ゲウムの育て方・基本情報・まとめ

ゲウムの育て方

ゲウムとは

ゲウムの育て方

ゲウム(ダイコンソウ)は、春から初夏にかけて可愛らしい花を咲かせるバラ科の多年草です。ダイコンソウ(大根草)という和名は、葉が大根の葉に似ていることにちなんでいます。

ダイコンソウ属には、たくさんの種類があり、園芸種として品種改良されたものは、「ゲウム」や「セイヨウダイコンソウ」の名で流通しています。花色は、黄色、オレンジ、赤、ピンク、白、アプリコットなどがあり、草丈は矮性タイプから高性タイプまでさまざまあります。花の咲き方は一重咲き、八重咲き、うつむくように咲く風鈴咲きなどがあります。花が終わると小さないがぐりのような実ができ、人や動物にくっついて種を遠くまで運ばせようします。

品種や栽培地域によって開花時期に差はありますが、園芸品種の多くは温暖地で栽培するとバラの開花時期に重なるため下草としてもよく使われます。小輪の花は周囲の花と合わせやすく、他の草花の中に植えつけても調和します。

基本的に暑さ・寒さに強く丈夫で育てやすいですが、高温多湿が苦手です。気候や環境によって、冬になると地上部を枯らすものもあれば、常緑のまま越冬するものもあり、一度植え付けると毎年開花します。

苗を購入する際は、葉がきれいで、節と節の間が短く、勢いのある株を選ぶようにしましょう。品種によって草丈に違いがありますので、植え付ける場所に合った品種を選ぶようにしましょう。

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ゲウムの基本情報

学名Geum urbanum
科・属名バラ科ダイコンソウ属
英名Geum
和名ダイコンソウ(大根草)
分類多年草
開花時期5月~6月
お勧め植え付け時期3月・10月
原産地ユーラシア、南北アメリカなど
耐暑性強い(極端な暑さには注意)
耐寒性強い

ゲウムの栽培カレンダー

ゲウムの栽培カレンダー

ゲウムの基本的な育て方

植え付け 

ゲウムの植え付け適期は3月または10月ですが、苗は植え付け適期以外にも販売されていることがありますので、入手したら早めに植え付けましょう。ゲウムは水はけが良い土を好みますので、山野草向けの用土を使うか、植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥と緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕した土に植え付けます。水はけの悪い土壌であれば、川砂やパーライトを混ぜて土壌を改良しておくとよいでしょう。鉢植えは草花用の培養土で問題なく育ちます。

ゲウムの株は花がない時期はロゼット状の下葉だけの状態になりますので、花が咲いている時とそうでない時のどちらにも合うような場所に植えるとよいでしょう。株は年を追うごとに大株に生長しますので、隣の植物との間隔は広めに取るようにしましょう。

株元からどんどん新しい芽が出てきますので、株元を深く植え付けてしまうと、蒸れの原因になってしまいます。土の高さと同じぐらいの高さで植え付けるとよいでしょう。土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、苗の根鉢を少し崩して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmの間隔を取りましょう。最後にたっぷりと水やりをし、根づくまでは乾燥に注意します。

植え替え     

鉢植えは、数年に一度、一回り大きな鉢に植え替えます。大きくしたくない場合は、株分けをしましょう。

芽が混んでくると蒸れて枯れやすくなりますので、春か秋に株分けして植え直しをします。チリダイコンソウの園芸品種など実生系の品種は、古株ほど枯れやすくなるので、数年ごとにタネをまいて更新します。

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所を好みます。半日陰程度でも栽培可能ですが、日当たりが良い場所で育てると花つきが良くなります。春と秋は日によく当て、夏は風通しのよい半日陰で管理するのがよいでしょう。

開花のために冬の低温を必要とします。冬の寒い時期に寒さに当てずに室内の暖かいところに置いたままにしていると、蕾がつかないことがあります。

水やり 

庭植えの場合は、苗が根付いてからの水やりはほとんど不要です。雨が長期間降らない場合には、水やりをしましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと水やりをしましょう。

乾燥すると葉枯れを起こし、株が弱ります。土が乾き始めたらたっぷり与えましょう。冬は雪に埋まっても大丈夫です。冬も乾燥させることがないよう適宜水やりを行いましょう。    

肥料 

肥料は春と秋の成長期に施すようにし、夏の高温期には肥料分が残らないようにしましょう。庭植えの場合は、周囲の草花が問題なく開花している場所なら肥料を特に与える必要はありません。

病害虫 

アブラムシ、ヨトウムシなどが発生することがあります。

アブラムシは、2〜4mm程度の小さな虫で、3月頃から発生しやすくなります。ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜、葉を食い荒らします。葉の裏に卵が産み付けられますので、孵化直後の幼齢のうちに退治しましょう。どちらも見つけ次第早めに防除しましょう。

また株の混みすぎや多湿などにより、灰色かび病が発生することがあります。多湿の環境下で発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。花がらをこまめに摘み取ったり、茎や葉が込み合っている場合は、間引くなどしたりして、風通しよく管理しましょう。

切り戻し 

開花後、暑くなって株が蒸れて弱ることがあります。草丈の半分くらいまでを目安に短く切り戻して風通しをよくさせましょう。茎が混みあっているところは透かすように切っておくとよいでしょう。

花がら摘み

1本の茎に次々に花が咲くので終わった花はすぐ摘み取るようにしましょう。

種を採る場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種をつけさせるようにするとよいです。

夏越し

高温多湿の蒸れに弱いものが多いので夏越しには注意します。できるだけ水はけをよくしつつ乾燥もさせないようにし、風通しのよい半日陰で管理しましょう。

庭植えの場合、植え替えの必要は特にありませんが、夏の暑さで弱るような場合は夏前に半日陰の涼しい場所に植え替えをするか、鉢に植え替えて夏越しさせるとよいでしょう。

鉢植えの場合は、風通しのよい半日陰など涼しい場所へ移動して管理するとよいでしょう。

冬越し

温暖地では冬も葉を確認できますが、地域によっては地上部が枯れます。特別な冬越し対策の必要はなく戸外での越冬が可能です。鉢植えは、冬の間も土が乾いたら水やりを続けましょう。枯れたり傷んで茶色くなったりした葉は手で取ってあげると見た目もよくなり、春になると再び葉が動き出して新芽が出てくるようになります。

増やし方 

ゲウムは種まきや株分けで増やすことができます。

種まき  

種まきの適期は3月中旬〜5月中旬か10月頃です。種まきでの栽培は比較的容易で、発芽率がよく場所によってはこぼれ種でもよく増えます。

種まき用の土をセルトレイなどに入れ、1〜2粒ずつ播きます。種が隠れる程度に土を薄くかけたら水やりをしましょう。乾燥しないように管理し、発芽後は日当たりと風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたらポットに鉢上げし、その後、根が回ってしっかりした株に育ったら植えつけたい場所に定植します。

株分け

株分けの適期は3月か10月頃です。種ができない品種や栄養系品種は、株分けで増やします。数年経ち大きく育つと株の老化が進むので、株分けすることで若返りができます。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、植えたい場所へ植えつけます。

育て方のポイントまとめ

  • 夏は高温多湿に注意し、半日陰などの涼しい場所で風通しよく管理しましょう。
  • 夏の高温になる時期は、肥料分が残らないようにしましょう。
  • 戸外で冬越しができますので、蕾をつきやすくするために冬の寒さにしっかり当てましょう。