グレコマとは
グレコマは、春に小さな薄紫や青紫の花を咲かせるシソ科カキドオシ属(グレコマ属)の常緑の多年草で、茎や葉からはさわやかな香りがします。ヨーロッパからアジアに数種が分布し、日本にはカキドオシという和名のグレコマが自生しています。和名のカキドオシの由来は、地面を這うようにつる状の茎が長く伸びて広がり、垣根を抜けて侵入してくるほどよく生長することからそのように付けられたようです。
各節から根が出て、わき芽も伸びて旺盛に生育するため、グラウンドカバーやハンギングなどに使われることが多いです。斑が葉に入った品種もあり、花壇や寄せ植えに使用すると明るい雰囲気を演出してくれます。耐陰性もあり、日陰のシェードガーデンでも美しく育ちます。耐寒性、耐暑性が強く、丈夫で育てやすいため、つるの伸び方に気をつけて育てれば、ガーデニング初心者の方にも育てやすいといえるでしょう。
店頭で苗を購入する際は、葉色がきれいで葉茎が徒長していない株を選ぶとよいでしょう。
ガーデンパーティーではグレコマを販売しておりますので、興味を持たれた方はこちらからどうぞ。
グレコマの基本情報
名前 | グレコマ |
学名 | Glechoma |
科・属名 | シソ科 / カキドオシ属(グレコマ属) |
英名 | Ground ivy; |
和名 | カキドオシ(垣通し) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 4月~5月 |
お勧め植え付け時期 | 3月~6、10月~11月月 |
原産地 | ヨーロッパ、東アジア |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
グレコマの栽培カレンダー
植え付け
植え付けの適期は3月から6月、10月から11月ですが、真夏と真冬を除けば、ほぼ一年中植えつけが可能です。ポット苗や、株分けしたもの、伸びたつるの節から発根したものを切り分けて植えつけができます。根づくまでは乾燥しないように水を与えましょう。
一般的な草花用培養土を使って育てることができますが、自分で配合する場合は、赤玉土7、腐葉土3の割合で配合するとよいです。肥沃で水分の多い土を使うと、大きく成長し、つるもよく伸びます。軽石や鹿沼土などが多い土では、全体に小ぶりに育ち、つるの伸びも抑えられます。
どんどん広がっていくため、庭植えで育てる場合は、隣地に広がっていかないように植え付け場所をよく考えてから植えましょう。
植え替え
つるが伸びて周囲に広がると、中心部の生育が悪くなり、株元の部分が枯れてくることがあります。庭植えで同じ状態を維持したい場合は、数年に1回植え直します。腐葉土を混ぜて土壌改良を行ったうえで、元気のよいつるの部分を切り分けて植えつけます。
鉢植えで育てている場合は、根詰まりからくる株の老化や草姿の乱れを直すため、1年に1回程度、植え替えを行いましょう。
日当たり・置き場所
耐寒性と耐暑性が強く、日当たりから明るい日陰まで幅広い環境で生育します。
庭植え、鉢植えのどちらでも育てることができますが、真夏の強い直射日光に当たると葉焼けをおこすことがありますし、乾燥しすぎると生育が悪くなります。夏は半日陰になるような場所で育てると美しく育つでしょう。
水やり
1年を通して乾燥させないように管理します。
庭植えの場合は、根付いてからは特に水やりの必要はありませんが、雨が長期間降らず乾燥が続いた場合は様子を見ながら水やりしましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。乾燥させると生育が悪くなるため、乾燥させないように注意しましょう。
肥料
肥料はあまり必要としません。鉢植えで育てる場合、つるの成長が止まる、葉色が薄くなる、といったように生育が悪くなってきたら、液体肥料か置き肥を適宜施しましょう。
病害虫
病気はほとんど見られません。アブラムシ、ヨトウムシが発生することがありますので、見つけたら早めに駆除をしましょう。
剪定・切り取り
伸びて広がると株元の部分が枯れてくることがあるため、間引きや切り取りなどの剪定を行いましょう。先祖返りで緑色の葉が出ることがありますので、早めに切り取ります。カットすることで株が若返り、剪定した茎は挿し芽に使うことも可能です。
誘引
伸ばしたい方向につるを誘引して茂らせることができます。誘引は手で行うことができます。
夏越し
暑さには強いですが、直射日光で葉焼けをおこしたり乾燥で傷んだりすることがあります。鉢植えで育てている場合、真夏の高温期はなるべく半日陰になるような場所に鉢を移動させて育てるのがよいでしょう。
増やし方
グレコマは挿し芽と株分けで増やすことができます。
挿し芽
剪定や切り戻しの際に切った元気そうなつるを使うとよいでしょう。10㎝ほどの長さに切り取ったつるを挿し木用の清潔な土に挿します。切り口に発根促進剤を使用してから挿すと発根しやすくなります。茎の節から発根している部分をカットして土に植えて増やすこともできます。
株分け
株が生長して中心部が弱っているようであれば、切り戻して株分けして新しく植え付けると状態よく育ちます。また鉢植えの場合は、根詰まりしてくるため植え替えが毎年必要となりますので、植え替え時期に株分けをするとよいでしょう。根っこから2つに分けて、植え付けたい場所にそれぞれ植えてください。
育て方のポイントまとめ
- 乾燥しすぎると生育が悪くなるため、年間を通して乾燥させないように育てましょう。
- 間引きや切り取りなどの剪定を適宜行い、株が老化してきたら植え替えを行いましょう。
- 放任するとあちこちに伸びるため、つるを誘引したり、剪定したりして管理しましょう。