アロカシアの育て方・基本情報・まとめ

アロカシアの育て方

アロカシアとは

アロカシアの育て方

アロカシアはサトイモ科アロカシア属に属する熱帯植物で、東南アジアやオーストラリアなどの熱帯から亜熱帯地域を原産としています。大きく広がる葉は品種によってさまざまな形や色合いがあり、光沢のある深いグリーンやシルバーがかった模様を持つものなど、エキゾチックで存在感のある葉姿が特徴です。その独特な葉脈の美しさや立体感のあるフォルムは、まさに「リビングアート」のような魅力を放ち、観葉植物として高い人気を誇ります。

アロカシアは基本的に葉を観賞する植物ですが、条件が整うと仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる花を咲かせることがあります。(花の色は白〜淡い黄緑色で、茎の根元付近からひっそりと咲きますが、室内管理ではなかなか見ることはできません)

栽培は鉢植えが基本で、観葉植物として室内の明るい場所で育てるのが一般的です。直射日光は葉焼けの原因となるため避け、レースカーテン越しの柔らかな光が当たる場所を選びましょう。耐陰性もありますが、暗すぎると葉色が褪せたり生育が鈍ったりすることがあるため、定期的に明るい場所に移動させるのが理想です。

水やりは、表土が乾いてからたっぷりと与えるのが基本。特に成長期の春から夏は、葉の展開が盛んになるため、水切れに注意しましょう。逆に冬は休眠に入るため水やりは控えめにし、根腐れを防ぐようにします。高温多湿を好む一方で、通気性の悪い場所では根が傷みやすくなるため、風通しのよい環境を心がけてください。

寒さにはあまり強くなく、10℃を下回ると葉を落とすこともあるため、寒冷地では冬の間は暖かい室内での管理が必須です。エアコンの風が直接当たらない場所に置くと、葉の傷みを防ぐことができます。

注意点として、アロカシアにはシュウ酸カルシウムという刺激性のある成分が含まれており、誤って口にすると口内や喉に強い刺激を与えるおそれがあります。小さなお子様やペットがいるご家庭では、手の届かない場所に飾るなど、安全面に配慮してください。植え替えや葉の手入れの際には、肌の弱い方は手袋の着用をおすすめします。

アロカシアはその造形美とエキゾチックな雰囲気で、お部屋の雰囲気を一気に格上げしてくれる存在です。デザイン性の高い鉢と合わせて飾れば、まるでアート作品のような空間に。日々のお手入れを楽しみながら、その個性的な美しさをご自宅で観賞してみてはいかがでしょうか。

園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉に艶があり、株元がしっかりしているものを選ぶとよいでしょう。

ガーデンパーティではアロカシアを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。

アロカシアの基本情報

名前アロカシア
学名Alocasia
科・属名サトイモ科 / クワズイモ属
英名alocasia
分類観葉植物
お勧め植え付け時期5月~8月
原産地インド~東南アジア、中国、台湾、日本南部、太平洋諸島、オーストラリア
耐暑性強い
耐寒性弱い

アロカシアの栽培カレンダー

アロカシアの栽培カレンダー

アロカシアの基本的な育て方

植え付け

アロカシアの植え付けは春〜初夏(5月〜8月頃)の暖かい時期がおすすめですが、猛暑日は避けてください。水はけの良い清潔な土(市販の観葉植物用培養土など)を使うとよいでしょう。鉢は通気性の良いものを選び、根腐れを防ぎましょう。

植え替え

アロカシアは1〜2年に1回、春から初夏にかけて植え替えると元気に育ちます。根詰まりすると葉が黄色くなったり成長が止まったりするため、鉢底から根が見えたら植え替えのサインです。根はデリケートなので丁寧に扱いましょう。

アロカシアの緑葉の種類は生育旺盛なため、中〜小鉢は毎年、大鉢は2年に1回、5〜8月に植え替えます。葉が金属光沢の種類も5月中旬〜8月に植え替え、古い土を1/3ほど落として新しい用土に植えます。休眠中の塊茎は3〜4号鉢に植え付けましょう。

日当たり・置き場所

明るい日陰〜半日陰が最適です。強い直射日光は葉焼けの原因になります。レースのカーテン越しに光が入る窓辺などが理想です。耐陰性はありますが、あまりにも暗い場所では徒長してしまうため注意が必要です。室内ではエアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。

緑葉の種類は、年間を通して日当たりで育て、春から秋は戸外に、冬は室内で管理するのがよいでしょう。葉が金属光沢の種類は1年を通して室内の明るい日陰に置いて、冬は水を切って休眠状態にして冬越しさせましょう。

水やり

アロカシアは、水のやりすぎは根腐れの原因になります。成長期(春〜秋)は水切れに注意して土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。夏は鉢の土を乾かさないように水を与え、冬の休眠期は乾燥気味に管理し、土が乾いて数日してから少量与える程度にします。

肥料

成長期の5月〜10月に、緩効性肥料を2か月に1回程度、または液体肥料を2週間に1回ほど与えましょう。冬場は肥料を控えて休眠させます。

下葉の除去

病害虫の発生源になる可能性があるため、枯れた下葉は早めに取り除きましょう。

支柱立て(または鉢増し)

大きく伸びすぎると倒れてしまうことがありますので、支柱を立てるか、大きな鉢に植え替えるなどしましょう。

病害虫

軟腐病(水やりが過多で発生しやすい、葉が急に枯れる症状)や炭そ病(葉に病斑や穴)が春から秋に発生することがあります。

またハダニ、カイガラムシ、アブラムシなどが発生することがあります。葉を定期的にチェックし、異常が見られた場合は市販の殺虫剤や濡れたティッシュで優しく拭き取りましょう。葉水を行って湿度を保ち、害虫の予防にもなります。

夏越し

直射日光を避け、遮光(30~50%)で葉焼け対策をしましょう。エアコンの風が直接当たらない場所に置き、土が乾く前にたっぷり水を与え、葉には霧吹きで保湿すると効果的です。

冬越し

アロカシアは寒さに弱く霜に当たると枯れてしまうため、霜が降りる前に室内に入れましょう。理想は10℃以上(できれば15℃以上)を保てる環境です。冷えやすい窓辺や玄関は避けてください。水やりも控えめにして乾燥気味に管理しましょう。

増やし方

挿し芽や株分けで増やすことができます。

挿し芽

6月から8月に立ち上がった茎を、節を2~3節つけて切り切って赤玉土などに挿すと1か月程度で発根します。新葉が開くまでは2~3か月ぐらいかかります。

株分け

植え替え時に根茎を切り分けて、それぞれを新しい鉢に植え付けます。根がしっかりしていれば比較的簡単に増やせます。

まとめ

  • 直射日光を避けて、明るい日陰で管理しましょう。
  • 根腐れにならないように注意して、季節によって水のやり方を変えましょう
  • 寒さに弱いため、冬は室内で10℃以上(できれば15℃以上)を保って冬越しさせましょう。