サルビアの育て方・基本情報・まとめ

サルビアの育て方

サルビアとは

サルビアの育て方

サルビアは、南米原産で広い地域に分布するシソ科の多年草です。セージとも呼ばれ、現在ではその品種は900種以上もあり、ハーブや観賞用として幅広く利用されています。

一般的にサルビアというと鮮やかな赤色の花の印象が強いかもしれませんが、いろいろな花色があり、ピンクや青、紫のほか、複色カラーなどのサルビアがあり、草丈も20cmから2m近くになるものまであります。

サルビアは宿根性の品種が多い植物ですが、一・二年草タイプから枝が木のようになる低木タイプまであります。いずれも耐暑性や耐寒性は品種によって異なります。1年草タイプの品種の中にも、防寒対策などにより冬越しができるものもあります。

花は品種により開花期が異なりますが、秋から開花するものを除き、6月から11月ぐらいまで長い期間楽しめるものが多く、初心者の方でも育てやすい植物の一つです。品種によっては、切り花やドライフラワーとして楽しめるものもあります。

1年草タイプとして代表的な品種には、最もよく知られている鮮やかな赤色萼のサルビア・スプレンデンス、サルビア・ファリナセア(ブルーセージ、ブルーサルビア)、サルビア・コクシネア(トロピカルセージ)、サルビア・ビリディス(ペインテッドセージ)などがあります。

多年草タイプとして代表的な品種には、サルビア・オフィシナリス、サルビア・ネモローサ、サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)、サルビア・レウカンサ(メキシカンブッシュセージ、アメジストセージ)などがあります。

サルビアの苗を購入する場合は、苗がぐらつかず、茎がしっかりして葉が鮮やかなものを選ぶようにしましょう。

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サルビアの基本情報 

学名Salvia
科・属名シソ科アキギリ属(サルビア属)
英名Scarlet sage
和名ヒゴロモソウ(緋衣草)
分類一年草(多年草の品種もある)
開花時期6月~11月
お勧め植え付け時期5月~7月
原産地ブラジル
耐暑性強い
耐寒性弱い

サルビアの栽培カレンダー 

サルビアの栽培カレンダー

サルビアの基本的な育て方

植え付け

日当たりと水はけが良い場所を選んで植え付けます。庭植えする場合は、土に腐葉土を混ぜ込んでおくとよいでしょう。

鉢植えのサルビアは、市販されている草花用の培養土を使うと手軽です。

自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものをベースにします。

庭植えは、根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、深植えは避け苗の根元に土を盛りすぎないように注意しましょう。複数まとめて植える場合は、株間を25cm~30cmとります。

種まきで苗を育てている場合は、本葉7〜8枚を目安に植え付けてください。

サルビアは、品種によって草丈に違いがあります。背の低い品種は20cm間隔に、高性種は30cmほど株と株の間をあけます。植え付け前に草丈を調べてから、植え付け場所を決めるのがよいでしょう。

植え替え

一年草のサルビアは冬前に寿命を終えるため植え替えの必要はありませんが、鉢植えで育てている宿根タイプのサルビアは根詰まりしやすいので、1年に1回、一回り大きな鉢に新しい土で植え替えるか、株分けをしましょう。芽数が多く混み合うものは株分けを行い、老化して生育の衰えた株は、さし芽で更新します。

日当たり・置き場所 

多くのサルビアは日当たりを好み、水はけよく、しかも乾燥しないところでよく育ちます。品種によっては、真夏に強い直射日光が当たると弱ってしまうことがありますので、それぞれの品種について適した場所を調べて植え付けましょう。

水やり 

庭植えでは、根がしっかり張ればほとんど必要ありません。乾燥した日が続き、葉が萎れるような時は早朝か夕方にたっぷりと水やりをします。

鉢植えのサルビアは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします水切れさせると生育が悪く、花つきが悪くなるほか下葉が枯れ上がる原因となります。

