
グラプトペタルムとは

グラプトペタルムは、メキシコ原産の多肉植物で、厚みのある葉が美しいロゼット(放射状に広がる状態)を形づくるのが特徴です。光や気温の変化によって葉色が移ろい、シルバーがかったグリーンからピンク、紫、オレンジなどへと表情を変えていきます。ふっくらとした葉はまるで花びらのように整い、ひとつ置くだけでも存在感のある姿を楽しめます。
代表的な品種には、淡い白粉をまとった葉が美しい「朧月(おぼろづき)」や、気温が下がると葉がより濃い紫色となる「銀天女(ぎんてんにょ)」、やわらかな色合いが可愛らしい「秋麗(しゅうれい)」などがあります。どの品種も丈夫で育てやすいため、多肉植物初心者の方にも安心して取り入れていただけます。
四季による色彩の変化を観察することも楽しみのひとつです。寒さで紅葉してピンクやオレンジに染まる姿や、春に伸びた花茎に咲く星型の花など、季節ごとに違った魅力を見せてくれます。また、鉢植えはもちろん、寄せ植えの主役やアクセントとしても映えるほか、垂れ下がるように育つ姿を活かしてハンギング仕立てにするのもおすすめです。
丈夫で管理しやすく、育てるほどに色と形の変化を楽しめるグラプトペタルムは、インテリアにナチュラルな彩りを添えてくれる多肉植物です。小さな鉢で気軽に始められるので、ぜひ暮らしの中に取り入れてみてください。
ガーデンパーティではグラプトペタルムを取り扱っていますので、気になった方はこちらからご覧いただけます。
グラプトペタルムの基本情報
名前 | グラプトペタルム |
学名 | Graptopetalum |
科・属名 | ベンケイソウ科/グラプトペタルム属 |
英名 | Graptopetalum |
分類 | 多肉植物 |
生育タイプ | 春秋型 |
開花時期 | 春から夏(植物が成熟してから数年目から開花することがある) |
お勧め植え付け時期 | 春と秋 |
原産地 | メキシコやアメリカ南部など |
耐暑性 | 強い(強い日差しには注意) |
耐寒性 | やや弱い(冬季は室内がおすすめ) |
グラプトペタルムの栽培カレンダー

グラプトペタルムの基本的な育て方
植え付け
春や秋の過ごしやすい気候が植え付けの適期です。水はけのよい多肉植物用の培養土を使い、鉢底には軽石を敷いて排水性を高めます。鉢植え栽培が基本ですが、暖かい地域では地植えも可能です。
植え替え
1〜2年に1回を目安に行いましょう。適期は春または秋です。古い土を軽く落として傷んだ根を整理し、新しい土に植え直すことで株が健やかに育ちます。
日当たり・置き場所
日当たりを好み、光が十分に当たると葉色が美しく発色します。屋外では半日以上日が当たる場所に、室内なら明るい窓辺がおすすめです。夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、必要に応じて遮光してください。冬は、霜や冷たい風に当たらないようにして、5℃以上を保つことで屋外での管理もできますが、霜が降りる地域では室内に取り込んで管理しましょう。
水やり
春と秋の生育期は土が乾いたら鉢底から水が流れるぐらいたっぷり与え、夏は高温多湿を避けるため控えめにし、根腐れを防ぎましょう。冬は休眠気味になるため、月1〜2回程度に減らしましょう。
肥料
肥料は基本的に控えめで大丈夫です。春と秋の生育期に薄めた液体肥料を月1回ほど与えると株が元気に育ちます。与肥料の与えすぎは徒長になるため注意しましょう。
病害虫
カイガラムシやアブラムシがつくことがあります。見つけたら取り除き、必要なら薬剤を使用します。過湿は根腐れや病気の原因になるため、水やりと風通しに注意し、枯れた葉があれば取り除きましょう。
切り戻し
放っておくと茎が伸びて姿が乱れてきますので、成長期の5月から9月頃に形を整えるため切り戻しを行いましょう。切った部分から新芽が出て、株姿が整います。切り取った葉や茎は挿し木や葉挿しに利用できます。
夏越し
高温多湿と直射日光を避けるため、風通しのよい半日陰に移し蒸れを防ぐことが大切です。水やりは控えめにし、涼しい時間帯に与えると安心です。梅雨や長雨に当たらないよう気をつけてください。
冬越し
霜に当たると傷むため、寒冷地では日当たりのよい室内の窓辺などへ移動させ、室温は5℃以上を保つようにして風通しよく管理します。水やりは控えめにし、乾燥気味に保つことで冬を越せます。
増やし方
挿し芽や葉挿しで簡単に増やせます。
挿し芽
春や秋に茎を切り取り、切り口を数日乾かしてから土に挿します。発根するまで明るい日陰で管理しましょう。
葉挿し
健康な葉や落ちた葉を、乾いた土の上に少し挿して置くと、数週間で芽や根が出てきます。土の上に置くだけでも芽や根が出ます。
・グラプトペタルムの花はどんな花が咲きますか?
春になると花茎を伸ばし、星形の小さな花を咲かせます。花色は黄色やオレンジなどがあり、可愛らしい姿を楽しめます。
・グラプトペタルムは屋外で育てられますか?
日当たりと風通しのよい場所なら屋外でも元気に育ちます。ただし、寒冷地では室内への取り込みが必要です。
・葉がぽろっと取れてしまいました。どうすればいいですか?
健康な葉であれば葉挿しに利用できます。土の上に置いておくと根や芽が出て、新しい株に育つことがあります。
まとめ
- 日当たりと風通しのよい場所で管理し、夏の強光は避けましょう。
- 水やりは生育期の秋と春はたっぷり与え、夏と冬は控えめにしましょう。
- 寒冷地では寒くなる前に暖かい室内に取り込むようにしましょう。