コリウスの育て方・基本情報・まとめ

コリウスの育て方

コリウスとは

コリウスの育て方

コリウスは、鮮やかで多彩な葉色が魅力で、花よりも美しい葉を観賞して楽しむ植物です。原産地は東南アジアやインドネシアで、高温多湿の気候を好みます。本来は多年草ですが、日本の冬の寒さには弱いため、日本では一年草として扱われます。草丈は品種によって異なりますが、一般的には20〜80cmほど。花は小さな薄紫色の穂状で、初夏から秋にかけて咲きますが、葉の美しさを楽しむために、花が咲く前に摘むことが多いです。

コリウスは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、強い直射日光は葉焼けの原因になるため、半日陰が最適。鉢植えやコンテナ、ハンギングバスケットにすると、葉の美しさが引き立ち、玄関先やベランダでも手軽に楽しめます。花壇に地植えする場合は、周囲との色合わせで華やかな印象を演出できます。また、カラフルな葉を活かして、切り花やアレンジメントの素材としても人気があります。

育てる際の注意点として、コリウスは一部の品種で茎や葉に微量の毒性があるとされているため小さな子どもやペットがいる家庭では置き場所に配慮が必要ですが、初心者の方でも育てやすく、夏の暑い時期でも鮮やかな色を楽しめるカラーリーフとして楽しむことができるでしょう。

葉色や形に個性があり、植栽のアクセントとしても活躍するコリウスの品種をご紹介します。

ゴリラシリーズ
大型で生育旺盛な品種群で、存在感のあるカラーリーフとして人気があります。葉はやや丸みを帯び、赤、緑、紫など多彩な色彩が特徴。特に庭植えにするとボリュームが出て、夏の花壇にインパクトを与えます。

ジグザグ
名前の通り、葉の縁がジグザグ状に切れ込んだユニークな形が特徴です。葉色も赤紫に黄色の縁取りが入るなど、非常にカラフルで、寄せ植えやハンギングバスケットにおすすめ。見た目の面白さから観賞価値が高い品種です。

グレートフォール アラマレ
秋を思わせる深みのある赤やブロンズ系の葉色が美しい品種で、落ち着いたトーンが大人っぽい印象を与えます。やや下垂する性質があり、コンテナや鉢植えにすると、垂れる葉が立体感を演出してくれます。

これらの品種は、それぞれ異なる魅力があるため、組み合わせて植えることでより豊かな彩りを楽しむことができます。育てたい印象に合わせて、品種を選んでみてください。

園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、茎がしっかりとしており、葉が鮮やかで傷んでいないものを選ぶと、丈夫に育てることができます。

ガーデンパーティではコリウスを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。

コリウスの基本情報

学名Coleus blumei Coleus
科・属名シソ科コリウス属
英名Coleus
和名金襴紫蘇(きんらんじそ)、錦紫蘇(にしきじそ)
分類多年草(日本では一年草の扱い)
開花時期6月~8月(品種による)
お勧め植え付け時期5月~7月
原産地東南アジア
耐暑性強い(極端な暑さには注意)
耐寒性弱い

コリウスの栽培カレンダー

コリウスの栽培カレンダー

コリウスの基本的な育て方

植え付け

植え付けは5月中旬以降の気温が安定してからがおすすめで、水はけのよい土壌が適しています。市販の草花用培養土でも育てられますが、赤玉土小粒6:腐葉土4などの配合でも問題ありません。地植えの場合は、植え付け前にしっかり耕して腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきましょう。

植え替え

基本的に一年草扱いのため植え替えは不要ですが、春から夏にかけて長く楽しみたい場合は株が混み合ってきたら一回り大きな鉢に植え替えると生育がよくなります。特にコンテナやハンギングで育てている場合、根詰まりしやすいため、株の勢いが落ちたと感じたら植え替えを検討しましょう。       

日当たり・置き場所

直射日光が強すぎる場所では葉焼けを起こすことがあるため、午前中だけ日が当たるような場所や、明るい日陰が最適です。特に夏場の西日は避けたほうが無難です。室内で育てる場合は、明るい窓辺に置きましょう。ただし暗すぎると葉色が冴えなくなるため注意が必要です

