宿根フロックスとは
フロックスは、北アメリカやシベリアといった寒い地域を原産とする植物です。
草丈が1mを超えるものや、岩場に張りついてクッション状に育つもの、常緑、落葉、一年草、多年草とバラエティーに富み、花が美しいため多くの品種が栽培され、品種によって生育に適した環境や性質などが異なります。
ここでは、宿根草タイプのフロックスについて取り上げていきたいと思います。
宿根草のフロックスは分枝に優れ、たくさんの花が開花します。白や赤、ピンク、オレンジ、黄、複色などの小さな花が集まってふんわりとした花房を作り、6〜10月頃に開花時期を迎えます。草丈は品種にもよりますが、50〜120cmぐらいまで生長し、高性種は群生させると美しく見ごたえがあります。品種改良も進み、近年では様々な品種が登場しています。日本の夏の暑さにも負けることなく丈夫ですし、年々大株に成長します。草丈が高いものは、花壇の後方に配置することで、密集した花がきれいな背景を作りだしてくれるでしょう。
店頭で苗を購入する際は、店頭で苗を購入する際は、葉が虫食いにあっていない元気な苗を選びましょう。
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宿根フロックスの基本情報
名前 | 宿根フロックス |
学名 | Phlox paniculata |
科・属名 | ハナシノブ科 / クサキョウチクトウ属(フロックス属) |
英名 | moss phlox, creeping phlox |
和名 | オイランソウ、クサキョウチクトウ |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 6月~10月 |
お勧め植え付け時期 | 3月~5月 |
原産地 | アメリカ、カナダ |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
宿根フロックスの栽培カレンダー
宿根フロックスの基本的な育て方
植え付け
3〜5月と9〜10月頃に、日当たりと水はけがよい場所に植え付けます。また風通しが悪く蒸れやすい場所では、うどんこ病が発生することがありますので、できるだけ風通しがよい場所を選ぶようにしましょう。
宿根フロックスは、大きく成長しますので、株間を30~40cmぐらい広めに株間をとって植え付けしましょう。品種によって草丈が異なりますので、高性種は花壇の中央より後方に植えるのがおすすめです。植え付け時に腐葉土をすき込み、元肥として堆肥と緩効性化成肥料を与えます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土に緩効性化成肥料を混ぜておきます。追肥は特に必要ありません。
植え替え
宿根フロックスの植え替えは、3月〜5月と9〜10月頃が適期です。根詰まりを防ぐため鉢植えは、1~2年に一回ぐらい植え替えをしましょう。地植えで育てている場合は、3年ぐらい経って株が混みあってきたら掘り起こして株分けを行いましょう。
日当たり・置き場所
日当たりと水はけの良い場所で育てましょう。
水やり
水やりは植え付け時にたっぷり与え、その後は土の表面が乾いたら与えるようにします。基本的に乾燥には強いため、やや乾燥気味に育てるのがよいですが、水切れすると弱ることがありますので注意が必要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えの場合は、根付いたら水やりのほとんど必要ありません。
肥料
地植えの場合は、基本的に肥料は必要ありません。鉢植えの場合は、3〜6月と9〜10月に緩効性化成肥料を追肥します。
病害虫
風通しが悪いと、うどんこ病や灰色かび病が発生することがあります。花がら摘みもこまめに行って病気を予防してください。
害虫はアブラムシがつくことがありますので見つけ次第すぐに駆除しましょう。
摘芯
草丈が15~20㎝ぐらいの時に、上部の芽を1節切り取ることで、脇芽が増えて花付きがよくなります。開花後に摘芯をすれば、また花が楽しめるでしょう。
切り戻し
株が混み合ってくると風通しが悪くなりますので、透かし剪定をして風通しの良い株にしましょう。秋に花が終わったら株元で切り戻しましょう。
花がら摘み
咲き終わった花がらはこまめに摘み取るようにしましょう。
夏越し
特に必要ありません。
冬越し
晩秋に地際で剪定しましょう。冬は地上部が枯れますが、春に再び芽吹きます。
増やし方
宿根フロックスは株分けや根伏せで増やすことができます。
株分け
植えつけて2~3年すると株が混み合ってきますので、3月から4月に株を掘り上げて植え替えを兼ねて株分けをすることで増やせます。
根伏せ
植え替えの際に行うのがおすすめです。株を掘り上げたら周りの土を洗い落とし、その中から太く元気な根を選んで、10㎝ぐらいの長さに切りとります。それを土が入ったポットなどに寝かせた状態で埋めて明るい日陰で水を切らさないように管理します。
育て方のポイントまとめ
- 日当たりと水はけがよい場所に株間を広くとって植え付けましょう。
- 水やりは土の表面が乾いてから与えるようにしましょう。地植えは根付いてからはほぼ不要です。
- 毎年大きく成長しますので、鉢植え・地植えともに、株分けもかねて植え替えを行いましょう。