ロベリアとは
ロベリアは、青、水色、紫、白やピンクなどの鮮やかな小さな可愛らしい花が蝶のような姿をして咲きます。花のサイズは1~2cmと小さいですが、花が密集して咲き、ボリューム感があります。主に南アフリカを原産とし、ロベリア・エリヌスという園芸品種は「瑠璃蝶草(るりちょうそう)」としても親しまれていますが、日本の高温多湿には弱く夏前まで楽しむ一年草として扱われます。他にも日本や中国などを原産とする直立する多年草のサワギキョウ(宿根ロベリア)もあり種類が豊富です。
主に春から初秋にかけて花を楽しむことができ、開花期はたくさんの花が一斉に咲き誇って花壇やコンテナを明るく演出します。遠くから見るとこんもりとした株が色の塊のように見え、鉢からこぼれるように育つ姿はブーケのようにも見えます。春先から夏にかけては花期が最も長くなりますが、暑さには弱いため、夏の高温期には日陰に移動させるのがよいでしょう。
草丈はコンパクトなものが多く小さな花は他の植物とも合わせやすいため、花壇や寄せ植え、鉢植えの他にも、ハンギングバスケットにして楽しむこともできます。
一年草タイプは夏の暑さや冬の寒さに弱く、秋に種をまいて5月から6月に植えて楽しみます。直立する多年草タイプは水分の多い土地を好みますので、水辺やボーダーが向いています。日当たりのよい場所を好みますが、夏の西日は苦手です。
ガーデンパーティではロベリアを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
ロベリアの基本情報
名前 | ロベリア |
学名 | Lobelia erinus |
科・属名 | キキョウ科 / ミゾカクシ属(ロベリア属) |
英名 | Lobelia |
和名 | ルリチョウソウ(瑠璃蝶草) |
分類 | 多年草(日本では一年草扱い) |
開花時期 | 3月下旬~11月上旬 |
お勧め植え付け時期 | 3月~4月中旬/9月下旬~10月 |
販売時期 | 4月~5月 |
原産地 | 南アフリカ原産 |
耐暑性 | やや弱い |
耐寒性 | 弱い |
ロベリアの栽培カレンダー(1年草)
ロベリアの栽培カレンダー(多年草)
ロベリアの基本的な育て方
植え付け
水はけと通気性に富み、なおかつ適度に保水性のある土が適しています。自分で配合する場合は、赤玉土小粒5、腐葉土4、川砂1の割合の土を用いるとよいでしょう。植え場所が硬くしまった土であれば、植えつけ前に堆肥や腐葉土を施してよく耕しておきます。
一年草タイプも宿根草タイプとも3月頃か晩秋に植えつけを行います。複数の株を植え付ける場合は、株と株の間は20~30cmあけて植え付けましょう。
植え替え
多年草タイプは成長すると根詰まりを起こしやすくなりますので、1〜2年に1度、植え替えを行いましょう。植え替えする時期は、3〜4月か10月〜11月が適期です。
地植えにする場合は、植え付けの2週間ぐらい前には土を耕しておきましょう。株は先端の古い根や傷んだ根をハサミでカットし、根鉢より一回り大きな穴を掘って植え付けます。
鉢植えは、ひと回りぐらい大きい鉢に新しい培養土と元肥を混ぜていれ、先端の古い根や傷んだ根をハサミでカットした株を植え付けます。
植え付け後は、たっぷり水を与えましょう。
日当たり・置き場所
日当たりを好みますが、真夏の強い西日は苦手です。
鉢植えであれば、夏は風通しのよい半日陰で管理するのがよいでしょう。
水やり
水切れには弱いですが停滞水を嫌います。
地植えにした場合は、根付いたら基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えは、土の表面が乾き始めたら鉢底から流れ出るほどたっぷりと水を与えてください。
一年草タイプは、土の過湿を嫌いますので蒸れに注意して水やりをしましょう。
肥料
植えつけ時に、緩効性化成肥料を元肥として土に混ぜておきます。
一年草タイプは生育旺盛な春から夏に液体肥料を定期的に施します。
宿根草タイプは新芽が出始める3月上旬と地上部が枯れる11月上旬に肥料を施しましょう。
病害虫
梅雨が明けた後に、葉の裏にハダニがつくことがあります。夏に乾燥した日が続くようであれば葉の裏にも水をかけて予防してください。
摘芯
花をつきやすくさせるために茎の先端部分を摘みます。脇芽が元気に出ていることを確認したら、茎の先端の葉をカットします。2週間ぐらいすると、脇芽が伸びてくるでしょう。
花がら摘み
花が花茎の先端まで咲き進んだら花茎のつけ根のところで切りとります。
切り戻し
一年草タイプは梅雨明け後に枯れることが多いですが、花が一段落した梅雨頃に伸びすぎた枝を1/2から1/3のところで切り戻して風通しをよくしておくと、夏越しできることがあります。切り戻しをせずに夏越しできた株は9月頃に切り戻します。
夏越し
夏の暑さに弱いため一年草タイプは夏までに枯れてしまいますが、梅雨前に切り戻しをして夏に西日を避けて風通しのよい場所で管理することで、夏越しができることもあります。
冬越し
関東より西の地域であれば基本的に屋外で冬越しができますが、霜や雪には当たらないように管理します。寒冷地では、軒下や明るい室内などに置いて冬越しをさせましょう。
増やし方
ロベリアは花後に種が簡単にとれ、種まきで増やすことができます。
また、宿根草タイプは春または秋に株分けや挿し芽で増やすことができます。
種まき
9〜10月に種をまきます。種まきから発芽までには少し時間がかかります。
ロベリアの種は非常に小さいため、新しい培養土を使って育苗箱かポットなどに種まきをするのがおすすめです。種はとても小さく、重ならないようにばらまきしたら覆土はせず、日当たりと風通しがよい場所に置いて管理します。
水は上からでなく、下から給水させます。本葉が10枚ぐらいになったら、ポットに植え替えて育苗し、根が回ってしっかりした株に育った頃に定植しましょう。
株分け
鉢などから取り出した株を、先端の古い根や傷んだ根をハサミでカットして、手やハサミを使って株を分けます。
挿し芽
切り戻しの際に切った枝を使って挿し芽をするとよいでしょう。
茎を7cm程度にハサミでカットし、30分ほど水に浸けておきます。
バーミキュライトや挿し芽用のきれいな土に茎を挿し、発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたらポットに移し替えて育苗し、十分に育ったら定植しましょう。
※茎の切り口から出る粘液は、触れるとかぶれる恐れがありますので、手袋を着用して作業するのがおすすめです。
育て方のポイントまとめ
- 日当たりと風通しが良い場所が適していますが、夏は西日が当たらない場所で育てるようにしましょう。
- 過湿を嫌いますので蒸れに注意して水やりをしましょう。
- 一年草タイプは基本的には夏前に枯れてしまいますが、梅雨頃に切り戻しをして風通しをよく上手に管理すると夏越しができることがあります。