
ベゴニアとは

ベゴニアは、シュウカイドウ科に属する多年草または一年草の植物で、熱帯アジアや南アメリカなどが原産の植物です。世界に2,000種以上の品種があり、大きく分けて木立性、球根性、根茎性の3つのタイプがあります。
草丈は20~50cmほどで、コンパクトな品種から存在感のある品種まで多彩。花は赤・ピンク・白・黄色などカラフルで、5月~10月頃まで長く咲き続けるのが魅力です。庭植えはもちろん、鉢植えにして玄関やベランダを彩るのもおすすめで、切り花にして室内で楽しむこともできます。
育て方のポイントは、直射日光を避けた半日陰の場所を選ぶことと、水はけの良い土を使うこと。過湿に弱いため、水やりは土の表面が乾いてからが基本です。丈夫で初心者にも育てやすいベゴニアは、お庭やお部屋に彩りを添える心強い味方です。
ベゴニアには多くの魅力的な品種がありますが、その中でも特に人気の高い3種をご紹介します。
まず「リーガースベゴニア(エラチオールベゴニア)」は、バラのように華やかな八重咲きの花を咲かせます。赤やピンク、オレンジなど多彩な色合いが揃い、鉢花として特に人気があります。
次に「ベゴニア・センパフローレンス(四季咲きベゴニア)」は、ベゴニア属の中でも最も親しまれており、春から秋まで絶え間なく花を咲かせる丈夫な品種です。草丈が低くコンパクトで、花壇の縁取りや寄せ植えにもぴったりです。
最後に「レックスベゴニア」は花よりも美しい葉を楽しむ観葉品種で、赤や銀、紫が混じった個性的な葉が特徴。室内の彩りとしてインテリアグリーンに人気です。
それぞれ異なる魅力を持つこれらのベゴニアは、用途や好みに合わせて選ぶ楽しさも大きな魅力です。
園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉の枚数が多く、つやと厚みがあるものを選び、ぐらつくようものは避けましょう。
ベゴニアの基本情報
名前 | ベゴニア |
学名 | Begonia |
科・属名 | シュウカイドウ科/シュウカイドウ属(ベゴニア属) |
英名 | begonia |
和名 | ベゴニア、シュウカイドウ(秋海棠) |
分類 | 一年草、多年草 |
開花時期 | 5月~11月 ※品種により異なる |
お勧め植え付け時期 | 4月~6月、9月~10月 |
販売時期 | 4月~5月 |
原産地 | ブラジルなどの中南米、インド、ベトナムなどの熱帯や亜熱帯地域 |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 弱い |
ベゴニアの栽培カレンダー(※センパフローレンス)

※他の品種タイプについては、栽培カレンダーが異なります。
ベゴニアの基本的な育て方
植え付け
ベゴニアの植え付けは、気温が安定する4月~5月が適期です。水はけの良い土を選び、鉢植えの場合は市販の草花用培養土がおすすめです。庭植えの場合は腐葉土や堆肥を混ぜてふかふかの土にします。植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
植え替え
鉢植えのベゴニアは、1~2年に一度、根詰まりや土の劣化を防ぐために植え替えを行いましょう。適期は春または秋。古い根や傷んだ根を軽くほぐし、新しい土でひと回り大きな鉢に植えます。作業後は数日間、直射日光を避けて管理します。
日当たり・置き場所
ベゴニアは明るい半日陰を好みます。直射日光に長時間当たると葉焼けの原因になるため、レースのカーテン越しの光や午前中だけ日が当たる場所が理想的です。風通しのよい場所に置くことで病気の予防にもなります。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えるのが基本です。過湿に弱いため、水のやりすぎには注意しましょう。特に鉢植えでは受け皿に水がたまらないようにし、根腐れを防ぐことが大切です。冬は水やりの頻度を控えめにします。
肥料
生育期の春~秋にかけて、月に1~2回程度、液体肥料を与えると花付きがよくなります。緩効性肥料を土に混ぜ込んでおくのも効果的です。肥料の与えすぎは根を傷める原因になるため、表示に従った使用量を守りましょう。
病害虫
多湿や風通しの悪い環境では、うどんこ病や灰色かび病が発生しやすくなります。また、アブラムシやハダニもつきやすいため、葉の裏までこまめにチェックしましょう。発見したら早めに市販の殺虫・殺菌剤で対処します。
切り戻し
伸びすぎた茎や乱れた姿を整えるために、初夏や秋に切り戻しを行いましょう。茎の途中でカットすることで脇芽が出て、株全体がこんもりと育ちます。枯れた葉や花もこまめに取り除いて、風通しを良くしましょう。
夏越し
夏の強い直射日光を避け、涼しい半日陰で管理し、風通しを良くしましょう。乾燥しすぎると弱るので、朝か夕方に水やりをして乾燥を防ぐようにしてください。蒸れにも弱いため、鉢の間隔も広めに保ちましょう。
冬越し
ベゴニアの種類によって、冬越しできるものとできないものがあります。四季咲きベゴニア(センパフローレンス)は、最低気温が0度以上であれば越冬できる多年草ですが、日本では一年草として扱われることが多いです。一方、球根ベゴニアは、非耐寒性多年草(一年草扱い)で、冬越ししたい場合は室内に取り込む必要があります。最低気温が10℃を下回る前に室内へ移動させ、室内では日当たりのよい窓辺で管理します。水やりは控えめにし、根腐れを防ぐことが重要です。
八重咲きベゴニアの冬越しについてはこちらの動画でもご説明しています。
増やし方
ベゴニアは品種により増やし方が異なります。根茎性や木立性は「挿し木(茎挿し)」が一般的です。葉が美しいレックスベゴニアなどは「葉挿し」で増やせます。
挿し木
時期:5~6月、9月~10月頃に、元気な茎を10~15cm程度に切り葉を3~4枚残します。切り口を水に浸して2~3時間ほど置き、湿らせた挿し木用の土に挿し、明るい日陰に置いて、土が乾いたら水やりをしましょう。
葉挿し
4~5月頃、9月下旬~10月上旬頃に、葉柄を2cmほど残して葉を切り取り、湿らせた清潔なバーミキュライトに葉柄が埋まるように挿します。直射日光の当たらない場所に置いて、土が乾いたら霧吹きなどで水やりをしましょう。
株分け
根茎性は植え替え時に、根茎を分けて増やすこともできます。
まとめ
- 明るい半日陰で、直射日光と過湿を避けて管理しましょう。
- 水は土が乾いてからたっぷりと与えるようにしてください。
- 定期的な切り戻しと病害虫のチェックで株を健康に保ち、きれいな花を楽しみましょう!