
購入したときはきれいに咲いていたのに、翌年になると花が咲かない……そんな経験はありませんか?
実はアジサイが翌年咲かない原因には、大きく分けて2つあります。

秋の低温に当たっていない
アジサイは、9月〜10月ごろの低温に当たることで花芽(翌年の花になる芽)が作られます。そのため、秋までに新しい芽がある程度伸びていないと、花芽が十分にできず、翌年花が咲かないことがあります。
例えば、10月ごろに切り戻しをすると新芽の成長が間に合わず、花芽が作られない場合があります。

冬の休眠が解除されない(休眠打破できない)
日本のアジサイは、寒い冬を越えることで花芽の休眠が打破されます。
この休眠は、植物が寒さから身を守るために花を咲かせない仕組みです。
休眠を打破するには、5℃以下の寒さに40〜50日間当たることが必要です。
中途半端に暖かい冬を過ごすと、休眠が十分に解除されず、春になっても花が咲きにくくなります。

秋(花芽分化のタイミング)⇒15℃以下の低温が新芽に必要
冬(休眠打破のタイミング)⇒40〜50日間の寒さが必要
この2つの条件が揃わないと、花芽が十分に付かず翌年の開花が難しくなります。
遅い時期に切り戻しをした場合 ⇒ 新芽が間に合わず花芽がつかない
太平洋側など冬に暖かい地域⇒ 休眠を越える寒さが不足し花芽が動かない
近年では品種改良が進み、12月の遅い時期に切り戻しをしても翌年咲く品種もありますが、品種によって環境適応の差が大きいので注意が必要です。
日常管理で行うこと
- 花後の7月〜8月に切り戻して新芽を伸ばす
- 置き場所は半日陰がおすすめ
直射日光の強い場所よりも、朝日だけが当たる東向きなどの場所が秋に低温を感じやすくなります。

その品種が環境に合っていない可能性があります。環境に合った別の品種に替えることも検討してみては?
まとめ
- 秋の低温が不足すると花芽がつかないことがあります。
- 冬の寒さが不足すると休眠が打破されず花が咲かなくなります。
- 切り戻しや置き場所などの管理によって翌年の開花に影響が出ることもあります。
アジサイは品種や地域によって必要な条件が変わります。毎年きれいに花を咲かせるためには、花芽分化の秋と休眠打破の冬の両方に注意して育てることが大切です。それでも咲かない場合は、別の新しい品種へのチャレンジも検討してみてはいかがでしょうか?