
ダイアンサス(ナデシコ)とは

可憐な花を次々と咲かせ、花壇や鉢植え、寄せ植えなど幅広く楽しめるダイアンサス(ナデシコ)は、昔から日本でも親しまれている植物です。ピンクや赤、白など花色が豊富で、品種によって花の大きさや形、草丈などにも違いがあります。
ダイアンサスはナデシコ科ナデシコ属の植物の総称で、日本に自生するカワラナデシコをはじめ、セキチクやヒゲナデシコなど、さまざまな種類があります。園芸品種も数多く作られており、コンパクトにまとまるタイプから、花壇で存在感を楽しめるタイプまで幅広くあります。
本来は多年草で一度植えると毎年花を楽しめる品種もありますが、暑さと湿気で株が弱ってしまうものもあるため、一・二年草扱いされることもあります。
開花時期は種類によって異なりますが、春から秋にかけて花を楽しめるものが多く、適切に管理することで長く花を楽しめるのが魅力です。
ダイアンサスを元気に育てるポイントは、「日当たりと風通しのよい場所で育てること」と「水はけをよくすること」です。日光が不足すると花つきが悪くなったり、株が徒長したりすることがあるため、できるだけ日当たりのよい場所で育てましょう。
また、ダイアンサスは過湿を嫌うため、土が乾いてから水やりをすることが大切です。特に梅雨や夏の高温多湿の時期は、蒸れによる株の傷みに注意し、水の与えすぎを避けましょう。
花が咲き終わったら、花がらをこまめに摘み取ることで、株をきれいに保ちながら次の花も楽しみやすくなります。花が一段落したタイミングで切り戻すことで、株の姿を整え、再び花を楽しめることもあります。
ダイアンサスは種類や品種によって性質や草姿が異なるため、育てる場所や楽しみ方に合わせて選ぶのも魅力のひとつです。鉢植えでコンパクトに楽しんだり、花壇の縁取りにしたり、寄せ植えのアクセントにしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。
ダイアンサス(ナデシコ)の基本情報
| 名前 | ダイアンサス(ナデシコ) |
| 学名 | Dianthus |
| 科・属名 | ナデシコ科 / ナデシコ属(ダイアンサス属) |
| 英名 | dianthus |
| 和名 | ナデシコ(撫子) |
| 分類 | 多年草 ※品種や栽培環境によっては一・二年草扱いになるものも |
| 開花時期 | 4~8月頃(※品種によっては3月~10月頃まで楽しめるものもあり) |
| お勧め植え付け時期 | 3月~5月/9月~10月 |
| 原産地 | ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、南アフリカなど |
| 耐暑性 | 普通~強い ※高温多湿に注意 |
| 耐寒性 | 強い |
ダイアンサス(ナデシコ)の栽培カレンダー

ダイアンサス(ナデシコ)の基本的な育て方
植え付け
ダイアンサスの植え付け適期は、春と秋です。暑さが厳しい時期や、冬の寒さが強い時期を避け、気温が安定している時期に植え付けましょう。
ダイアンサスは種類や品種によって、草丈が高くなるもの、コンパクトにまとまるもの、株が横に広がるものなど、草姿がさまざまです。植え付ける際は、その品種の特性に合った場所を選び、株が広がるタイプは株間を広めにとって、風通しを確保しましょう。
ダイアンサスは、水はけのよい土を好みます。庭植えでは、植え付け前に腐葉土などを混ぜて土を整えておくとよいでしょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使用すると手軽です。根がしっかり張れるよう、苗より一回り大きめの鉢を選びましょう。また、植え付け時には、害虫防除のために殺虫剤を使用しておくのもおすすめです。
植え替え
ダイアンサスは、多年草として育てられる種類も多く、株が大きくなったり根詰まりしたりした場合は植え替えが必要です。鉢植えは根詰まりしやすいため、1年に1回を目安に植え替えを行うようにしましょう。
植え替えは、春または秋の生育が比較的穏やかな時期に行います。暑さの厳しい時期や、冬の寒さが強い時期の植え替えは、株への負担が大きくなるため避けます。
鉢植えで根が鉢いっぱいに回っている場合は、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの際は、根を傷めないよう注意しながら、根鉢を軽くほぐす程度にして植え付けましょう。
庭植えの場合も、株が混み合ってきた場合は、植え替えや株分けを行って株を整理すると、風通しを確保しやすくなります。
※植え替えの適期や方法は、種類・品種によって異なる場合があります。
日当たり・置き場所
ダイアンサスは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。