水やり      

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。特に鉢植えの場合は乾きやすいため、夏場は朝夕2回の水やりが必要になることもあります。過湿には注意が必要で、受け皿に水がたまったままにしないようにしましょう。地植えの場合は自然の降雨だけで足りることもありますが、極端に乾燥が続く時は水を補ってください。

肥料

植え付け時に元肥を混ぜて、5月〜9月の生育期は月に1〜2回程度、緩効性の化成肥料を与えると発色がよくなり、葉のボリュームも出ます。液体肥料の場合は1週間から10日に1回程度が目安です。肥料が切れると葉色が薄くなり、魅力が半減してしまうため、定期的な施肥が大切です。ただし、肥料の与えすぎは軟弱な茎葉をつくる原因になるので注意しましょう。

病害虫

風通しが悪くなるとハダニやヨトウムシが発生しやすくなります。特に乾燥が続くとハダニがつきやすいので、葉裏を中心にこまめにチェックしましょう。見つけたらすぐに駆除し、被害が広がらないようにします。病気は比較的少ないです。

花摘み

葉の色を鮮やかに保ち、株の生育が衰えないようにしたい場合は、花芽が見えてきたら、すぐ下の節で切り花を咲かせないようにしましょう。花が咲くと花に栄養を使ってしまい、色あせなどにつながります。種を採る場合は、花芽の摘み取りをやめて種ができるのを待ちます。 採取した種は翌年の種まき適期にまきますが、種まきで育てた苗は親株と同じ色や模様にならないことがあります。

 

切り戻し・摘芯

株元から枝を増やすために、早めの摘芯が効果的です。摘芯は草丈が15〜20cmになった頃、茎の先端を指でつまんで切り取ります。そうすることで脇芽が出て株がこんもりと仕上がります。伸びすぎた場合は切り戻しを行い、形を整えると同時に風通しをよくすることができます。切り戻し後は軽く肥料を与えると回復が早まります。

夏越し

夏の暑さに比較的強い植物ですが、強い直射日光や乾燥には弱いため、半日陰に置き、水切れに注意しましょう。特に鉢植えやコンテナ栽培では、朝晩のこまめな水やりが必要です。葉焼けを防ぐため、明るい日陰に移動させるなどの工夫も大切です。夏場も風通しのよい場所で管理することで病害虫の発生も抑えられます。

冬越し

寒さに非常に弱く日本では基本的に一年草として扱われるため、冬越しの作業は行いません。どうしても冬も楽しみたい場合は、室内に取り込んで観葉植物として育てることもできますが、十分な光と管理が必要になります。

増やし方

挿し芽や種まきで増やすことができます。       

挿し芽

コリウスを増やす方法として最も簡単で確実です。生育期(5〜9月)に健康な茎を7〜10cmほど切り取り、下葉を除いて水に挿すか、湿らせた土に挿します。水ざし(切った茎を水に入れて発根させる)でも容易に発根しますので、2〜3cm程度、根が伸びたら鉢に植え替えましょう。

種まき

発芽適温が20〜25℃と高いため、5月以降の気温が安定してから行います。発芽の際に光を必要とする好光性種子ですので土はかぶせず軽く押さえる程度にします。発芽までは乾かさないよう注意が必要です。発芽は7〜10日ほどで、苗が本葉4〜5枚になったら間引いて育てます。ただし、種から育てると親株と異なる葉色が出ることがあり、品種の再現性にはばらつきがありますが、葉色の違いを楽しみたい方にはおすすめです。

コリウス豆知識

・コリウスの花言葉は?
コリウスの花言葉は「善良な家風」「健康」「かなわぬ恋」「恋ののぞみ」などがあり、美しさや特性を反映し多様な意味を持っています。

・コリウスに毒はあるの?
コリウスには微量の毒性があるとされており、特にペットが葉をかじると下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性がありますので、小さなお子さんやペットの近くには置かないようにしましょう。

まとめ

  • 直射日光を避け、半日陰の明るい場所で育てるようにしましょう。
  • 水切れと過湿のバランスに注意し、土が乾いたらたっぷり水を与えるようにしましょう。
  • こまめな摘芯で形を整えて、葉の美しさを引きたてましょう。