チタノプシスの育て方・基本情報・まとめ

チタノプシスの育て方

チタノプシスとは

チタノプシスの育て方

チタノプシスとは、南アフリカ原産のハマミズナ科に属する多肉植物で、岩のようなユニークな姿から「宝石植物」とも呼ばれます。乾燥した砂漠地帯の岩の隙間に自生しており、葉の表面には小さな突起がびっしり。まるで砂利や石のかけらをまとったような質感が特徴です。この“擬態”によって、強い日差しや外敵から身を守っています。

株は小型で、地面にぴったりと張りつくように成長し、冬から春にかけて黄色や白、オレンジの可愛らしい花を咲かせます。開花時期になると、岩の間から花が顔を出したように見え、その姿はとても愛らしく、多肉好きの間でも人気の高い品種です。

チタノプシスは、風通しがよく、日当たりのよい環境を好みます。真夏の直射日光はやや苦手なので、半日陰で管理すると安心です。水やりは「乾かし気味」が基本で、生育期(秋~春)には土が乾いて数日してから与えます。休眠期の夏は断水気味にして過湿を避けることが元気に育てるコツです。

代表的な品種として知られるのが「天女(カルカレア)」と「天女冠」です。「天女(カルカレア)」は、灰緑色の葉に白く硬い粒状の突起が並び、岩肌のような質感が魅力です。一方、「天女冠」は、やや丸みを帯びた葉に細かい突起があり、より柔らかい印象を与えます。どちらもコンパクトながら存在感があり、小鉢で飾っても群生させても楽しめます。

独特の造形と開花時の美しさを併せ持つチタノプシスは、まさに“自然のアート”。窓辺やデスクの小さなスペースでも楽しめる多肉植物です。

ガーデンパーティでは、自然のアートのようなチタノプシスを取り扱っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

チタノプシスの基本情報

名前チタノプシス
学名Titanopsis
科・属名アイゾウ科/チタノプシス属
英名Titanopsis
分類多肉植物
生育タイプ春秋型(冬型に近い)
開花時期冬から春(植物が成熟してから2年目以降に開花することがある)
お勧め植え付け時期春から夏
原産地南アフリカ
耐暑性強い(強い日差しには注意)
耐寒性やや強い

チタノプシスの栽培カレンダー

チタノプシスの栽培カレンダー

チタノプシスの基本的な育て方

植え付け

秋または春の穏やかな気候が植え付けの適期です。根が浅いため、浅めの鉢を使い、水はけのよい多肉植物用培養土に軽石やパーライトを混ぜて通気性を高めましょう。鉢底には軽石を敷き、排水性を確保します。過湿を嫌うため、素焼き鉢など乾きやすい素材の鉢が向いています。

植え替え

鉢底から根が見えている、水はけが悪くなったなどのサインがあったら植え替えのタイミングです。1~2年に1回を目安に、春または初秋に行います。植え替えの1~2週間前から水やりを控えて土を乾かしておきましょう。植え替えの際には古い根や傷んだ根を取り除き、新しい用土に植え替えます。植え付け後は数日おいてから軽く水を与えます。

日当たり・置き場所

1年を通して日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。春と秋はよく日の当たる場所で、夏は風通しのよい半日陰に移動させます。室内で育てる場合は、南向きの窓辺など明るい場所がおすすめです。

水やり

生育期の春と秋は、鉢土の表面がしっかり乾いてから与えます。葉に水をためる性質があるため、水のやりすぎは根腐れの原因になります。10日から15日に一回程度が目安ですが、葉がしわしわになってきたら水不足のサインです。

生育が停滞する真夏は水やりを控えます。完全に断水するか、ごく少量与える程度にしておきます。

冬は生育が緩慢になるため、月に1回程度にとどめます。

肥料

肥料はほとんど必要ありません。生育期にごく薄めた液体肥料を月1回ほど与える程度で十分です。肥料の与えすぎは株を弱らせる原因になるため、控えめを心がけましょう。

病害虫

比較的病害虫には強いですが、湿度が高いと根腐れやカビが発生しやすくなります。風通しを確保し、枯れた葉は早めに取り除きます。害虫ではカイガラムシやアブラムシがつくことがあるため、見つけたらブラシで払い落とすか薬剤を散布して早めに対処します。

夏越し

高温多湿に弱いため、直射日光や雨を避けましょう。風通しのよい日陰で水やりの頻度を減らし、蒸れを防ぎましょう。水やりをする際は夕方の涼しい時間帯に行いましょう。

冬越し

チタノプシスは比較的寒さに強いですが、霜や凍結には注意が必要です。気温が5℃を下回るようなら室内の光が当たる場所で管理します。屋外から取り込む際には、急に暖かい部屋には入れず、徐々に屋内の暖かさに慣れさせるようにしましょう。

増やし方

株分けまたは種まきで増やせます。

種まき

春か秋の成長期に、水はけの良い用土に種をまきます。発芽には光を必要とするため、土はかぶせません。発芽までは、底面吸水(鉢などの底から水を与える方法)で、風通しのよい明るい日陰に置いて管理します。ある程度、育ったら新しい鉢などへ植え付けます。

株分け

子株ができた株は株分けで増やすことができます。秋や春に、根を傷つけないように株の古い土を落としたら、子株を手で引き離し新しい土に植え付けます。根付くまでは明るい日陰で管理します。

チタノプシスの豆知識

なぜ石のような見た目をしているの?
原産地の南アフリカでは、岩や砂利に紛れて生えることで外敵から身を守っています。葉の表面の突起は光を拡散し、強い日差しから植物を保護する役割もあります。     

花はいつ咲くの?
主に冬から春にかけて、黄色や白、オレンジ色の花を咲かせます。小さなロゼットから咲く花はとても愛らしいです。

成長が止まったように見えるけど大丈夫?
夏は休眠期に入り、成長が止まったように見えます。水を与えすぎると根腐れの原因になるためこの時期は断水気味に管理しましょう。

まとめ

  • 日当たりと風通しのよい環境で乾かし気味に育てましょう。
  • 夏場と冬場は乾かし気味に管理し、根腐れを防ぎましょう。
  • 室内で管理する場合は、よく日の当たる窓辺などに置いて風通しよく管理しましょう。