
ライラックとは

ライラックは、春から初夏にかけて香り豊かな花を咲かせるモクセイ科ハシドイ属の落葉低木で、ヨーロッパや西アジアを原産とする落葉花木です。
小さな花が房になって咲き誇り、紫やピンク、白などのやさしい色合いと甘い香りが庭を華やかに演出してくれます。その芳香は香水の原料にも使われるほどで、近くを通るだけで心を和ませてくれるのが魅力です。
花の見頃は5月頃で、咲き進むにつれて色合いが変化し、切り花にすれば室内にも心地よい香りを運んでくれます。
ライラックは日当たりと風通しの良い場所を好み、寒さに強い反面、夏の蒸れにはやや弱いため、風通しを意識して育てると元気に育ちます。水やりは地植えなら降雨で足りることが多く、鉢植えでは表土が乾いたらたっぷり与える程度で十分。肥料は冬から早春に施すと春の花つきがよくなります。咲き終わった花房は早めに切り取り、混み合った枝を整理しておくと、翌年も美しい花を楽しむことができます。
ライラックにはさまざまな品種があり、白い花を咲かせる「アルバ」や紅紫色の花を咲かせる「ルブラ」、八重咲き品種が多いフレンチライラックなどがあります。また、樹形がコンパクトにまとまる「姫ライラック」は、鉢植えや狭いスペースでも育てやすく、初心者の方にも人気があります。
年を重ねるごとに株が充実し、毎年春になると香りと花をたっぷり届けてくれるライラック。庭木としてはもちろん、鉢植えでも気軽に楽しめる品種がそろっており、暮らしに四季の彩りを添えてくれる花木として長く愛され続けています。
ガーデンパーティではライラックを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
ライラックの基本情報
名前 | ライラック |
学名 | Syringa vulgaris |
科・属名 | モクセイ科 / ハシドイ属 |
英名 | Lilac |
和名 | 紫丁香花(ムラサキハシドイ) |
分類 | 落葉小高木 |
開花時期 | 4月~5月 |
お勧め植え付け時期 | 1月~3月、11月~12月 |
原産地 | ヨーロッパ南東部~西アジア |
耐暑性 | やや弱い |
耐寒性 | 強い |
ライラックの栽培カレンダー

ライラックの基本的な育て方
植え付け
ライラックの植え付けは、根が活動を始める前の落葉期(11月~3月頃)が適期です。水はけと日当たりの良い場所を選び、植え穴には腐葉土や堆肥を混ぜておくと根の張りが良くなります。植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
植え替え
地植えの場合、植え替えは特に必要ありません。
鉢植えの場合は、2~3年に一度を目安に落葉期の11月~3月頃に植え替えを行いましょう。
日当たり・置き場所
ライラックは日当たりと風通しの良い環境を好みますが、西日を避けるようにしてください。夏は高温多湿を避け、風通しを確保すると元気に育ちます。
水やり
地植えでは根がつけば基本的に自然の雨で十分です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。過湿を嫌うため、受け皿に水を溜めないように注意します。
肥料
肥料は早春に緩効性肥料を施すのがおすすめです。花後にもお礼肥として追肥すると、翌年の花芽形成を助けます。
病害虫
ライラックは比較的丈夫ですが、うどんこ病になったり、アブラムシが発生したりすることがあります。風通しを良くして管理しましょう。
剪定(切り戻し)
花後や休眠期に不要な枝を剪定する程度でよいです。
夏越し
高温多湿に弱いため、夏は風通しを良くし、西日の当たらない場所で管理すると安心です。鉢植えは半日陰に移動させると株が弱りにくくなります。
冬越し
冬は休眠します。耐寒性が強く、屋外でも冬を越せまるため冬越し対策は特に必要ありませんが、寒風が強く当たる場所では株元を腐葉土や藁でマルチングすると根を守れます。鉢植えは軒下やベランダで管理すると良いでしょう。
増やし方
ライラックは挿し木や接ぎ木、種まきで増やすことができます。家庭で手軽に行えるのは挿し木です。
挿し木
梅雨時期がおすすめです。新しく伸びた枝を10~15cmほど切り取り、下葉を取り除きます。清潔な挿し木用土に挿し、風通しのよい半日陰で管理しましょう。水やりは控えめにしつつ、乾かさない程度に保ちます。おおよそ3~4週間で発根し、その後鉢上げして育てることができます。
・樹高はどれぐらいになりますか?
一般的なライラックは2~6mほどに成長しますが、品種によって差があります。コンパクトに育つ「姫ライラック」は0.6m~2m程度に収まり、狭い庭や鉢植えでも楽しめます。
・どんな匂いがしますか?
ライラックの香りは甘くて爽やか、少しスパイシーさを感じる上品な香りです。香水の原料にも使われるほどで、「初夏を告げる香り」として古くから親しまれています。
・ライラックを小さく育てることはできますか?
可能です。剪定を花後にしっかり行えば樹形を整えられますし、鉢植えにすれば自然とサイズを抑えて育てられます。姫ライラックのようなコンパクト品種を選ぶのもおすすめです。
まとめ
- 日当たりと風通しの良い場所で育てると花つきが良くなります。
- 花後すぐに剪定することで翌年も花を楽しめます。
- 過湿を避け、鉢植えは水はけの良い土と適切な水やりを心がけましょう。