしようとせず、葉を残しながら適度に切り戻すことを心掛けましょう。
また、エキナセアの茎や葉はざらざらとした手触りをしているため、作業中に肌を傷めることがあります。切り戻しや花がら摘みを行う際は、ガーデニング用の手袋を着用すると安心です。

ガイラルディア

ガイラルディアは次々と花を咲かせる丈夫な多年草です。咲き終わった花は、花首の下でこまめに切り取ります。丸い花がらを素手で触るとチクチクすることがありますので、ガーデニング用の手袋をつけての作業をおすすめします。
株全体の花が少なくなってきた場合は、軽く切り戻すことで新しい枝が伸び、再び花数が増えてきます。高温にも強く、夏の庭を彩ってくれる頼もしい植物です。
ルドベキア

ルドベキアも花がら摘みを続けることで長く開花を楽しめます。花が終わったら、花茎の付け根部分で切るようにしましょう。また、水切れを起こすなどして葉が枯れこんでしまったら、葉にカビが発生して株が病気になることがありますので、枯れた葉を掃除することも忘れずに。
一通り花が咲き終わり、株が乱れてきたら、草丈の半分ぐらいの高さで切り戻すと風通しが良くなります。夏の暑さにも比較的強く、花壇の主役として活躍してくれます。
切り戻し後のお手入れも大切
切り戻し後の植物は、枝葉が減って一時的にデリケートな状態になっています。切った後の管理によって、その後の生育や花付きが大きく変わるため、次のポイントを意識してみましょう。
- 水やりは土の表面が乾いてから行い、与えすぎに注意する
- 肥料は通常より薄めにして様子を見る
- 風通しの良い明るい日陰で1週間~10日ほど管理する
- 新芽が動き始めたら、徐々に日光に慣らしていく
切り戻し直後は株の体力が落ちているため、強い直射日光や過湿を避けながら管理することが大切です。
新しい芽が伸び始めれば順調に回復しているサインです。焦らず見守りながら管理すると、その後再び元気に花を咲かせてくれるでしょう。

まとめ
- 花がら摘みは、咲き終わった花を取り除き、次の花を咲かせるための大切なお手入れです。
- 夏の切り戻しは、風通しを良くするだけでなく、切るタイミングや切った後の管理も重要なポイントです。
- ペチュニアやエキナセアなどの夏の花は、適切な花がら摘みと切り戻しを行うことで、秋まで長く花を楽しめます。
少し切るのは勇気が必要ですが、適切なタイミングで行えば植物は元気に応えてくれます。ぜひ今年の夏は花がら摘みと切り戻しを取り入れて、秋まで続く美しい花いっぱいの庭を楽しんでください。
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