ネペタとは
ネペタ(キャットミントとも呼ばれています)は、ラベンダーと似た雰囲気をもつ青紫色の涼しげな花をたくさん咲かせる多年草の植物です。ネペタにはたくさんの種類が存在しますが、「キャットミント」とも呼ばれるネペタ・ファーセニー種が広く普及しています。本来「キャットミント」という英名の植物は、猫が好むハーブとして知られる「キャットニップ」を指しますが、日本で「キャットミント」という名前はネペタ・ファーセニーとして広く普及しています。また本種以外のネペタ属の種類も「キャットミント」と呼ばれることがあり、ハーブとしてではなく観賞用に栽培されています。草丈が20cm程度の矮性品種から80cmぐらいになる高性品種まであり、花壇やコンテナなどで楽しむことができますし、矮性種はグランドカバーとして使うこともできます。
ネペタはミントに似た清涼感のある香りがします。花色は青紫色がポピュラーですが、ピンクや白などもあり、高温期を除いて春先から10月頃まで開花を楽しむことができます。一番花が咲き終わった後に切り戻すと再び茂って花を咲かせます。丈夫で栽培しやすく、初心者の方にも育てやすい植物です。
店頭で苗を購入する際は、きれいな葉がついた蕾が多い苗を選びましょう。品種によって矮性のものから高性のものまで様々ありますので、植え付け場所によって品種を選ぶとよいでしょう。
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ネペタの基本情報
名前 | ネペタ |
学名 | Nepeta × faassenii |
科・属名 | シソ科 / イヌハッカ属(ネペタ属) |
英名 | Wishbone flower |
和名 | イヌハッカ(犬薄荷) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 4月~10月(7月~9月は寒冷地のみ開花) |
お勧め植え付け時期 | 3月~4月、9~11月 |
原産地 | 交雑種(栽培地での自然交雑) |
耐暑性 | 強い(蒸れには弱い) |
耐寒性 | 強い |
ネペタの栽培カレンダー
ネペタの基本的な育て方
植え付け
春と秋が植え付け適期ですが、ポット苗はあまり時期を選びません。水はけがよければ、やせ地でも栽培可能な草花ですが、植えつけ場所に腐葉土などを混ぜて深く耕します。酸性土壌を嫌うため、石灰分を少し混ぜておくとよいでしょう。市販の草花用の培養土やハーブ用の土も利用できます。
植え替え
地植えは数年間、植えっぱなしでかまいません。芽数がふえて混み合ってきたり、株が老化して生育が悪くなってきたりしたら、春か秋に株分けして植え直します。
鉢植えは根詰まりしやすいので、1~2年ごとに春か秋に植え替えます。根鉢を崩し、根を半分くらいに切り詰め、芽数が多いものは株分けして植えます。
日当たり・置き場所
日当たり、風通し、水はけのよい場所が適していますが、ラベンダーよりも性質が強く、成長も早いため、それほど場所は選びません。水はけがよければ明るい半日陰でも育ちますし、根が張れば乾燥にも強くなって、石垣などの隙間でもよく育ちます。ただし、梅雨のような長雨の時期は、蒸れに注意します。
水やり
庭植えでは水やりはほとんど必要ありません。鉢植えは過湿に注意し、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
肥料
やせ地でも育つほどで、地植えでは特に必要ありません。肥料が多いと軟弱に育って倒れたり、蒸れて病気が出やすくなったりします。
鉢植えは、春と秋に置き肥を施し、生育の様子を見ながら液体肥料も施すようにしてください。
病害虫
害虫の被害はあまり見られませんが、株が蒸れると灰色かび病になることがあります。花がらは早めに切り取るようにし、茎葉の混みすぎや多湿に注意して、株が蒸れないようにしましょう。
刈り込み
開花期間の長いので梅雨に入ってから蒸れて枯れてしまわないように、梅雨前に地上部を10~20cm程度残して刈り込みましょう。混み合った枝葉を間引くのもよいでしょう。晩秋、花が終わってから地際近くまで刈り込んでおきます。それ以外の時期でも花が一通り咲き終わった後に切り戻しておくと返り咲くようになります。
花がら摘み
キャットミントの花は初夏から秋まで長期間開花します。花が終わったら、こまめに花茎を剪定しておくと、次の花芽ができやすくなります。
夏越し
乾燥には強いですが、高温多湿はやや苦手ですので、蒸れに注意して管理しましょう。梅雨から夏に入る前に株の半分程度で切り戻しを行いましょう。鉢栽培は、雨が当たりにくい軒下やベランダなどに移動するとよいでしょう。
冬越し
冬前に地際でバッサリと剪定して冬を迎えましょう。品種にもよりますが、-15℃ぐらいまで耐えるものもあり、寒さには強いです。屋外に置いたままでも越冬できますので、防寒の必要も特にありません。冬に地上部が枯れても、極端に乾燥させることがないよう、様子を見て水やりをしてください。
増やし方
ネペタは株分け、挿し芽、種まきで増やすことができます。
株分け
適期は早春または秋ですが、冷涼地では夏も可能で、暖地では冬も行えます。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分けたら、再び植え直します。
挿し木
適期は春と秋ですが、冷涼地では夏も可能で、暖地では冬も行えます。新しく伸びた茎を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切ります。挿し木用の茎は、水を入れた容器に1時間ほどつけてから、下葉を2〜3枚取り除きます。挿し木ようのセルトレイなどに清潔な土を入れて、水で十分に湿らせておきます。土に穴をあけて挿し木用の茎を挿したら、明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたらポットなどに鉢上げしましょう。
種まき
適期は春と秋ですが、ネペタは交雑しやすい性質のため、タネを収穫してまいても親の株と同じ花が咲かない可能性があります。種まきで増やした株は個体差が出るため、特性を残したい場合は株分けか挿し木が確実です。種まきは、セルトレイなどに1~2粒ずつ種をまいて軽く土をかけて、土を乾かさないように水やりをしながら日陰で生育します。発芽後は日当たりと風通しがよい場所で管理し、本葉が3~4枚程度になったらポットなどへ鉢上げしましょう。
育て方のポイントまとめ
- 高温多湿がやや苦手ですので、多湿にならないよう蒸れに注意して育てましょう。
- 梅雨から夏に入る前に株の半分程度で切り戻しを行い、晩秋に地際近くまで刈り込みましょう。
- 親株と同じ特性の花を増やしたい場合は、株分けをするか挿し木が確実です。