ホワイトレースフラワーとは
ホワイトレースフラワーは繊細なレースのような花姿が美しいセリ科の一年草の植物で、同じセリ科のニンジンやセリなどの花に似ています。また猛毒があるドクゼリに見た目が似ていることから毒芹擬(ドクゼリモドキ)という少し恐そうな和名がついていますが、ホワイトレースフラワーに毒はなく、清楚で可憐な印象を与える花です。
初夏になると、すらりと伸びた茎の先に、細かな白い花がボール状に集まってたくさんの花を咲かせます。花序が集まって直径が10cm~15cmぐらいの大きさになる傘状の美しい姿は、他の植物と一緒に寄せ植えすれば華やかさを演出しながら周りの植物を引き立てます。草丈は50cm程度から高いものでは1m以上になるものもあり、花壇の後方やナチュラルガーデンによくあいます。花色は基本的に純白で清涼感のある白い花を咲かせ、茎がしっかりとしていて花もちがよいため、切り花やフラワーアレンジメントの添え花の他、ブーケの名脇役としてもよく利用されています。花が終わった切り花をそのままにしていると乾燥して自然にドライフラワーになり、室内で長く楽しむことができます。
ホワイトレースフラワーによく似た花に「オルレア」がありますが、こちらは小さい花の外側を少し大き目の花びらが囲んでいるため、花で見分けられます。
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ホワイトレースフラワーの基本情報
名前 | ホワイトレースフラワー |
学名 | Ammi majus |
科・属名 | セリ科 / ドクゼリモドキ属 |
英名 | Bishop’s weed |
和名 | ドクゼリモドキ |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 5月~6月 |
お勧め植え付け時期 | 3月~4月 |
原産地 | 地中海沿岸~西アジア |
耐暑性 | 普通(高温多湿に弱い) |
耐寒性 | 普通 |
ホワイトレースフラワーの栽培カレンダー
ホワイトレースフラワーの基本的な育て方
植え付け
市販の草花用の培養土を用いるか、赤玉土7、腐葉土3の割合で配合た土など、水はけがよければ土はあまり選びません。
短日期に向かう10月から11月に植えつけると、株張りが30cmを超えるほど大きなロゼット状の株に育ちます。寒冷地では春に植えるのが安全です。地植えの場合は、庭土に腐葉土などをよく混ぜて苦土石灰も少し入れて植えつけます。株が大きく成長しやすいため、30~40cmほど間隔をあけて植え付けます。
根が真下に伸びる性質(直根性)ですので移植すると株が弱る可能性があります。植え付けや植え替えの際は、根をあまり触らないようにしましょう。
また、何年も同じ場所で育てていると連作障害を起こしたり病気になりやすかったりするため、新しい土に植え替えるか土壌改良などを検討しましょう。
日当たり・置き場所
原産地の地中海沿岸地方から西アジアの気候のような日照の多い温暖な気候を好みますので、日当たりと風通しがよい場所で育てるようにしましょう。乾燥しやすい場所でもよく耐えます。
水やり
水を与え過ぎると株の徒長や根腐れを引き起こしますので、水やりは控えめにして乾かし気味に管理しましょう。土が乾き始めてからたっぷりと水を与えるようにします。成長や開花のためには十分な水分が必要となりますので、蕾の時期には乾燥させないように気をつけてください。
地植えの場合は、植え付け後に根が充分に張ったら、水やりはほぼ不要で、降雨に任せます。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。乾燥気味を好みますが、完全に乾ききってしまうと株が急に弱るため注意が必要です。
肥料
植え付け時に元肥を与えると生育がよくなりますが、基本的に追肥は不要です。鉢やポットで育てている苗は、本葉が出て生育している間は肥料が途切れないように規定倍率より薄めた液体肥料を月に3~4回程度施しましょう。
地植えでは肥料は与えなくても問題ありません。花を長く楽しむために、希釈した液肥を少量与えるのはよいですが、与え過ぎは徒長につながり倒れやすくなるため注意します。
病害虫
アブラムシ、ハダニなどが発生することがありますので、見つけたら早めに防除します。
日当たりと水はけ、風通しがよい場所であれば病気は特に見られません。同じ場所で続けて育てていたり、蒸れて湿度が高い状態が続いたりすると、立枯病になることがありますので、栽培する場所を変えた方がよいでしょう。
支柱立て
草丈は平均で50cm~100cm程度ですが、品種や育て方次第では大きく成長するものもあり1mを超す高さになることもあります。形を美しく保って株が倒れないよう支柱を立てることを検討しましょう。
秋まきした苗や市販のポット苗を植えつけた場合も、大きく育って倒れやすくなりますので、茎の成長に合わせて支柱を立てましょう。
花がら摘み
咲き終わった花は2~3節切り戻すと、また次の花を咲かせやすくなります。切り戻した花は切り花にして楽しむのもおすすめです。種を採取したい場合は花がら摘みはせずにそのままにしておきましょう。
夏越し
耐暑性は弱く高温多湿な日本の気候では夏を越せずに枯れてしまいます。
冬越し
半耐寒性で、ロゼット状の苗はわりあい寒さに強く、とうが立ってくる(植物の花芽が作られて花茎が伸びる状態になる)と寒さに弱くなります。凍結や強い霜には耐えられないため、寒冷地では霜よけをするか、室内へ取り込むのがよいでしょう。
増やし方
ホワイトレースフラワーは種でふやすことができます。
種まき
開花後、全体的に茶色く枯れてきたら種を採取できます。種をまく時期や、温度、日長によって大きさが極端に変わります。
種まきは3月から4月、9月から11月が適期で、5月から6月にまくと長日条件になり、小苗のうちに花が咲いて大きく育ちません。秋まきにすると株が大きく育ち草丈も高くなります。
気温が高いと発芽しにくいので、9月にまく場合は、湿らせた種を1週間くらい冷蔵してからまくとよく発芽します。古い種は発芽が悪くなりますので毎年新しい種をまくのが確実です。
育て方のポイントまとめ
- 当たりと風通し、水はけが良いところへ広めに間隔をとって植え付けて育てましょう。
- 基本的に水やりは控え気味でよく乾燥気味に育てますが、開花前の蕾の時期は乾燥させないように水やりをしましょう。
- 草丈が高くなるようであれば、倒れないように支柱を立てましょう。