ユーフォルビアとは
ユーフォルビアは、原種が2,000種以上もあるトウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の植物の総称です。そのため、品種によって多肉植物や低木、一年草や多年草など多岐にわたっているのが特徴です。それぞれのタイプ別に性質が異なり、見た目も多種多様です。
ここでは、近年人気のある「ダイアモンドフロスト」や「白雪姫」といった白い花が咲いたような姿が美しい低木タイプについてご紹介したいと思います。
一年を通して温室で生育させると高さが2~3mぐらいにまで成長しますが、一般家庭では鉢植えなどにしてコンパクトに仕立てるのがおすすめです。寒さにはあまり強くない非耐寒性の植物で、屋外で育てると冬越しが難しいため、1年草扱いにされます。長く楽しみたい場合は、寒くなったら移動が可能な鉢植えにして育てるのがおすすめです。
品種によって開花期が異なり、「ダイアモンドフロスト」は初夏から秋に開花し、「白雪姫」は「ダイアモンドフロスト」よりも大きめの花を晩秋から開花させます。※ちなみに花のように見える部分は、ポインセチアなどと同じように、花序のすぐ下の葉である苞(ほう)と呼ばれるもので、本来の花は目立ちません。白いカスミソウのように主役となる花を引き立て、いろいろな植物にもよく合います。
ユーフォルビアの仲間は、茎や葉の切り口から出る白い樹液に触れると肌荒れやかぶれを起こすことがあります。作業をする際には園芸用の手袋を着用しましょう。素手で触れてしまった場合は水で洗い流すようにしましょう。
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ユーフォルビア(低木タイプ)の基本情報
名前 | ユーフォルビア |
学名 | Euphorbia hypericifolia、Euphorbia leucocephala |
科・属名 | トウダイグサ科 / トウダイグサ属(ユーフォルビア属) |
英名 | Euphorbia |
和名 | トウダイグサ(灯台草) |
分類 | 低木(戸外では1年草扱いにすることも) |
開花時期 | 4月~10月(冬に室内で管理すれば1月下旬まで開花することも) |
お勧め植え付け時期 | 3月~5月、10月~11月 |
原産地 | メキシコ南部、エルサルバドル |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
ユーフォルビア(低木タイプ)の栽培カレンダー
ユーフォルビア(低木タイプ)の基本的な育て方
植え付け
プランターや鉢への栽培がおすすめです。苗の大きさよりも二回りぐらい大き目のサイズの鉢を用意し、元肥を混ぜた培養土を半分ほど入れて苗を置き、周りに土を入れます。土は市販の草花用の培養土も使えますし、配合する場合は、赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものを使うこともできます。
日当たりが良い暖かい場所に置いて、鉢底から水が出るぐらい水をたっぷりやります。害虫防除の殺虫剤を撒いておくのもよいでしょう。
植え替え
戸外に出す5月に根鉢を少し崩して植え替えます。その際に地上部の切り戻しを行い、1/2~1/3程度の高さで切っておきましょう。
日当たり・置き場所
地植えよりも鉢植えでの栽培が適しています。低木タイプのユーフォルビアは日光に当てることで元気に育ちますので、基本は日向がおすすめですが、日差しが強くなる夏は半日陰で管理すると良いでしょう。5月から10月は戸外で育て最低気温が10℃を下回る頃に暖かい室内へ移動します。
低温にあうと落葉して枯死します。「白雪姫」は短日性が強いため、花芽がつく9月下旬までは夜間照明の当たらない自然条件下で育てるようにしましょう。
水やり
5月から9月の成長期には鉢土が乾いたらたっぷりと水やりしますが、秋以降は徐々に水やりを減らし乾かし気味に育てるようにします。低温期の過湿は根腐れを招きますので、鉢受け皿に水が溜まらないように気をつけてください。
肥料
元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜます。5月から9月の成長期には、緩効性化成肥料の置き肥を月に1回、または液体肥料を1~2週間に1回程度与えるようにします。開花期間が長いため、肥料不足にならないようにしてください。
病害虫
風通しが悪くなると、オンシツコナジラミ、アブラムシ、カイガラムシが発生します。オンシツコナジラミは葉裏につきやすい白い虫です。アブラムシは新芽に、カイガラムシは茎や葉のつけ根などに発生します。見つけ次第、市販の殺虫剤や粒剤を使用して駆除してください。
切り戻し
3月から5月に、形よく仕立てるために株の1/2~1/3程度に切り戻します。そうすると株元から新芽が吹いてきます。開花後の株をそのままにしておくと、株の上部から新芽が出てきます。
花がら摘み
不要です。
夏越し
ダイアモンドフロストは真夏でも花が休むことなく咲き続けます。台風や豪雨で株の形が崩れる心配がある場合は、1/2~1/3程度に切り戻しておきましょう。
冬越し
5℃ぐらいの気温までは耐えられますが、5℃を下回ると1日で葉が落ちてしまうことがあります。耐寒性は強くありませんので、冬は室内に取り込むなどして冬越し対策を行ってください。ダイアモンドフロストは光量が弱い屋内条件でも耐えることができますので、よく日が当たる窓辺であれば冬越しできるかもしれません。
増やし方
ユーフォルビアは挿し木で増やせます。
挿し木
6月ごろが挿し木の適期です。本葉を3~4枚つけて茎の先端を切ります。蒸散を抑えるため、葉は1/2の大きさに切っておきましょう。茎の切り口から流れ出る乳液を水で洗い流し、清潔な用土にさします。発根するまで20日程度かかりますので、こまめに葉に霧吹きなどで水をかけるとよいでしょう。作業の際に樹液に直接触れてしまった場合は、洗い流すようにしてください。
挿し木や挿し芽で増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。
育て方のポイントまとめ
- 鉢植えで育て10月ぐらいには暖かい室内へ移動させて冬越し対策を行ってください。
- 成長期は水をたっぷりやり、秋以降は水を徐々に減らして、乾かし気味に管理しましょう。
- 樹液に触れるとかぶれることがありますので、触れた場合は水で洗い流すようにしましょう。