日光がよく当たる場所で育てることで、花つきがよくなり、丈夫に育ちます。日当たりが不足すると、茎がひょろひょろと伸びたり、花つきが悪くなったりすることがあります。
また、ダイアンサスは水はけのよい環境を好むため、雨が降った後に水が長くたまるような場所は避けましょう。特に梅雨から夏にかけては、株が蒸れないよう、植物同士を詰めて植えすぎないことが大切です。
鉢植えの場合も、できるだけ日当たりと風通しのよい場所で管理します。ただし、長雨が続く時期は、雨の当たらない軒下などに移動させると安心です。
水やり
ダイアンサスは、やや乾燥した環境を好む植物です。水の与えすぎによる過湿に注意しながら、水切れさせないように管理しましょう。
庭植えでは、植え付け後に根付けば、通常は降雨だけでも育ちます。ただし、雨が少なく土が乾燥している場合は、水やりを行いましょう。
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。特に夏は土が乾きやすくなるため、朝に土の状態を確認し、水切れに注意してください。
一方で、土が常に湿った状態になると、根が傷む原因になります。特に梅雨時期や長雨の時期は、土の乾き具合を確認してから水やりを行いましょう。
水やりの際は、葉や花に泥が跳ね返らないよう、株元にゆっくりと与えるのがおすすめです。
肥料
植え付け時の元肥と、生育期の追肥を行うのが効果的です。
液体肥料は水やりを兼ねて、10日~2週間に1回程度を目安に与えます。緩効性の固形化成肥料の場合は、1か月~2か月に1回程度を目安にしてください。
ダイアンサスは、開花期間が長い品種も多いため、花をたくさん咲かせている時期は肥料切れに注意しましょう。ただし、肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂ったり、根を傷めたりする原因になることがあります。使用する肥料の規定量を守り、株の生育状態を見ながら適量を与えましょう。
※肥料の種類や与える時期は、品種や栽培環境によって調整してください。
病害虫
ダイアンサスでは、灰色かび病や立枯病などの病気が発生することがあります。
特に梅雨時期など、湿度が高く、風通しが悪い環境では病気が発生しやすくなるため、株を蒸らさないように管理しましょう。
また、アブラムシなどの害虫が発生することがあります。葉や茎、新芽などをこまめに観察し、害虫を見つけたら早めに対処しましょう。
枯れた葉や咲き終わった花を取り除き、株の風通しをよくしておくことも病害虫の予防につながります。植え付け時に殺虫剤を使用しておくのも、害虫対策のひとつです。
花がら摘み
ダイアンサスは、咲き終わった花をそのままにせず、花がら摘みを行うことで、株をきれいに保ちながら次の花を楽しみやすくなります。
花が咲き終わったら、花だけを摘み取るのではなく、花茎ごと切り取ります。切る際は、葉がついている節の少し上をハサミでカットするとよいでしょう。
花がらをこまめに取り除くことで、株の風通しを保ちやすくなります。傷んだ葉や枯れた葉も見つけたら取り除きましょう。
なお、花がらを残しておくと種ができることがあります。種を採取したい場合は、花がらをすぐに摘み取らず、花が終わった後も残しておきましょう。
切り戻し
ダイアンサスは、花を楽しんだ後に茎が伸びたり、株の形が乱れたりすることがあります。そのような場合は、切り戻しを行って株を整えることができます。
花が一段落したタイミングで、伸びすぎた茎や花が少なくなった茎を、葉の付け根(節)の少し上で切り戻しましょう。元気な葉やわき芽を残して切ることで、そこから新しい芽が伸びて、再び花を楽しめることがあります。
また、株の中心が混み合っている場合は、傷んだ葉や古い茎を整理して、風通しをよくしておきましょう。
ただし、気温が高い真夏に強く切り戻すと株への負担になることがあります。夏に行う場合は、株の状態を見ながら、伸びすぎた部分を軽く整える程度にしておくと安心です。
夏越し
ダイアンサスは比較的丈夫な植物ですが、高温多湿の環境では株が蒸れやすくなるため注意が必要です。
夏場は土の乾き具合を確認しながら水やりを行い、土が常に湿った状態にならないようにしましょう。
特に鉢植えでは、強い日差しによって鉢の中が高温になったり、水切れを起こしたりすることがあります。土の状態をこまめに確認してください。
また、梅雨から夏にかけては、傷んだ葉や花がらをこまめに取り除き、株の風通しを確保しましょう。
暑さの厳しい時期に植え替えや強い切り戻しを行うと株への負担になるため、できるだけ避けるようにします。
冬越し
ダイアンサスは、冬の時期は生育がゆるやかになり、寒さに当たると、葉数が減ったり、下葉が枯れて茶色くなったりすることがあります。種類によって耐寒性に違いがありますが、多年草タイプは比較的寒さに強く、冬越しして翌年も花を楽しめるものがあります。
