ペチュニアの育て方・基本情報・まとめ

ペチュニアの育て方

ペチュニアとは

ペチュニアの育て方

春先になるとホームセンターや園芸店などで多くみかけるようになる春から楽しめるナス科の花の一つで、朝顔に似た形状の花を咲かせます。ペチュニアの名前はたばこを意味するペチュン(petum)で、同じナス科のたばこの花に似ていることに由来するそうです。

ペチュニアは南米の亜熱帯から温帯地域を原産とし、その後ヨーロッパやアメリカで品種改良が進んで多くの品種が作られました。日本に伝来した当初(江戸時代末期)は、日本の気候や環境になかなかあわず育てるのが難しかったようですが、近年では日本の栽培環境に合った園芸品種が数多く作られ、鉢植えやハンギング、コンテナ、花壇など、色々な場所で見ることができます。

寒さにやや弱いため一年草扱いされますが、本来は非耐寒性の多年草の植物のため温暖な地域であれば戸外で冬越しすることもあります。

ペチュニアには、茎が枝垂れるもの、こんもりと茂るもの、横に這って広がっていくもの、大輪咲きから小輪咲き、一重咲き、八重咲き、単色や複色など、いろいろな園芸品種があり、バリエーションが豊富なのも魅力のひとつですので、毎年異なる品種の花を育ててみるのも楽しいでしょう。成長が早くて丈夫なこともあり、ガーデニング初心者の方にも育てやすく、おすすめの花です。

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ペチュニアの基本情報

学名Petunia
科・属名ナス科ペチュニア属の一年草または多年草
英名petunia
原産地南アメリカ
開花時期4~10月
別名ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)
お勧め植えつけ次期4~5月

ペチュニアの栽培カレンダー 

ペチュニアの栽培カレンダー

ペチュニアの基本的な育て方

植え付け 

庭植え・鉢植えのどちらでも育てられますが、庭植えの場合、梅雨の時期などに長期間雨に当たることで枯れやすくなるため、ペチュニア初心者さんは鉢植えでの栽培がおすすめです。苗は、春の4月から5月頃か、梅雨明けから9月に植え付けするのがおすすめです。梅雨明けから9月にかけて植えつけた場合は、秋に立派な花が咲くでしょう。植え付け場所に元肥を混ぜ込み、枯れている葉や黄色くなった葉、花がらがあれば取り除いて、深植えにならないように植え付けます。

ペチュニアは弱酸性の土を好みますので、水はけがよい有機物に富んだ土へ植え付けましょう。市販の草花用の培養土を使ってもよいですが、生育がよくない場合は、酸度を弱酸性にするため、赤玉土を加えたり、酸度無調整のピートモスを加えるとよいでしょう。

植え替え 

鉢植えで育てる場合、苗の成長に合わせて鉢を二回りぐらい大きいサイズへ植え替え(鉢増し)することで、根がよく張って株が大きくなります。

日当たり・置き場所 

日当たりと風通しの良い場所で育てるようにしましょう。梅雨時期など長雨が続く時期には、蒸れてカビが発生したり腐ったりすることがあるため風通し良く管理しましょう。

鉢植えで育てる場合は、病気の原因となる泥はね防止で、鉢を土の上に直接置かないようにしたり、少し高い場所に置いたりするとよいでしょう。

庭植えで育てる場合は、株元にバークチップなどでマルチングをしたり、一段高くなった花壇に植えつけたりすると、泥はね防止になります。冬越し用に挿し芽した苗や秋に種まきしたものは、12月から4月頃までは日当たりのよい室内で管理しましょう。

水やり 

鉢植えで育てる場合は、表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと株元へ水を与えましょう。できるだけ花に水がかからないようにして、葉や花びらに水滴が溜まったままにしないようにしましょう。常に葉が濡れていると病気が発生する原因になります。

庭植えで育てる場合は、植え付けて根付くまではたっぷり水を与え、根付いてからは降雨に任せます。夏に乾燥した日が続いたり、雨が長期間降らなかったりして株がくたっとしている時には、しっかり水を与えるようにしてください。

