ガーベラの育て方・基本情報・まとめ

ガーベラの育て方

ガーベラとは

ガーベラの育て方

ガーベラは南アフリカを原産とするキク科の多年草で、花茎がすっと伸び、春と秋に、赤やオレンジ、黄色、白、ピンクなどの明るい色の花をたくさん咲かせます。花の形も一重、八重、スパイダー咲きなどバリエーションが豊富で、5~10cm程度までの大き目の花を咲かせるものから、3cm程度の小さい花を咲かせるものまであり、大輪のものは切り花としても人気があります。草丈も20cm程度の低いものから、70~80cmまで高くなる高性種まで、品種改良によって毎年のように新品種が誕生しています。

株全体にうすく細かい綿毛が密生しています。花の中心部分も、淡い黄緑色から黒いものまであり、花弁とのコントラストも目を楽しませてくれます。

冬には地上部分は枯れてしまいますが、関東以西であれば上手に冬越しさせると翌年の春に再び芽を出してくれます。最近では、暑さ、寒さなどに強く改良された花壇向きのガーデンガーベラも販売されており、人気があります。

園芸店でガーベラの苗を購入する際には、鮮やかな緑色の葉をした元気な苗を選ぶようにしましょう。茎が古くなっていないかもチェックし、茎がしっかり詰まったものを選ぶようにしましょう。すぐに花を楽しみたい場合は新芽やつぼみが多くついているものを選びましょう。葉に虫がついていたり、茎が茶色く変色していたり、花首がぐらついたりしてるものは避けましょう。

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ガーベラの基本情報

名前ガーベラ
学名Gerbera
科・属名キク科ガーベラ属
英名Gerbera
和名花車(ハナグルマ)、千本槍(センボンヤリ)
分類多年草
開花時期3月~11月
お勧め植え付け時期3月~9月
原産地南アフリカ
耐暑性やや強い(高温多湿は弱い)
耐寒性強い

ガーベラの栽培カレンダー 

ガーベラの栽培カレンダー

ガーベラの基本的な育て方

植え付け 

ガーベラの種類によって庭植えに向くものと難しいものがあるので、品種にあった植え方をしましょう。植木鉢やプランターなどで育てる場合は、草丈が高くならない品種を植え付けるのがおすすめです。

ガーベラは根がよく伸びます。鉢植えの場合、小さい鉢では根詰まりを起こすことがあるため、大きめの鉢に植えつけるようにしましょう。鉢底には水はけを良くするために鉢底石を敷いておくのがおすすめです。庭植えにする場合は、土を盛り上げて植えると水はけが良くなります。浅く植えることでも根腐れを防げます。複数の株を植えるときには、株と株の間を30cm以上あけましょう。植えつけの際に、ポットから苗を抜くときは根鉢をほぐさないように気をつけ、根を傷めないように慎重に作業しましょう。

植えつけ後は水をたくさん与えましょう。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出てくるぐらい与えます。

日当たり・置き場所 

十分に日があたり温暖な気候を好みます。日当たりが悪いと、花があまり咲かなくなったり、生育が悪くなったりしますので、風通しと日当たりが良い場所に置いて育てましょう。鉢植えも半日以上は日が当たるところで管理するようにしましょう。

水やり 

鉢植えは用土が乾いたらたっぷりと与えます。水はけをよくしておいて、水切れさせないことがポイントです。多湿で常に湿っていると根腐れしやすく、乾燥すると成長が止まります。庭植えの場合には、基本的には水やりは不要ですが、乾燥が激しい場合はたっぷり水を与えます。

水やりの際には、花や葉、茎に水が直接かからないよう、株元にあげるようにしましょう。特に、梅雨の時期は過湿に気をつけ、鉢植えであれば、雨がかからない場所へ移動させます。

開花時期には水切れしやすくなるため、こまめに土の状態を確認しておくようにしましょう。

肥料 

鉢植えでは、植えつけ時に元肥として緩効性の粒状肥料と苦土石灰を土に混ぜて施します。追肥も定期的に施します。肥料切れを起こすと花が咲かなくなるため、夏と冬の生育が緩慢な時期を除き、粒状の緩効性化成肥料の置き肥を月1回、または月3回ぐらい液体肥料を施します。