冬は水やりを控えめにし、土が乾いてから与えるようにしましょう。鉢植えでは、冷たい風や霜が直接当たる場所を避けると安心です。また、寒さの厳しい地域では、霜や凍結から株を守るため、鉢植えを軒下などに移動させるなどの防寒対策を行いましょう。
※耐寒性や冬越しの方法は、種類・品種によって異なります。
増やし方
ダイアンサスは、種まきや挿し芽(挿し木)のほか、株が大きく生長しているものは株分けでも増やすことができます。
種まき
種まきは、春または秋に行います。育苗ポットやセルトレイなどに種まき用の土を入れ、土を湿らせてから種をまきます。
ダイアンサスの種は、種類によって発芽条件などが異なるため、種袋などに記載されている方法を確認して行いましょう。種をまいた後は、土を乾かさないように管理し、発芽するまでは直射日光を避けた明るい場所で管理します。
発芽後は日当たりのよい場所で育て、苗が混み合ってきたら元気な苗を残して間引きます。本葉が増えて苗がしっかりしてきたら、根を傷めないように注意してポットなどへ植え替えます。
なお、園芸品種では、採取した種から育てると、親株と同じ花色や花姿にならない場合があります。親株と同じ性質の株を増やしたい場合は、挿し芽など、栄養繁殖による方法が適しています。
挿し芽(挿し木)
ダイアンサスは、挿し芽で増やすこともできます。
春または秋など、比較的気温が安定している時期に、元気で健康な茎を先端から5~10cmほどの長さで切り取ります。下の葉を取り除き、切り口を水につけて吸水させた後、湿らせた挿し木用の土に挿します。
直射日光を避けた明るい日陰で、土を乾かさないように管理しましょう。発根して新しい葉が育ってきたら、根を傷めないようにポットなどへ植え替えます。
※挿し芽の適期や発根までの期間は、種類・品種や気温によって異なります。
株分け
大きく生長している元気な株は、秋の9月〜10月頃に株分けで増やすこともできます。
元気な株を丁寧に掘り上げ、土を軽く落とし手やハサミで切り分けます。分けた株は、新しい水はけの良い土に植え付けて、たっぷり水を与えます。
根がしっかり張るまでは直射日光の当たらない日陰で管理します。
挿し木や挿し芽、株分けで増やした登録品種苗を、無断で人に譲ったり売ったりすることは「種苗法」という法律で禁止されています。増やした苗は人に譲ったりせず、自宅で楽しむだけにしましょう。
・ダイアンサスは毎年花が咲きますか?
ダイアンサスには多年草として育てられる種類があり、冬越しして翌年も花を楽しめるものがあります。
ただし、ダイアンサスにはさまざまな種類があり、性質や耐寒性なども異なります。購入した品種の性質を確認して育てましょう。
・ダイアンサスは夏の暑さに耐えられますか?
ダイアンサスは比較的丈夫な植物ですが、高温多湿による蒸れには注意が必要です。夏は水の与えすぎを避け、風通しのよい環境で管理しましょう。特に梅雨から夏にかけては、枯れた葉や花がらを取り除いて株の風通しを確保することも大切です。
・花が終わったらどうすればよいですか?
咲き終わった花は、花がら摘みを行いましょう。花だけを摘み取るのではなく、花茎ごと、葉がついている節の少し上で切り取ります。
花が一段落して株の形が乱れてきた場合は、切り戻して株を整えることもできます。
・ダイアンサスは鉢植えでも育てられますか?
はい。ダイアンサスは鉢植えでも育てやすい植物です。日当たりと風通しのよい場所に置き、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。
ただし、過湿を嫌うため、水の与えすぎには注意してください。特に梅雨や長雨の時期は、土の乾き具合を確認してから水やりを行いましょう。
・ダイアンサスの花が咲かないのはなぜですか?
日当たり不足や肥料の過不足、株の蒸れ、寒さに当てていないなどが原因として考えられます。ダイアンサスは日当たりのよい場所を好むため、できるだけ日光のよく当たる場所で育てましょう。
肥料は使用量を守り、株の状態を見ながら適量を与えるようにしましょう。
株が混み合っている場合は、枯れた葉や花がらを取り除いたり、適度に切り戻したりして、風通しをよくすることも大切です。
ダイアンサスは一定期間の寒さに当たることで花芽を作る性質があるため、冬の間も暖かい室内で管理すると、花が咲かなくなることがあります。
まとめ
- 日当たりと風通しのよい場所で育て、水はけのよい環境を保ちましょう。
- 水の与えすぎに注意し、土が乾いてからたっぷりと水やりをしましょう。
- 花がら摘みや切り戻しで株を整え、長くきれいな花を楽しみましょう。
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