
アガベとは

アガベはリュウゼツラン科アガベ属に属する多肉植物の一種で、メキシコを中心とした中南米の乾燥地帯を原産としています。太くしっかりとした葉が放射状に広がるロゼット状のフォルムが特徴的で、力強さと造形美を併せ持つ植物として、ガーデンの主役や観葉植物として高い人気を集めています。
葉の縁にはトゲを持つ種類も多く、鋭く伸びる葉姿は、まさに「生きた彫刻」のような存在感を放ちます。品種によっては数十年に一度だけ花を咲かせる「センチュリープラント」とも呼ばれるものがあり、その希少性と神秘的な魅力も人気の理由のひとつです。花は品種によって異なりますが、高さ数メートルにもなる花茎に黄色やクリーム色の花を咲かせることがあります。花が咲いた後、親株は枯れますが、株元に出た子株によって増やすことが可能です。
アガベは、屋外ではロックガーデンやドライガーデンの主役として、室内では鉢植えでスタイリッシュなインテリアグリーンとして楽しめます。最近ではコンパクトで育てやすい品種も多く、ベランダや玄関周りのアクセントとしてもおすすめです。
育て方のポイントは、日当たりと風通しのよい場所を選ぶこと。特に日光を好む植物なので、日照時間の長い場所で育てると、葉の模様や色合いがより鮮やかになります。水やりは控えめで、土が完全に乾いてから与えるようにしましょう。多湿を嫌うため、排水性のよい土を使用し、水はけの悪い鉢や場所は避けることが重要です。
寒さには品種によって強弱がありますが、一般的に5℃以上を保てる環境が理想です。耐寒性のある品種であっても、霜が当たると傷んでしまうため、寒冷地では冬の間は室内での管理が安心です。
また、葉のトゲは鋭いため、小さなお子様やペットがいる家庭では注意が必要です。植え替えや手入れの際には、手袋を着用するなど安全面にも配慮しましょう。
アガベはそのユニークな造形と丈夫さから、初心者にも育てやすい多肉植物としておすすめです。あなたのガーデンやインテリアに、アガベの持つ力強く洗練された魅力を取り入れてみてはいかがでしょうか?
園芸店やホームセンターで苗を購入する際には、葉がしっかり締まっていて張りがあるものを選びましょう。また、トゲの先端が枯れたり欠けたりしていないかも見ておきましょう。
ガーデンパーティではアガベを取り扱っていますので、興味を持たれた方はこちらからご購入いただけます。
アガベの基本情報
前 | アガベ |
学名 | Agave americana |
科・属名 | キジカクシ科(クサスギカズラ科) / リュウゼツラン属 |
英名 | Agave |
分類 | 多肉植物 |
生育タイプ | 夏型 |
開花時期 | ほとんど開花しない |
お勧め植え付け時期 | 春 |
原産地 | 中・南アメリカ、南アフリカ大陸など |
耐暑性 | 強い~やや弱い(種類による) |
耐寒性 | 普通~やや弱い(種類による) |
アガベの栽培カレンダー

アガベの基本的な育て方
植え付け
植え付けの適期は春〜初夏です。アガベは乾燥を好むため、水はけの良い土を使いましょう。市販の多肉植物用の培養土、または赤玉土と軽石を混ぜたものがおすすめです。
植え替え
鉢植えの場合は2〜3年に1回程度の植え替えが目安です。根詰まりを防ぐためにも、春〜初夏にひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。古い土を軽く落として、新しい土に植え替えることで健康的に育ちます。
日当たり・置き場所
アガベは日光が大好きな植物です。屋外では1日を通してよく日の当たる場所を選びましょう。室内で育てる場合も、南向きの窓際など明るい場所が理想です。
風通しが悪いと根腐れや病害虫の原因になるため、風通しのよい環境を整えましょう。
水やり
アガベは乾燥にとても強い植物です。鉢植えでは、土がしっかりと乾いてからたっぷり水を与え、鉢底から流れ出た水は捨ててください。春から秋の成長期は土が乾いたらたっぷり与え、夏は10日に1回程度、冬の休眠期はさらに控えめに月に1~2回程度を目安に水やりを行いましょう。
庭植えの場合、基本的に水やりは不要で、自然の降雨で育ちます。
肥料
肥料は控えめが基本です。春〜秋の成長期に緩効性肥料を2〜3ヶ月に1回程度、または液体肥料を月1回ほど与えるだけで十分です。肥料を与えすぎると、葉焼けや根腐れを起こすことがありますので注意しましょう。
病害虫
基本的には病害虫には強いですが、風通しの悪い環境ではカイガラムシやアブラムシが発生することがあります。発見次第、早めに取り除くか、園芸用殺虫剤で対処しましょう。葉のトゲが鋭い品種も多いため、手入れや植え替えの際は手袋の着用をおすすめします。
また、葉に茶色や黒の斑点が現れて進行すると葉が枯れる炭疽病が発生することがあります。ひどくなると株全体が枯死しますので高温多湿な時期は特に注意が必要です。感染した箇所は早めに健康な部分ごと切除し、切り口に殺菌剤を塗布して処分しましょう。道具類も消毒し、風通しの良い環境で管理することが予防の鍵です。
下葉取り
下葉が枯れてきたら、消毒したハサミなどを使って枯れた葉を切り落としましょう。枯れた葉を放置していると病害虫の原因となることがあるため、こまめに取り除くようにしましょう。
夏越し
夏越しには、日当たりと風通しのよい場所で管理し、水やりを控えめにしましょう。品種によっては夏の直射日光で葉焼けを起こすことがありますので、半日陰への移動や、遮光などして管理しましょう。
冬越し
アガベは品種によって耐寒性に違いがありますが、一般的には5℃以上を保てる環境が理想です。
耐寒性のある種類は暖地であれば戸外でも越冬できますが、霜に当たると葉が傷むため、寒冷地では鉢植えにして寒くなる前に室内に取り込むようにしましょう。
増やし方
アガベは株元から子株が出ることが多く、それを株分けして増やすことができます。
株分け
春〜初夏が適期です。子株にある程度根がついていれば、消毒したハサミなどを使って親株から丁寧に切り離し、別の鉢に植えて育てましょう。子株に根が出ていなければ、切り口を2~3日乾かしてから、挿し芽用の土に挿します。
まとめ
- 日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
- 過湿を嫌うため水やりは控えめにして、土がしっかり乾いてからたっぷりと与えるようにしましょう。
- 冬は寒さ対策を忘れずに。寒冷地では室内に取り込めるよう鉢植えでの管理がおすすめです。