肥料  

元肥として緩効性肥料を忘れずに施します。3月から11月の生育期は緩効性肥料を定期的に追肥し、液体肥料も2週間に1回程度施してください。開花時期に肥料切れになると花が咲きにくくなることがあります。

病害虫 

雨が続くと灰色かび病が発生することがあります。花がらや枯れ葉をこまめに取り除いて予防してください。

アブラムシ、オオタバコガ、ハスモンヨトウ、アザミウマ、ナメクジなどの害虫が発生することがあります。葉などにキラキラと光る跡がついていたら、ナメクジがいるかもしれません。見つけたら取り除きましょう。ナメクジトラップを作って対策するのもおすすめです。

動画ではナメクジトラップの作り方をご紹介しています。

剪定・切り戻し 

成長して茎があちこちに伸びるようになると、先端の方だけ葉が茂って株元が寂しくなることがあります。定期的に切り戻しをして形を整えましょう。切り戻しにより枝分かれが増えたくさんの花が楽しめるようになります。梅雨前には、茎の長さの1/2程度を目安に切り戻ししましょう。

切り戻しについては、こちらのブログで詳しくご紹介しています。

簡単♪プロが教えるペチュニア:切り戻し(剪定)の仕方!コツは、思いっきりバッサリ切ることです!

摘芯 

植え付けてから2週間ぐらいたったら、先端の芽を切って側枝を増やすことで花つきがよくなります。

花がら摘み 

咲き終わった花はこまめに摘み取るか、切り戻しの際に茎ごと切り取るようにしましょう。大きく育った葉が株元を覆うと病気が発生しやすくなるので、葉も一緒に取り除いて風通しをよくしましょう。

夏越し 

梅雨や夏の高温多湿が苦手ですので、梅雨前に切り戻しをして風通し良く管理します。

冬越し 

ペチュニアは寒さに強くないため11月や12月頃には枯れてしまうことが多いため、温暖な地域を除き戸外での冬越しは難しいです。寒風が当たらない南向きの日あたりがよい場所に置いて霜よけを行えば、戸外で冬越しさせることもできるようです。

ペチュニアを鉢植えで育てている場合は、11月以降、昼間は日の当たる暖かい場所(5度以上の気温になる所)に置いて管理し、日が沈み気温が下がる前には室内に取り込みましょう。

寒い地域で日中もペチュニアの鉢を屋外に出せない場合は、室内の日当たりのよい場所で育てましょう。昼間などの気温が高くなる時間帯は、なるべく外に出すようにするのがおすすめです。

室内に移動ができない大きな鉢やコンテナの場合は、なるべく寒い風があたらない軒下などへ移動させ、霜がつかないように注意してください。防寒に寒冷紗を使用するのもおすすめです。

庭植えで育てているものは、挿し芽にして暖かい場所で管理することで冬越しが可能になります。

増やし方 

ペチュニアは種まきや挿し芽で増やすことができます。

挿し芽 

挿し芽の適期は、4月から7月ぐらいまでと9月から10月です。冬越し用の小苗をつくる場合は、9月から10月に挿すようにしましょう。

元気そうな茎の先端から7cm程度切って、下を斜めにカットし挿し穂を作ります。挿し穂を水に1~2時間つけて、挿し木用のきれいな土へ挿します。大きな葉は半分ぐらいに切っておくのがおすすめです。その後は、明るい日陰で管理します。水を張った容器に入れて給水させると、1か月程度で根が回ってきます。

挿し木や挿し芽は人に譲らず自宅で楽しむようにしましょう。

挿し木や挿し芽で増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。

種まき 

3月から5月と、9月が適期です。9月に種まきする場合は、室内などで冬越しさせて春に植えつけます。発芽の際に光を必要とする好光性種子ですので、覆土しないか、土は薄くかぶせる程度にします。発芽までは明るい場所で管理しましょう。

ペチュニアの育て方は動画でもご紹介しています。

育て方のポイントまとめ

  • 肥料を好みますので、定期的に肥料を与えて花付きをよくしましょう。
  • 水やりは株元へ行うようにし、花や葉に水が溜まらないようにしましょう。
  • 花がら摘みや切り戻しをして、株を風通しよく育てましょう。