
ダドレアとは

ダドレアとは、アメリカ西部やメキシコ北部などの乾いた岩山に自生する多肉植物で、過酷な環境にも耐える強さと、まるで彫刻のような美しさを兼ね備えています。葉は厚みがあり、白い粉(ブルーム)をまとっているのが特徴で、光を柔らかく反射する姿から「白銀の女王」と呼ばれることもあります。陶器のような質感と静かな存在感をもち、ひと鉢でも圧倒的な存在感を放ちます。
代表的な品種のひとつ「仙女盃(ブリトニー)」は、放射状に広がる白い葉が美しく、幻想的な雰囲気を漂わせます。葉先がほんのりと反り返り、整ったロゼットを描く姿は、まさにダドレアの魅力を象徴する品種です。また「ヌビゲナ」は、やや青みを帯びた葉色が上品で、しっとりとした落ち着いた印象を与えます。「パキフィラ」はふっくらとした丸葉が特徴で、やわらかいフォルムと白い粉のコントラストが可愛らしく、女性に人気の品種です。
育て方のポイントは「乾燥気味に、風通しよく」。原産地が乾燥地帯のため、水やりは控えめにし、鉢土がしっかり乾いてから与えます。多湿を嫌うため、特に梅雨や夏は風通しを良くし、蒸れを防ぐことが大切です。日当たりを好みますが、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、半日陰で管理すると安心です。冬は、水やりをぐっと減らして乾燥気味に管理します。
ダドレアは成長がゆっくりで、一年を通して形が崩れにくく、美しい姿を長く保てるのも魅力のひとつ。花茎を伸ばして咲かせる花も愛らしく、銀葉とのコントラストが楽しめます。鉢植えで育てれば、室内の明るい窓辺に置くだけでインテリアの主役に。まるで生きたアートのような存在感を放つダドレアは、多肉植物の中でも特にコレクター人気の高い種類です。
ガーデンパーティでは、個性豊かなダドレアを取り扱っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ダドレアの基本情報
名前 | ダドレア |
学名 | Dudleya |
科・属名 | ベンケイソウ科/ダドレア属 |
英名 | Dudleya |
分類 | 多肉植物 |
生育タイプ | 春秋型~冬型 |
開花時期 | 春から初夏 (品種による) |
お勧め植え付け時期 | 秋(9月~11月)または春 |
原産地 | メキシコ、アメリカ西部 |
耐暑性 | 普通(高温多湿は苦手) |
耐寒性 | やや弱い |
ダドレアの栽培カレンダー

ダドレアムの基本的な育て方
植え付け
春や秋の穏やかな気候が植え付けの適期です。水はけのよい多肉植物用培養土に、軽石やパーライトを混ぜると通気性が高まり根腐れを防げます。鉢底には軽石を敷き、排水性を確保しましょう。ダドレアは鉢植えが基本ですが、暖かい地域では日当たりのよいロックガーデンなどへの地植えも可能です。
植え替え
秋または春の生育期に行います。根詰まりしていたり、土が劣化していたりしたら新しい用土に替えましょう。古い根や傷んだ部分を整理し、根鉢を崩しすぎないように乾いた土に植え付け、植え付けから数日たってから軽く水やりします。白い粉(ブルーム)を傷つけないように、株を優しく扱うのがコツです。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しのよい場所を好みますが、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になります。屋外では午前中だけ日が当たる半日陰、室内ではレース越しの日差しが理想的です。長雨や湿気に弱いため、雨の当たらない場所で管理しましょう。
水やり
春と秋の生育期は、鉢土がしっかり乾いてから与えます。乾燥には強いですが、多湿を嫌うため、水のやりすぎは禁物です。特に梅雨時や真夏はほとんど水を与えず、通気を重視します。冬は休眠期に入るため、月1回程度の軽い水やりで十分です。
肥料
肥料は控えめで大丈夫です。春と秋に、薄めた液体肥料を月に1回ほど与える程度で十分です。肥料の与えすぎは徒長(間延び)や葉焼けの原因になるため注意します。植え替え時に緩効性肥料を少量混ぜておくと、生育をゆるやかに助けます。
病害虫
多湿環境下では根腐れすることがあります。風通しをよく保ち、古い枯れ葉は早めに取り除きましょう。害虫ではアブラムシやカイガラムシがつくことがありますが、発見したらブラシや薬剤で早めに駆除します。
切り戻し
株姿が乱れたときは、春または秋に切り戻しを行います。切り戻した部分の下から新芽が出て、ロゼットが整います。切った茎は乾かしてから挿し木にすれば、新しい株として増やすことも可能です。
夏越し
高温多湿を苦手とするため、風通しのよい半日陰に移動し、水やりを極力控えます。雨が続く時期は軒下で管理し、蒸れを防ぐことが大切です。強い直射日光で葉が焼けることがあるため、遮光ネットなどで保護しましょう。
冬越し
寒さにはやや弱く、霜や凍結で傷むことがあります。気温が5℃を下回るようになったら、明るい室内に取り込みます。水やりは控えめにし、乾燥気味に保ちます。風通しを確保してカビの発生を防ぎましょう。
増やし方
挿し木や株分けで増やすことができます。
挿し木
春や秋に健康な葉または茎を取り、数日乾かしてから乾いた土に挿します。根が出るまでは直射日光を避け、明るい日陰で管理しましょう。
株分け
健康な根が残るよう子株を親株から切り離し、新しい鉢に水はけのよい土を入れて植え付けます。植え替え後はたっぷり水を与えます。
・葉の白い粉は拭いてもいいの?
白い粉はブルームと呼ばれ、乾燥や紫外線から葉を守る天然のコーティングです。触ったり拭き取ったりすると再生しないため、できるだけ触らないようにしましょう。。
・花は咲きますか?
春~初夏に花茎を伸ばして、小さな花を咲かせます。白銀の葉とのコントラストが美しく、観賞価値も高いです。開花後の花茎は、枯れたら早めに切り取りましょう。
・成長が遅いのはなぜですか?
ダドレアはもともと乾燥地帯に適応した省エネ型の植物で、成長がとてもゆっくりです。気温や水分が適した時期にだけ少しずつ大きくなるため、焦らず長い目で育てましょう。
まとめ
- 日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。
- 高温多湿が苦手ですので、水やりは乾いてから与えるようにしましょう。
- 冬に霜が降りる地域では室内に取り込み、水やりは控え気味にしましょう。