冬の間は、水やりを控えめにし、土の表面が乾いたら少量を与える程度にします。

肥料 

月に1回、緩効性肥料を置き肥するか、月に3回ほど液体肥料を施します。サルビアは、肥料を定期的に与えることで旺盛に花を咲かせてくれます。肥料切れになると生育停滞し、開花しなくなることがあります。

病害虫

サルビアは比較的病害虫の被害が少ないですが、アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニがつくことがあります。アブラムシやハダニの被害を見つけたら、早めに適切な対策を行いましょう。アブラムシは湿気が多い場所を好むため、風通しが良い場所で花を管理することがおすすめです。生長するにつれて茎や葉が増えて混雑してくるため、剪定して風通しよくしておくとよいでしょう。

切り戻し

花が一段落する夏に半分ぐらいの高さで切り戻しをしておくと、秋にはこんもりと形よく花が咲くようになります。

宿根タイプのサルビアや冬越しに成功したサルビアは、4月ごろに古い枝や枯れた部分を切り戻すことで、初夏からの開花に勢いがつきます。

花がら摘み

次々とわき芽を伸ばして咲き続けるので、咲き終わった花穂は順に切り取ります。開花中はこまめに終わった花がらを摘んであげると次の花が咲きやすいです。

夏越し

サルビアは暑さに強い品種が多いですが、気温が高くなる真夏には生育が停滞します。夏は30℃以上でも生育しますが、花つきは悪くなります。

冬越し

サルビアを冬越しさせるには、温度は0~5℃以上を保つようにしましょう。庭植えのまま冬越しさせる場合は、株元へ敷き藁をしたり、霜よけのために不織布をかぶせたりして防寒対策をするとよいでしょう。

鉢植えなら室内に取り込み、寒冷地で庭植えしている場合は掘り上げて鉢に植え替えするのがおすすめです。冬の間は、水やりを控えめにし、土の表面が乾いたら少量を与える程度にします。春には再び庭に出すと良いでしょう。

耐寒性の弱いものは、さし芽などで苗をつくっておき、室内で冬越しさせます。半耐寒性のものは株元にバークチップなどをかぶせておくとよいでしょう。

増やし方

種まきや挿し木、株分けで増やすことができます。

種まき

サルビアの発芽適温は20~25℃ぐらいです。発芽の際に光を必要とする好光性のため、土はかぶせすぎないようにして水を与えます。1週間程度で発芽しますが、それまでの間は土が乾かないように管理しましょう。発芽したら、よく日に当てながら育てていきます。

育てたサルビアの種を採取する場合は、サルビアが枯れたら花穂ごと切り取り、数日間乾燥させ、乾燥が終わったら種を取り出します。種まきの適期までは、通気性の良い紙袋に入れて冷暗所で保管します。

挿し木

剪定や切り戻しのときにカットしたものを挿し穂として使うと手軽です。元気の良い新しい茎を挿し穂に選ぶとよいです。カットした挿し穂は、下のほうについている葉を取り除き1時間ほど水につけ、肥料分が入っていない清潔な土や、市販の挿し木用の土、赤玉土や鹿沼土などに挿します。水をたっぷりと与えて土を湿らせ、発根するまでは日陰で管理します。根が出たら少しずつ日の当たる場所へ移動しましょう。動画ではサルビアネモローサカラドンナの挿し木の方法をご紹介しています。

挿し木や挿し芽は人に譲らず自宅で楽しむようにしましょう。

挿し木や挿し芽で増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。

株分け

芽数が多く混みあったものは、株分けを行うとよいでしょう。株の周囲にスコップを入れて大きく掘りあげたあとは手で根のまわりから少しずつ土を落とし、生え際あたりで株が分けられる場所を探して根をほぐすように分けていきます。

育て方のポイントまとめ

  • 日当たりと水はけのよい場所で、風通し良く育てるようにしましょう。
  • 咲き終わった花をこまめに摘むことで、新しい花が咲きやすくなります。
  • 屋外で冬越しさせる場合は、株元へマルチングなどをして防寒対策をしましょう。