
ヒヤシンスとは

春の訪れを香りとともに知らせてくれるヒヤシンスは、花姿の美しさと育てやすさで人気の球根植物です。ヒヤシンスはキジカクシ科に属し、原産地は地中海沿岸から西アジア。古くからヨーロッパで親しまれ、ガーデニング初心者からベテランまで幅広い層に愛されています。品種は一重咲きや八重咲き、ミニタイプなど豊富で、花色もブルー、ピンク、ホワイト、パープルなど多彩です。
草丈は20~30cmほどで、株元から肉厚な葉が放射状に伸び、中央からしっかりとした花茎が立ち上がります。茎先には小花がぎゅっと密集した円錐状の花房がつき、甘く芳醇な香りを漂わせます。開花時期は3〜4月頃で、春の花壇やコンテナを華やかに彩ってくれます。
植え方としては、庭植えはもちろん、鉢植えやプランターでも楽しめます。特に寒さに強く、秋に球根を植えれば、翌春には見事な花を咲かせてくれます。また、ヒヤシンスグラスを使った水耕栽培も人気で、室内でも育てられるためインテリアグリーンとしてもおすすめです。
育てる環境としては、日当たりと水はけの良い場所が理想です。球根は寒さに当たることで花芽がしっかり育つため、冬はなるべく屋外で管理しましょう。初心者でも育てやすく、花の美しさと香りの両方を楽しめるヒヤシンスは、春のガーデニングを始めるきっかけとしてもぴったりの存在です。
ヒヤシンスの基本情報
名前 | ヒヤシンス |
学名 | Hyacinthus orientalis |
科・属名 | キジカクシ科(クサスギカズラ科) / ヒヤシンス属 |
英名 | Hyacinth,Common hyacinth |
和名 | 風信子(ふうしんし)、飛信子(ひしんし) |
分類 | 球根 |
開花時期 | 3月~4月 |
お勧め植え付け時期 | 10月~11月 |
原産地 | 地中海東部沿岸(トルコ、シリアなど) |
耐暑性 | 強い(夏期は休眠) |
耐寒性 | 強い |
ヒヤシンスの栽培カレンダー

ヒヤシンスの基本的な育て方
植え付け
植え付けは秋(10月〜11月)が適期です。日当たりと水はけのよい場所を選び、球根の高さの2〜3倍(約10〜12cm)の深さに植えます。鉢植えの場合は球根の先がわずかに見える程度でも大丈夫です。地植えの場合、同じ場所への連作は避けましょう。
水耕栽培(水栽培)
ヒヤシンスは水耕栽培でも楽しめます。専用のヒヤシンスグラスなどを使用し、球根の底が水に触れないようにセットします。発根するまでの1〜2週間は暗くて涼しい場所で管理し、根が伸びたら明るい場所へ移動。水はこまめに交換して、清潔に保ちます。開花後は球根が消耗するため、翌年の再利用は難しい場合があります。

日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所で育てます。寒さにしっかり当てることで花芽が形成されるため、屋外での管理がおすすめです。ただし、霜が厳しい地域ではマルチングをするか、鉢植えにして凍結を避けましょう。
水やり
地植えは基本的に雨まかせでOK。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に冬の乾燥時は水切れに注意してください。過湿は球根の腐敗につながるので、水のやりすぎには注意が必要です。
肥料
植え付け時に緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。葉が伸びてきたら、液体肥料を10日に1回ぐらい与えると、花つきがよくなります。
病害虫
ヒヤシンスは比較的病害虫に強い植物ですが、過湿や風通しの悪さが続くと灰色かび病(ボトリチス)や軟腐病などの原因になります。水のやりすぎや排水不良に注意して育てるようにしてください。
花がら摘み
花が咲き終わったら花茎を残して花がらを摘み取ります。
掘り上げ・保管
花が終わったら花がらを摘み取り、葉は光合成のためそのまま残して球根を太らせます。葉が黄色く枯れてきたら掘り上げ、風通しの良い場所で乾燥・保存します。掘り上げずに植えっぱなしにすることもできますが、花が咲きにくくなることがあるため、2〜3年に1度は掘り上げをおすすめします。
水耕栽培で育てた球根は、一般的には翌年の開花は期待できないことが多いですが、花後に花茎を切り、葉をつけたまま土に植えて肥料を与えると、来年も咲く可能性があります。葉が枯れたら球根を掘り上げて乾燥させ、冷暗所で保管し、秋に植え直します。
増やし方
ヒヤシンスは自然にはあまり分球しないため、数を増やすには球根の底に浅く切れ込みを入れる方法がおすすめです。休眠期に作業し、球根を逆さにして乾燥保存しておくと、秋までに小球ができるので、通常どおり植え付けます。
・ ヒヤシンスの花が咲き終わったらどうする?
花が咲き終わったら花がらを摘み取り、葉はそのまま残して育て続けます。葉で光合成させて球根を太らせ、次のシーズンの開花につなげましょう。
・ ヒヤシンスは何年ぐらい持つ?
環境が良ければ数年咲かせることができます。ただし、水栽培の場合は球根が消耗しやすく、翌年に再利用できないこともあります。地植えや鉢植えで、花後にしっかり管理すれば複数年楽しむことも可能です。
・ヒヤシンスは植えっぱなしでもいい?掘り上げるならいつがいい?
植えっぱなしでも育ちますが、年々花つきが悪くなることがあります。毎年、または2〜3年に一度は掘り上げて球根を乾燥・保存し、秋に再び植え付けるとよいでしょう。掘り上げの適期は花が終わり、葉が黄色く枯れ始める頃です。
まとめ
- 球根は寒さに当てて開花を促すようにしましょう。
- 日当たりと水はけの良い場所で育てましょう。
- 花後も葉を残して球根をしっかり育てましょう。