庭植えのものは、春と秋に株のまわりに化成肥料などをまいておきます

病害虫 

灰色かび病、うどんこ病、白絹病、菌核病などが発生することがあります。
灰色かび病やうどんこ病の予防としては、花がらや枯れ葉をこまめに取り除き、日当たりや風通しをよくしておくことが大切です。うどんこ病にかかったところを放置したままにしていると、株全体に広がってしまい、周辺の植物にうつってしまうことがありますので、すぐに取り除き薬剤で消毒しましょう。

白絹病や菌核病などの土壌病害が出ることがありますので、古い土を使うときには注意が必要です。白絹病は、カビ(糸状菌)による伝染病で、菌糸が網のように張り立ち枯れてしまう伝染性の病気です。菌にかかった部位をそのままにしておいたり、ほかの所に置いていたりしても、土の中で病原菌が越冬し、春になったら活動しはじめてしまうため、発見したら他の株とは分けておき、廃棄しましょう。

害虫は、アブラムシ、ダニなどが発生することがあります。
花がらや枯れ葉を取り除き、日当たり、風通しをよくして、アブラムシやダニの発生を予防します。アブラムシは春から秋に多く発生し、芽や茎、若い葉や葉の裏にくっつき、汁を吸って弱らせます。見つけ次第、駆除しましょう。肥料のうちのチッソが多すぎる時にも発生しやすくなりますので、注意が必要です。

植え替え

鉢植えのものは根詰まり防止のため、毎年春か秋にひと回り以上大きな鉢に植え替えを行いましょう。植え替えの時期は、花が咲く前の3~4月、9~10月頃で、根を傷めないように植え付けます。

花がら摘み・葉の除去 

花茎は、手で根元から根元からぽきっと取るようにしましょう。手で根元から折れないような場合は、茎を5cmぐらい残してハサミで切るようにしましょう。そうすることで、枯れこんだ時に、手で軽く残った下の茎もとれるようになります。切り取った花は、花瓶に生けて切り花として楽しんでもよいでしょう。また、株元や新芽の部分が多湿にならないようにしておくことで、病害虫の予防にもなり、新葉や蕾の成長を促すことにつながります。

ガーベラの葉は株の根元近くにたくさん茂ります。古くなった葉は葉の付け根から取り除くようにし、風通しや日当たりをよくしていきましょう。傷んでいるものや黄色くなっているもの、重なり合っている下のほうの葉もとり除いて大丈夫です。

夏越し

ガーベラは高温多湿に弱く真夏はなかなか花を咲かせません。育つスピードも遅くなるため、日よけや覆いをつくたり、鉢を移動させたりするなどして直射日光を避けましょう。真夏に高温になったら、風通しの良い明るめの半日陰に移動させると生育の良い状態で夏越しができます。

冬越し

冬は生長が遅くなり、0℃を下回ると茎や葉が枯れますが、根は土の中で育っています。鉢植えのものは室内へ移動させ、ときどき水を与えながら様子を見ましょう。

庭植えの場合、寒冷地でなければそのままでも冬越しできます。「マルチ」や「むしろ」などをかぶせて防寒するとよいでしょう。冬の水やりは必要ありません。ガーベラは霜に弱いので、霜に当たらないように注意しましょう。寒冷地であれば根を掘り上げて鉢植えにし、室内に置いておくのがおすすめです。

増やし方 

ガーベラは株分けや種まきで増やすことができます。

株分け 

春か秋に株分けを行います。根を傷つけないように気をつけ、土を落とし、傷んだん葉や根は取り除きます。根が十分つくように、株を2~3株に割っていき、植え付け場所へ分けた株を植えていきます。土をかぶせる際は芽が埋まってしまわないように調整しましょう。根の少ないものや、折れた芽は、さし芽用の土にさして発根させてから植えつけるようにします。株分けをするとガーベラが増えるだけなく、株自体の花つきがよくなるというメリットもあります。

種まき

種まきは春か秋にまきます。種から育てた場合は、元の株とは違う花が咲くこともありますし、土に播いた後も土中の水分量が多すぎて腐ってしまい発芽しないこともあり、株分けに比べて種から育てる場合難易度が少し高くなります。ガーベラの種を採りたいときは、開花後に花がら摘みをせずにおくと花が枯れてきて中心部に種ができはじめます。綿毛が生えた種を優しくつまんで採取し、取った種は種まきの時期まで冷暗所で保管しておきます。

育て方のポイントまとめ

  • 日当たりのよい場所で風通し良く管理しましょう。
  • 開花期間は肥料切れに注意しましょう。
  • 水はけがよい場所に植え付け、過湿にならないように水やりに気をつけましょう。